資格×転職
PR行政書士は転職に有利?求人での評価と、登録しないとできないこと
「行政書士に合格すれば、転職で有利になるのかな」 「独立開業のイメージが強いけれど、会社に勤める形でも使える資格なのだろうか」
そう迷っていませんか?
結論を先に書くと、行政書士は、行政書士事務所の補助者、相続・在留資格・建設業許可などの書類を扱う仕事、企業の法務で、法律と行政手続きの知識を示せる資格です。求人には「資格があれば尚可」「試験合格者歓迎」と書かれる例が多く、持っていれば応募の後押しになります。
一方で、合格しただけでは「行政書士」と名乗れず、行政書士としての業務もできません。登録が必要で、東京都の案内では初期費用が約27.6万円かかります。また、企業の法務の求人では、必須条件は法務の実務経験で、行政書士は歓迎にとどまる例が見られます。
この記事では、試験センターと日本行政書士会連合会の公表データ、実際の求人の募集条件をもとに、行政書士が転職でどう評価されるのかを解説します。
結論:行政書士は転職に有利?
結論は**「補助者や許認可・外国人関連の仕事では後押しになる。企業の法務や総務では、経験が主役で資格は歓迎」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。
| あなたの状況 | 転職での見られ方 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 法務・総務・許認可・外国人関連の実務経験あり + 合格または登録済み |
◎ 企業法務の歓迎要件や、登録して勤務する行政書士の求人に応募できる | 経験を活かせる企業法務や、許認可を扱う会社・事務所を探す |
| 事務・営業など別分野の経験 + 合格 |
○ 補助者の求人では「尚可・歓迎」の位置づけで、事務経験が評価される | 補助者として入るか、登録して勤務するかを決めて求人を絞る |
| 実務経験なし + 学習中・これから受験 |
△ 勉強中でも応募できる求人はあるが、決め手は経験や意欲 | 試験の準備と並行して、補助者の求人の条件を見ておく |
行政書士試験には受験資格がなく、年齢・学歴・国籍に関係なく誰でも受けられます。そのため、合格者は毎年7,000人を超え(令和7年度は7,292人)、求人では「資格のほかに何ができる人か」が見られます。
行政書士とは?1分でわかる基本情報
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格です。他人の依頼を受け、報酬を得て、官公署(役所)に出す書類や、権利義務・事実証明に関する書類を作ることを仕事にします。日本行政書士会連合会は、許認可(国や自治体が事業や活動を認める手続き)の申請などで、1万種類を超える書類に対応すると説明しています。契約書、遺産分割協議書、議事録、会社の定款なども仕事の範囲です。
2026年度(令和8年度)試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施 | 一般財団法人行政書士試験研究センター(総務大臣の指定を受けた機関) |
| 受験資格 | なし(年齢、学歴、国籍等に関係なく受験できる) |
| 試験日 | 2026年11月8日(日)13:00〜16:00 |
| 申込期間 | インターネット:7月21日9:00〜8月24日17:00/郵送:7月21日〜8月17日(消印有効)。2026年度の申込は終了 |
| 受験手数料 | 10,400円(インターネット申込はシステム手数料370円が別にかかる) |
| 試験科目 | 行政書士の業務に関し必要な法令等(46題。憲法・行政法・民法・商法・基礎法学。択一式と、40字程度の記述式)/行政書士の業務に関し必要な基礎知識(14題。択一式のみ) |
| 配点(令和7年度) | 法令等244点(5肢択一式40問160点・多肢選択式3問24点・記述式3問60点)+基礎知識56点=300点満点 |
| 合格基準 | 法令等が満点の50%以上、基礎知識が満点の40%以上、試験全体が満点の60%以上。3つすべてを満たすこと(令和7年度の基準点は、法令等122点・基礎知識24点・全体180点) |
| 法令の基準日 | 2026年4月1日現在施行されている法令 |
| 合格発表 | 2027年1月27日(水)午前9時(試験センターの掲示板とホームページ) |
| 次回以降 | 公式の概要ページに「毎年11月第2日曜日」とある。次の年度の申込期間・手数料は、公式サイトに掲載されたら確認する |
出典:行政書士試験研究センター 試験の概要、試験案内ガイド、令和7年度行政書士試験合否判定基準、日本行政書士会連合会 行政書士の業務 (2026年10月3日確認) ※配点は令和7年度の資料です。受験前に、試験センターの最新の案内を確認してください。
合格率は13〜15%前後
| 年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格者の平均得点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年) | 63,845人 | 50,163人 | 7,292人 | 14.54% | 197点 |
| 令和6年度(2024年) | 59,832人 | 47,785人 | 6,165人 | 12.90% | 198点 |
出典:令和7年度行政書士試験実施結果の概要(令和6年度は同資料の「前年度」欄。2026年10月3日確認)
法律を学び始めたばかりの人から、すでに法律の仕事をしている人まで受けるなかで、合格するのは受験した人のおよそ7人に1人です。
合格したら、登録して初めて「行政書士」になる
転職の話に入る前に、いちばん誤解されやすい点を説明します。
行政書士法は、試験に合格した人を「行政書士となる資格を有する」人と定め(第2条)、行政書士となるには、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿に登録を受けなければならないとしています(第6条)。試験センターのよくある質問にも、合格者が行政書士として活動するには登録が必要だと書かれています。登録しない場合の扱いは、条文に次のとおり書かれています。
- 行政書士でない人は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に出す書類などを業として作ることができない(第19条)
- 行政書士でない人は、「行政書士」またはこれと紛らわしい名称を使ってはならない(第19条の2)
つまり、合格しただけの人は、履歴書や名刺に「行政書士」と書くことも、行政書士として書類を作る仕事をすることもできません。「行政書士試験合格」と書くことになります。
登録は、事務所を設ける都道府県の行政書士会を通じて申請します。登録事項に事務所の名称と所在地が含まれるため、勤務する場合は、勤め先の事務所を基点に登録します。東京都行政書士会の「登録・入会のご案内」には、新規に登録するときの費用が次のように載っています。
| 費用 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録手数料 | 25,000円 | 事前に振り込む |
| 入会金 | 200,000円 | 事前に振り込む |
| 東京都行政書士会の会費(3か月分) | 18,000円 | 申請時に現金で持参。1か月あたり6,000円 |
| 東京行政書士政治連盟の会費(3か月分) | 3,000円 | 申請時に現金で持参。案内には加入を強制するものではないとの記載がある |
| 登録免許税(収入印紙) | 30,000円 | 申請書に貼らず持参 |
| 合計 | 276,000円 | 登録・入会の完了まで1か月〜1か月半 |
出典:東京都行政書士会 登録・入会のご案内(PDF)、日本行政書士会連合会 行政書士になるには、e-Gov法令検索 行政書士法 (2026年10月3日確認) ※金額は東京都の例です。ほかの都道府県の会の費用は、登録を予定する会の案内で確認してください。
登録後も会費は毎月かかります。この費用を自分で払うのか、勤め先が出すのかは求人によって違います。あとの章で紹介するグリーン司法書士法人のように、登録費用と会費を事務所が負担すると書く求人もあれば、書かれていない求人もあります。書かれていなければ、応募のときに確認しましょう。
行政書士事務所の補助者は、登録しなくても働ける
行政書士事務所には「補助者」という働き方があります。補助者は、登録した行政書士の指揮命令と監督を受けて、書類作成などの事務を補助する人です。東京都行政書士会の補助者規則では、行政書士が会に設置届を出して置く形で、補助者になれない人(不適格事由)として、行政書士法の欠格事由に当たる人などが定められています。試験の合格を求める定めは見当たりません。補助者になれない人のなかには、「現に行政書士として登録されている者」も入っています。この点は、あとの章で転職への影響を説明します。
出典:東京都行政書士会補助者規則(PDF)(令和8年3月27日一部改正の版。2026年10月3日確認)
転職で行政書士が評価される理由
求人は、働く場所ごとに資格の扱いが違います。事務所の補助者、登録して勤務する行政書士、企業の法務、外国人や建設の手続きを扱う組織の4つに分けて見ていきます。
事務所の補助者の求人では、合格は「尚可」で、条件は事務経験や意欲
行政書士事務所の補助者は、資格がなくても応募できる求人が中心です。
- ハイク行政書士法人(新宿):必須要件は事務経験で、行政書士資格は「尚可」。「行政書士・社労士を目指している方、歓迎」とも書かれています(スタンバイ掲載の求人)
- 行政書士かみむらつよし事務所(板橋区):ビザ(在留資格)の申請書類の作成が仕事で、行政書士資格もビザ申請の経験も「尚可」。経験がなくても応募でき、経験に応じて任せる業務を決めるとあります(スタンバイ掲載の求人)
- 行政書士法人ティグレ東京事務所:建設業許可の申請書類、議事録、相続関係の書類を作る仕事で、行政書士資格は「尚可」です(スタンバイ掲載の求人)
- VSG行政書士法人(新宿):相続手続きや会社設立、各種許認可の書類作成を担当する補助アシスタントで「未経験OK」。スタッフの8割が未経験で始めたと書かれています(スタンバイ掲載の求人)
試験合格を名指しで歓迎する例もあります。司法書士・行政書士の事務所(目黒区)の補助者の求人は、応募資格に「行政書士資格者または行政書士試験合格者」を挙げています(エンゲージの求人)。補助者の求人では、合格は**「法律と手続きを学んだ人」と伝える材料**で、事務経験と合わせて見られます。
登録して勤務する行政書士の求人では、資格が必須か歓迎で、手当が付く例がある
事務所に雇われて、登録した行政書士として働く求人もあります。
- グリーン司法書士法人(新宿)の相続コンサルタント行政書士:有資格者が必須で、「資格登録の誓約書にご署名いただける方」と書かれ、登録することが前提です。資格手当は月10,000円で、想定年収に含まれています。登録費用と会費は事務所が負担すると書かれています(エンゲージの求人)
- 株式会社G.C FACTORY(渋谷)の行政書士業務スタッフ:医療機関の法人設立や定款変更、補助金申請の業務で、経験者のみの募集です。資格の有無は問わず、保有者を歓迎し、「行政書士資格手当」が月3万円付きます(エンゲージの求人)
資格手当が書かれた求人は、確認できた範囲では月1万円から3万円でした。手当や費用の負担があるかどうかは、求人ごとに違います。
企業の法務では、行政書士は「歓迎」で、必須は法務の実務経験
MS-Japanの求人に、上場グループの化学メーカーの法務職(課長候補)があります。契約書の作成・チェック、機関決定、コンプライアンスを担当する仕事で、必須は企業での法務の実務経験です。歓迎要件に「行政書士、司法書士、弁護士の資格」が並び、年収は600万〜800万円です(MS Careerの求人)。
MS-Japanの雇用実態レポート(2024年版)では、同社の転職エージェントに登録した行政書士資格の保有者の約80%が、一般企業で働いています。企業の中では行政書士として独立した業務を行えませんが、企業法務では「法律知識の証明」として評価され、歓迎要件になっていると説明されています(MS-Japan 行政書士の雇用実態レポート【2024年版】)。ただし、これは同社に登録した人のデータで、資格を持つ人全体の働き方ではありません。
一般企業の求人も調べました。2026年10月3日に求人ボックスで「建設業許可 総務 行政書士」と検索した結果(343件)を確認した範囲では、一般企業で行政書士資格の歓迎や手当を書いた求人は見つかりませんでした。エンゲージの「行政書士」の検索結果(511件)のうち、確認できた12件も、すべて事務所や士業の法人でした。企業の求人に「行政書士」が並ぶことは、事務所の求人より少ないようです。
外国人の在留資格や許認可を扱う組織では、手続きの知識が仕事に直結する
- 学文協同組合(目黒区)の行政書士(外国人のサポート業務):技能実習生や特定技能の外国人のサポートが主な仕事で、在留資格の手続きも含みます。応募資格は「行政書士の試験に合格した方、勉強中の方」です(エンゲージの求人)
- 谷島行政書士法人(港区):入管・国籍、建設業などの許認可、コンプライアンス顧問を扱います。補助者は資格不要で、行政書士資格や法律手続きの経験があれば推奨とされています。会社の要望で入管の取次資格を持ち、後輩の指導などを担う「入管主任行政書士」には、月3万円の手当が付く制度もあります(谷島行政書士法人 採用情報)
在留資格の申請を本人に代わって出す「申請取次」は、行政書士や弁護士のほか、外国人を受け入れる機関の職員も、地方出入国在留管理局の承認を受ければ行えます(出入国在留管理庁)。会社で外国人の雇用手続きを担当する人は、行政書士でなくても取次ぎを担当できるため、行政手続きの知識は、そうした担当者の土台にもなります。
一方、建設会社の事務には建設業許可の申請を含む仕事があります。株式会社アルプス建設(横浜市)の建設業経理事務の求人は、仕事内容に「建設業許可申請」が入っていますが、応募資格に行政書士はなく、「簿記2級、不動産、建設業経理士をお持ちの方優遇」とあります(エンゲージの求人)。許認可に近い仕事でも、資格より経理などの実務が条件になる例があります。
行政書士が転職で有利にならないケース
事務所や許認可の分野では心強い資格ですが、有利にならないケースと、そのときに選べる別の行動も正直にお伝えします。
(1)合格しただけで、実務や手続きの経験を説明できない場合
企業の法務や総務を目指すとき、資格だけで差別化するのは難しくなっています。管理職・専門職向けの転職エージェントJAC Recruitmentの記事も、資格保有者が一定数いることから、資格のみで差別化することは難しく、実務経験やスキルの掛け合わせが価値を高める、と説明しています(JAC Recruitment 行政書士資格を活かせる転職先、2026年6月29日更新)。
別の行動として、今の仕事で、契約書、届出、許認可の更新のような書類と手続きに関わる仕事を増やしておきましょう。「許可の更新を自分で担当した」と書ける経験が、資格の価値を引き上げます。
(2)登録していないのに「行政書士」と書いてしまう場合
登録していない人が「行政書士」と名乗ることは、法律で禁じられています。資格欄には、登録前は「行政書士試験 合格(○年)」、登録後は「行政書士 登録(○年○月)」と書きましょう。
(3)補助者として入るつもりで先に登録する場合や、登録の費用を見ていなかった場合
東京都行政書士会の補助者規則は、「現に行政書士として登録されている者」を補助者にしてはならないと定めています。補助者の枠で入る前提の求人に応募するなら、登録を済ませる前に、「登録して勤務する形でもよいか」を事務所に確認してください。求人票でも、「行政書士(補助)」と「行政書士」が別の募集として出ていることがあります。ほかの会の扱いは、所属する予定の会で確認しましょう。
登録して勤務するなら、東京都の例で初期費用は約27.6万円、そのあとも毎月の会費がかかります。事務所が負担を明記する求人もあるので、書かれていなければ応募のときに聞き、負担がない場合は資格手当と合わせて損得を考えましょう。補助者として働くなら、登録の費用はかかりません。
とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。求人の種類ごとに、資格の扱いが違うという話です。
【タイプ別】あなたの場合、行政書士は武器になる?
事務所や許認可・相続・在留資格の実務経験がある人は、登録して「行政書士」の求人に進める
事務所や士業の事務所で補助者として働いた経験がある人は、合格すれば、登録して勤務する行政書士の求人に応募できます。経験者のみの求人(G.C FACTORY)では、補助者として積んだ書類作成と顧客対応の経験が応募の根拠になります。今の事務所に登録を前提にした役割や手当があるなら、先に相談してみましょう。
企業の法務・総務で働く人は、歓迎要件として使い、今の経験を主役にする
MS-Japanの法務課長候補の求人のように、必須は実務経験で、行政書士は歓迎という並びです。職務経歴書では、契約書の作成・確認、社内規程の整備、官公庁への届出などの経験を先に書き、そのあとに「行政書士試験で行政法・民法を体系的に学んだ」と続けると、資格が裏づけとして伝わります。企業の中では行政書士として独立した業務を行えないため、登録が必要かどうかは先に考えましょう。
建設・不動産・外国人雇用など、許認可が身近な業界の人は、社内の手続き担当を狙える
建設業許可の更新や外国人の雇用手続きなど、会社が役所に出す手続きの担当を目指す人にとって、行政書士試験の勉強は、手続きの流れや根拠を理解する助けになります。ただし、アルプス建設の例のように、許認可が経理など別の実務と一体のこともあるので、求人票で何の書類を扱うのかを確認しましょう。
実務経験がなく学習中の人は、補助者の求人で経験を積む道がある
学文協同組合のように「勉強中の方」を対象にした求人や、VSG行政書士法人のように未経験から入る人が多い事務所があります。学んだ知識を、応募先のどの業務で使いたいか(相続、在留資格、建設業許可など)を具体的に伝えましょう。実務を経験してから、登録するかどうかを決める順番でも遅くありません。
行政書士を活かせる仕事と年収の目安
| 仕事 | 主な内容 | 資格の効き方 | 募集条件の例 |
|---|---|---|---|
| 行政書士事務所・法人の補助者 | ビザ申請書類の作成、許認可・相続書類の作成補助、官公庁への提出 | ○ 尚可・歓迎。事務経験や意欲が条件になる | 月給24.6万〜35万円(ティグレ、かみむら、ハイクの求人) |
| 登録して勤務する行政書士 | 相続・許認可・補助金などの書類作成と顧客対応 | ◎ 必須または歓迎。手当が付く例がある | 月給28万〜43万円+資格手当3万円(G.C FACTORY)/月給29.4万〜53万円(手当1万円を含む。グリーン司法書士法人) |
| 外国人受け入れを扱う組合・会社 | 技能実習・特定技能の在留資格の手続き、職場の相談対応 | ○ 合格者・勉強中の人を歓迎 | 月給25万円〜(想定年収350万円〜。学文協同組合) |
| 企業の法務 | 契約書の作成・チェック、機関決定、コンプライアンス | ○ 歓迎要件。必須は法務の実務経験 | 年収600万〜800万円(上場グループの化学メーカー・課長候補) |
| 許認可を含む建設会社の事務 | 建設業許可の申請を含む経理事務 | △ 行政書士の記載なし。簿記2級などが優遇 | 月給25万〜28万円(アルプス建設) |
出典:各求人(スタンバイ、エンゲージ、MS Career)と、本文に挙げたリンクの記載より。2026年10月3日確認。月給は募集条件の例で、会社・地域・経験・残業代の扱いによって変わります。
求人サイトの集計も見ておきましょう。
- 求人ボックスで「行政書士補助」と検索した結果は4,630件、平均年収は467万円でした(2026年10月3日確認。求人ボックス)
- スタンバイの「行政書士」の求人(正社員)は、2026年9月に掲載された求人で、平均年収が430万円、中央値が383万円でした(2026年10月2日更新。スタンバイ)
これらは求人に書かれた金額の集計で、行政書士資格を持つ人の平均年収ではありません。補助者の求人も含み、職種や経験によって幅があります。
あわせて取得すると強い資格
社会保険労務士
労働・社会保険の手続き書類の作成や、労務管理の相談を扱う国家資格です(全国社会保険労務士会連合会)。ハイク行政書士法人の求人が「行政書士・社労士を目指している方、歓迎」と並べているように、2つの資格を同じ方向の目標として歓迎する例があります。
日商簿記2級
建設会社の事務を目指すなら、行政書士より先に効く場面があります。アルプス建設の求人のように、建設業許可の申請を含む経理事務では、簿記2級が優遇されていました。商工会議所は、2級を「財務諸表の数字から経営内容を把握できる」水準と説明しています(日本商工会議所)。許認可と経理が同じ人の仕事になっている会社では、両方あると任せられる範囲が広がります。
司法書士
不動産登記や商業登記(会社の登記)の代理は、司法書士の業務です(日本司法書士会連合会)。行政書士が作る定款や許認可の書類と、法務局への登記は、会社をつくって事業を始めるまでの手続きで隣り合っています。行政書士試験の合格者を歓迎する司法書士・行政書士の事務所の求人(目黒区)は、司法書士の勉強中の人も対象にしていました。
行政書士に最短で合格するには
範囲の広さと、3つの合格基準でつまずく
つまずきやすいのは、次の2点です。
- 範囲が広く、科目ごとに勉強の仕方が違う
憲法・行政法・民法・商法・基礎法学に加えて、一般知識や情報通信・個人情報保護などの基礎知識まで出ます。全部を同じ深さで勉強すると、時間が足りなくなります - 合格基準が3つあり、1つでも欠けると不合格になる
令和7年度の配点では、基礎知識は5肢択一式14問(1問4点、満点56点)で、基準点が24点でした。つまり、14問のうち6問以上に正解しないと、法令等で点を取っていても不合格です
記述式は、40字程度の答えを自分で書きます。令和7年度の配点では3問で60点(1問20点)、満点300点の2割にあたり、ここで点が伸びないと全体の基準に届かないことがあります。
勉強時間の目安は、受験指導校の伊藤塾によると、初学者の独学で800〜1,000時間、受験指導校を利用した場合で300〜500時間です。同じ記事は、勉強の方法が合否を大きく左右する、とも説明しています(伊藤塾 行政書士試験の勉強時間)。
直前期は、全科目を一周して抜けを見つける
試験は、公式の概要ページによると毎年11月の第2日曜日に行われます。直前の1〜2か月は、新しい論点を増やすより、全科目を一周して、抜けている論点を見つけることに時間を使うのが効率的です。
- 試験で基準日とされた日(2026年度は4月1日)の法令に合わせた、最新の内容で確認する
- ○×で素早く判断できるかを確認し、迷った論点だけテキストに戻る
- 記述式は、40字程度の答えを手を動かして書く練習をする
復習では、正解かどうかだけでなく、「どの条文や制度が根拠か」を説明できるかまで確認しましょう。
直前期に使える教材として、noteの「【行政書士】出るとこだけ100問で直前に全科目を1周!2026年度版」があります。憲法20問・行政法40問・民法20問・商法・会社法10問・基礎知識10問の○×100問を、A4で印刷できるPDFにまとめた教材で、各問に解答、ポイント、根拠となる参照が付いています。無料サンプル(2問)で形式を確認できます。ただし○×の教材なので、記述式と多肢選択式の練習は別に必要です。全科目を短時間で一周して、手薄な科目を見つける用途に向いています。
\問題サンプルあり/
行政書士を活かして転職を成功させる進め方
自分に合う働き方で、求人を探す
求人検索では、「行政書士」だけでなく、「行政書士 補助」「在留資格 申請」「建設業許可」「相続」「許認可」などの言葉でも探してみましょう。資格名が書かれていなくても、書類と手続きの知識を求めている求人は多くあります。見る点は次の3つです。
- 補助者として雇うのか、登録した行政書士として雇うのか
- 登録の費用や会費を事務所や会社が負担するか、資格手当があるか
- 扱う分野が、在留資格・建設業許可・相続・企業法務のどれか
職務経歴書で、資格と経験をつなげる
登録前は「行政書士試験 合格」、登録後は「行政書士 登録」と資格欄に書きます。それだけでは伝わらないので、たとえば建設会社の総務なら「工事の契約書と建設業許可の更新書類を管理した経験に、行政書士試験で学んだ行政法の手続きの知識を重ね、許可の更新や変更の届出を、期限を管理しながら担当できます」のように、経験と知識を結ぶ文を添えます。
転職エージェントを味方につける
補助者か登録して勤務かの違い、登録費用の負担、分野ごとの働き方は、求人票だけでは読み取りにくいものです。自分1人で比べるより、業界や職種に詳しい担当者に聞くほうが早い資格です。
転職エージェントを使うメリットは?
求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。
年収や資格手当などの条件を相談できる
「資格手当は付きますか」「登録の費用は事務所が出してもらえますか」と、応募者から切り出すのは気が引けるものです。エージェントを通して、年収や入社日などの条件交渉をサポートしてもらえます。
希望に合う求人を紹介してもらえる
「在留資格の仕事に絞りたい」「補助者から始めたい」「企業の法務も比べたい」。希望を伝えれば、求人を紹介してもらえます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあり、自分で探すだけでは出会えない選択肢が増えます。
入社前に職場の実情を聞ける
補助者から登録して勤務する形へ移れるのか、扱う案件はどの分野か、1人あたりの担当件数はどれくらいか。企業の風土や職場環境、募集背景などの情報を、応募前に聞けます。
書類や面接の対策をしてもらえる
資格を職務経歴書にどう書けば評価されるか、面接で「なぜ登録するのか、しないのか」をどう説明するかを、業界を知る担当者にアドバイスしてもらえます。
面接の日程調整を任せられる
応募先との日程調整や連絡を代わりにしてもらえるので、今の仕事を続けながらでも進めやすくなります。
さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。
こんな人は、まず相談だけでもしてみてください
- 合格したが、補助者で入るか、登録して勤務するか決められない
- 資格手当や登録費用の負担を、自分から聞きにくい
- 転職するかはまだ決めていないが、自分に合う求人があるか知りたい
1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格なら、どんな求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。
事務所と企業の法務・管理部門の求人を比べたい人は、管理部門と士業に特化したエージェントなら、同じ担当者に両方を相談できます。
どの転職エージェントが自分に合う?
| 転職エージェント | タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| MS Agent(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(管理部門・士業) | 管理部門と士業に特化。経理・人事・総務・法務や、弁護士・会計士・税理士などの求人を扱い、行政書士資格を条件にした求人の検索ページもある。書類添削、面接対策、日程調整、年収交渉まで対応 | 事務所と企業の法務・総務を比べたい人 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 総合型 | 公開求人約80万件・非公開求人約25万件(2026年8月30日時点の公式表示)。書類添削、面接対策、日程調整、年収交渉に対応 | 建設・不動産・人材など、業界を決めきれていない人 |
迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の経験でどんな選択肢があるのかが、より正確にわかります。
よくある質問
- 行政書士は意味ない資格ですか?
求人の種類によります。事務所の補助者や、在留資格・許認可を扱う組織では、「尚可」「歓迎」として応募の後押しになります。企業の法務や総務では、必須は実務経験で、行政書士は歓迎にとどまる例が見られます。経験とセットで見せることで意味のある資格です。
- 合格したら、すぐに「行政書士」と名乗れますか?
名乗れません。行政書士となるには名簿への登録が必要で(行政書士法第6条)、登録していない人は「行政書士」またはこれと紛らわしい名称を使えません(第19条の2)。履歴書には「行政書士試験 合格」と書き、登録後に「行政書士 登録」と書き換えましょう。
- 登録にはいくらかかりますか?
東京都行政書士会の案内では、登録手数料・入会金・3か月分の会費・登録免許税などを合わせて276,000円です。ほかの会の金額は、登録する会の案内で確認してください。事務所が負担するかどうかは、応募のときに聞きましょう。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。
- 未経験でも行政書士事務所に就職できますか?
補助者の求人には、未経験や勉強中の人を対象にしたものがあり、資格がなくても応募できる求人もあります。ただし、登録した行政書士として勤務する求人には、経験者のみの募集もあります。補助者の募集か、登録した行政書士の募集かを確認しましょう。
まとめ:あなたの次の一手
行政書士は、事務所の補助者や、在留資格・許認可を扱う仕事で、法律と手続きの知識を示せる資格です。企業の法務では実務経験が主役で、行政書士は歓迎要件に位置づけられます。合格しただけでは名乗れず、登録が必要になる点が、ほかの資格と大きく違います。
あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。
参考
- 行政書士試験の概要|行政書士試験研究センター
- 令和8年度 試験案内ガイド|行政書士試験研究センター
- 令和7年度行政書士試験合否判定基準|行政書士試験研究センター
- 令和7年度行政書士試験実施結果の概要|行政書士試験研究センター
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