キャリアコンサルタント(国家資格)は転職に有利?相談職の求人での評価と活かし方

「キャリアコンサルタントを取れば、転職で有利になるのかな」 「養成講習も受験料もかかるのに、取っても仕事につながらなかったらどうしよう」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、キャリアコンサルタントは、大学のキャリアセンター、求職者支援訓練の相談、企業内の社員面談など、キャリアの相談そのものを仕事にする職場で、応募の入口になる資格です。「キャリアコンサルタント」を名乗るには登録が必要な名称独占の国家資格なので、募集要項に資格が必須と書かれる求人があります。

一方で、資格だけで採用が決まるとは限りません。今回確認した大学の相談員の求人は、資格に加えて、就職支援や採用、人材サービスなどの経験も必須にしていました。また、求人名に「キャリアコンサルタント」とあっても、資格は不要で、人材紹介の営業が中心の求人もあります。

この記事では、厚生労働省と2つの試験実施団体の公表データ、実際の求人の募集条件をもとに、キャリアコンサルタントが転職でどう評価されるのかを解説します。

結論:キャリアコンサルタントは転職に有利?

結論は**「相談を仕事にする職場では入口になる。ただし経験とセットで見られる」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
就職支援・採用・人材紹介・教育などの経験あり
+
資格あり
◎ 大学や企業内の相談職で、応募条件を満たしやすい 資格と経験の両方を応募条件に書く求人に応募する
相談の仕事を3年以上している
+
資格なし
○ 養成講習を受けなくても受験できる可能性がある 実務経験が受験資格の要件に合うか、試験機関の案内で確かめる
相談の経験なし
+
資格あり(または取得予定)
△ 資格だけでは、経験を求める相談職の決め手にならない 未経験可の相談職や、経験を積める職場から探す

受験できるのは、厚生労働大臣が認定する養成講習を修了した人、労働者の相談に3年以上の経験がある人、技能検定の学科または実技に合格した人のいずれかです。受験者の約9割は養成講習の修了者なので、実務経験が少ない人は、講習の費用と期間を見込む必要があります。詳しくは次の章で解説します。

キャリアコンサルタントとは?1分でわかる基本情報

キャリアコンサルタントは、労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力開発について相談に応じ、助言や指導を行う国家資格です。職業能力開発促進法にもとづく資格で、キャリアコンサルタント名簿に登録した人だけが、この名称を使えます。

試験は、厚生労働大臣の登録を受けたキャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会の2団体が実施します。学科試験は2団体が同じ日に同じ問題で行い、論述試験と面接試験は団体ごとに問題が違います。

キャリアコンサルタント試験の概要

項目 内容
資格の種類 国家資格(名称独占。業務独占ではない)
試験実施団体 キャリアコンサルティング協議会、日本キャリア開発協会(受験者が団体を選ぶ)
受験資格 養成講習の修了、労働者の相談に3年以上の経験、技能検定の学科または実技の合格のいずれか
学科試験 四肢択一のマークシート50問・100分。100点満点(2点×50問)で70点以上
実技試験(論述) 記述式・50分(50点満点)
実技試験(面接) ロールプレイ15分+口頭試問5分(100点満点)
実技試験の合格基準 150点満点で90点以上。ただし論述は満点の40%以上、面接は団体ごとに定める評価区分のそれぞれで満点の40%以上
受験料(税込) 学科8,900円、実技29,900円(2団体共通)
実施回数 年3回
次回以降の学科・論述 第34回:2027年3月7日(日)/第35回:2027年7月4日(日)
申込期間 第34回:協議会2026年12月11日〜22日、日本キャリア開発協会2026年12月9日〜23日
面接試験 学科・論述とは別の日。第34回は2027年3月12日〜27日の間の指定日(団体ごとに日が違う)
合格発表 第34回:2027年4月20日(予定)
合格率(第32回) 学科54.8%、実技61.7%(2団体の合計)
登録 登録手数料8,000円+登録免許税9,000円。5年ごとに更新
登録者数 86,370人(2026年3月末現在)

出典:キャリアコンサルティング協議会 受験概要・試験日程、日本キャリア開発協会 試験要項・試験日程、厚生労働省 キャリアコンサルタント試験・登録、第32回試験結果の概要(厚生労働省)、登録者数(厚生労働省) (2026年10月3日確認) ※受験前に必ず、受験する団体の最新の受験案内を確認してください。

受験資格は3つ。養成講習のルートが中心

受験資格は次の3つで、1つ満たせば受験できます。

  • 厚生労働大臣が認定する養成講習を修了した:講習は150時間以上で、通学・オンライン・通信を組み合わせます。厚生労働省の養成講習一覧(2026年5月作成)に載る基本料金は、198,000円から437,800円までです。修了した資格に有効期限はありません
  • 労働者の相談に3年以上の経験がある:職業の選択、職業生活設計、職業能力開発のいずれかについて、労働者(求職者や就職を希望する学生を含む)の相談を1対1、または少人数グループで行った経験が対象です。情報提供だけの仕事や、授業・訓練の運営そのものは含まれません。実務経験証明書と誓約書を提出します
  • 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科または実技に合格した:上位の技能検定で、片方に合格している人は、キャリアコンサルタント試験の対応する試験が免除されます

第32回の学科試験では、受験者3,804人のうち3,425人が養成講習の修了者でした。実務経験で受験した人は378人です。受験者の9割は、講習で知識と技能を学んでから試験に臨んでいます。

出典:キャリアコンサルティング協議会 受験概要、日本キャリア開発協会 試験要項、令和8年4月〜 キャリアコンサルタント養成講習一覧(厚生労働省)、第32回試験結果の概要(厚生労働省)(2026年10月3日確認)

第32回は学科の合格率が54.8%に下がった

厚生労働省が公表する、2団体の合計の結果は次のとおりです。

回(実施時期) 学科の合格率 実技の合格率 学科と実技を同時に受けた人の合格率 学科の平均点
第30回(2025年11月) 77.6% 64.1% 58.0% 75.6点
第31回(2026年3月) 80.6% 64.6% 59.8% 76.8点
第32回(2026年7月) 54.8% 61.7% 45.8% 69.3点

第32回は、学科の平均点が合格基準の70点を下回りました。養成講習の修了者でも、学科の合格者は3,425人中1,898人で、約55%です。講習を修了していても、過去問での確認なしに受けると落ちる可能性がある試験だと考えてください。

出典:第30回・第31回・第32回 キャリアコンサルタント試験結果の概要(厚生労働省)(2026年10月3日確認)

転職でキャリアコンサルタントが評価される理由

相談を仕事にする職場では、資格が応募条件になる

求人ボックスとリクルートエージェントで確認した求人では、相談を担当する職の応募条件に、国家資格キャリアコンサルタントが書かれていました。

  • 求職者支援訓練の相談(福岡県のパート):応募資格に「国家資格キャリアコンサルタント必須」と書かれ、時給は1,500円〜です。仕事は求職者支援訓練を受けている人のキャリアコンサルタントで、月100時間ほどの勤務で調整する内容です
  • 大学のキャリア相談(愛知県の派遣):大学1・3・4年生との面談や、エントリーシートと面接の指導が仕事です。必須条件に、キャリアコンサルタント資格と、キャリアコンサルタントとしての実務経験があります。時給は1,600円です
  • 大学のキャリアカウンセラー(大阪府の契約社員):必須条件は、キャリアカウンセリングに関する資格(キャリアコンサルタント、CDA、GCDFなど)の保有と、大学での就職支援、企業での人事・採用、人材サービス業のいずれかの経験です。月給25万円で、想定年収は400万円(2025年度実績)と記載されています
  • 社内のキャリアコンサルタント(東京都の正社員):社員の面談、休職者の復職支援、ストレスチェックの運用が仕事で、必須条件に国家資格のキャリアコンサルタントがあります。月給は21万1,500円〜26万1,300円で、この求人は「職種は未経験OK」としています

大学の2件は、資格に加えて実務経験や就職支援の経験を必須にしています。資格が入口になるのは確かですが、経験を問わない職場ばかりではないことが分かります。

資格手当や取得支援で評価する企業もある

資格手当の金額は、会社の採用ページに載っているものを確認しました。コンサルティング会社のリグアは、資格手当の一覧に「国家資格キャリアコンサルタント」を挙げ、月5,000円を支給します(対象は「リーダー以下」と記載)。年にすると6万円で、受験料38,800円(学科と実技の合計)は約8か月分の手当でまかなえる計算です。

人材紹介会社のProgress Groupは、福利厚生に「国家資格キャリアコンサルタント資格支援制度」を載せています。同社の募集は「業界・職種未経験可」で、資格がなくても応募でき、資格の取得を支援する制度がある例です。

資格を教える側の仕事もある

資格講座を運営する会社が、国家資格キャリアコンサルタントを持つ講師を募集している例もあります。アガルートの講師募集は、資格を応募条件にし、講座の企画、テキスト作成、講義の収録、受講相談が仕事です。報酬は、常勤講師が月額25万〜35万円、非常勤講師が講義時給7,000円からで、担当した講義の売上に応じた金額も加わります。

出典:求人の個別ページ(確認日 2026年10月3日):新日本企画(福岡)、東京海上日動キャリアサービス(愛知)、大阪電気通信大学、ジェイリース、Progress Group、アガルート、資格手当はリグアの採用ページ(求人は掲載の終了や条件の変更がありえます)

キャリアコンサルタントが転職で有利にならないケース

ここまで読むと心強い資格に見えますが、有利になりにくいケースも正直にお伝えします。

(1)求人名に「キャリアコンサルタント」とあっても、資格が必須ではない場合

人材紹介会社の求人には、キャリアコンサルタントの仕事でも国家資格を応募の必須条件にしていないものがあります。前の章で紹介したProgress Groupの募集は「業界・職種未経験可」とし、国家資格キャリアコンサルタントの資格取得支援制度を載せています。

こうした求人は、資格がなくても応募できます。求人名ではなく、応募資格の欄に国家資格が必須・歓迎・不問のどれで書かれているかを読んで選びましょう。

(2)資格だけで、経験を必須にしている相談職に応募する場合

前の章の大学の2件のように、資格に加えて、就職支援や相談の実務経験を必須にする募集があります。資格だけで応募するなら、経験を問わない求職者支援訓練の相談や、未経験可の企業内相談など、条件に合う募集から探すのが現実的です。

(3)登録・更新をしていない場合

合格しても、キャリアコンサルタント名簿に登録しなければ「キャリアコンサルタント」と名乗れません。名乗ると30万円以下の罰金の対象です。登録後も5年ごとの更新が必要で、厚生労働省の資料では、資格取得後5年を満了した人のうち、1回目の更新をした人は68.5%でした。更新しないと名乗れなくなるので、履歴書に書く前に登録状況を確認しましょう。

(4)生活の中心を、時給の相談職だけで組み立てる場合

今回確認した求人には、時給1,500円〜1,600円のパートや派遣が含まれます。相談の経験を積むには役立ちますが、収入の中心にするなら、月給制の契約社員や正社員の募集も合わせて探しましょう。

出典:厚生労働省 キャリアコンサルタント名称独占について、登録者数・更新の割合(厚生労働省)、Progress Groupの求人(2026年10月4日確認)

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。応募資格の欄と、自分の経験をそろえて見せれば、相談職の応募で意味のある資格です。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。

【タイプ別】あなたの場合、キャリアコンサルタントは武器になる?

就職支援・採用・人材紹介の経験者は、相談の型を持った人として評価される

もっとも有利になるのがこのタイプです。大阪電気通信大学の求人の必須条件は、資格に加えて「大学での就職支援」「企業での人事・採用」「人材サービス業での業務経験」のいずれかです。経験がこの3つのどれかに当たる人が資格を取ると、応募条件をそろって満たせます。

評価されやすいポイントは次の3つです。

  • 学生や求職者の面談を、傾聴と課題の整理から進められる
  • エントリーシートや職務経歴書の添削、面接指導を任せられる
  • 守秘義務と倫理を守る前提で、相談記録をつけられる

大学や企業の相談職で、こうした経験を募集要項の言葉に合わせて見せたいときは、求人の条件を知るエージェントに頼るのが近道です。人材・HR業界に特化したエージェントなら、募集している会社の内情や、仕事の中身まで詳しく聞けます。

相談の仕事を3年以上している人は、実務経験で受験できる可能性がある

ハローワークや就労支援機関、学校、企業の人事などで、労働者の就職や職業生活の相談に1対1で応じてきた人は、養成講習を受けなくても受験できる可能性があります。厚生労働省と試験機関は、相談の対象が「労働者」であること、内容が職業の選択・職業生活設計・職業能力開発であること、1対1(少人数のグループワークを含む)であることを条件にしています。

自分の仕事が当てはまるかは、協議会が公開する実務経験証明書の記入例で確かめましょう。養成講習は150時間以上、基本料金で約20万〜44万円かかります。経験が条件を満たすなら、講習の費用と期間を省けます。

相談の経験がない人は、資格を「相談の経験を積む入口」にする

未経験で、資格だけで経験者と同じ評価を得るのは難しいでしょう。大学の求人は、必須条件に実務経験を置いていました。まずは、募集が経験を問うかどうかを確認してください。

そのうえで、経験を問わない求職者支援訓練の相談や、職種未経験可の企業内相談、取得支援のある人材紹介の会社から探すと、相談の経験を積めます。応募書類には、資格で学んだ傾聴・問題の把握・展開の考え方を、応募先のどの相談場面で使うかまで書くと伝わります。

キャリアコンサルタントを活かせる仕事と年収の目安

仕事 主な内容 資格の効き方 求人記載の例
求職者支援訓練の相談 訓練を受けている人のキャリア相談 ◎ 国家資格が必須の例 時給1,500円〜(パート)
大学のキャリアセンター 学生の面談、エントリーシートと面接の指導 ◎ 資格と経験が必須の例 時給1,600円(派遣)/月給25万円(契約社員、想定年収400万円)
企業内のキャリア相談 社員の面談、復職支援、ストレスチェックの運用 ◎ 国家資格が必須の例 月給21万1,500円〜26万1,300円(想定年収317万〜391万円)
人材紹介のキャリアアドバイザー 求職者の面談、求人の提案、企業との調整 △ 必須でなく、歓迎や取得支援の例 月給25万3,100円〜41万6,000円(みなし残業30時間分を含む)
資格講座の講師 講座の企画、テキスト作成、講義の収録 ◎ 国家資格が必須の例 常勤は月額25万〜35万円、非常勤は講義時給7,000円〜

出典:前の章に載せた各求人の個別ページ(2026年10月3日確認)。給与は求人記載の例で、勤務地・雇用形態・経験・残業代の扱いで変わります。

登録者がどこで活動しているかは、厚生労働省の資料にある労働政策研究・研修機構の調査(令和4年度)で分かります。活動の場は、企業が41.7%、学校・教育機関が20.6%、公的就労支援機関(ハローワークなど)が15.1%、地域・福祉(地域若者サポートステーションなど)が10.7%、民間就職支援機関(職業紹介事業者など)が5.4%、その他が6.5%です。企業と学校・教育機関で、全体の6割を超えます。

あわせて取得すると強い資格

2級キャリアコンサルティング技能士

キャリアコンサルタント試験より上位の国家検定です。厚生労働省は、技能検定の能力水準をキャリアコンサルタント試験の上位に位置づけ、2級を熟練レベル、1級を指導レベルとしています。受検には実務経験年数の要件があるため、キャリアコンサルタントとして経験を積んだあとの次の段階です。

登録後に技能検定のキャリアコンサルティング職種に合格すると、合格後5年以内の更新で、必要な更新講習が免除されます。経験を積んだ人が、更新の負担を軽くしつつ、専門性を示せる資格です。

1級キャリアコンサルティング技能士

指導レベルの資格です。1級に合格した人は、その後の毎回の更新で、技能講習(30時間以上)が免除されます。厚生労働省の資料の参考欄には、技能士は1級が864人、2級が13,192人と載っています。後進の指導を担う立場を目指す人向けです。

社会保険労務士

キャリアコンサルタント試験の学科は、労働政策と労働関係法令、社会保障制度の知識が出題範囲に入っています。社会保険労務士は、労働・社会保険の手続きと労務の相談を担う国家資格で、企業内で人事と社員の相談を一緒に担う職場では、法令の裏づけとして補完し合います。

出典:厚生労働省 キャリアコンサルティング技能士との関係、更新について(厚生労働省)、試験科目及びその範囲並びにその細目(日本キャリア開発協会掲載)、登録・活動の現状(厚生労働省)(2026年10月3日確認)

キャリアコンサルタント試験に合格するには

次回の第34回は2027年3月7日、その次の第35回は2027年7月4日の予定です。申込期間を待たずに、今から学習を始められます。

受ける団体を選ぶ。論述と面接が団体で違う

学科は2団体で同じ問題ですが、論述と面接は違います。第32回の論述は、形式がはっきり分かれていました。

比べる点 キャリアコンサルティング協議会 日本キャリア開発協会
論述の資料 事例記録 逐語記録(前半の共通部分と、後半A・後半B)
論述の問い(第32回) 記述式4問。相談者が相談したいこと、担当者の応答の意図、問題と根拠、今後の方針 3問(配点は15点・20点・15点)。後半A・Bの対応の違い(指定語句5つを使う)、問題と根拠、今後の方針
面接の評価区分 態度、展開、自己評価 主訴・問題の把握、具体的展開、傾聴

どちらで受けても、合格すれば同じ国家資格です。選んだ団体の論述と面接の形に合わせて練習してください。学科と実技を別々の団体で受けることもでき、片方に合格した試験は免除され、その有効期限はありません。

出典:協議会 第32回 論述問題、日本キャリア開発協会 第32回 論述問題、協議会 FAQ、日本キャリア開発協会 FAQ(2026年10月3日確認)

学科は、4つの出題範囲を過去問で絞り込む

学科は、「キャリアコンサルティングの社会的意義」「必要な知識」「必要な技能」「倫理と行動」の4つから出題されます。知識には、パーソナリティ・特性因子論、発達論、社会的学習理論、意思決定論などのキャリア理論、来談者中心アプローチをはじめとするカウンセリング理論、労働関係法令、メンタルヘルスなどが含まれ、範囲は広くなります。2026年度の試験は、2026年4月1日時点で施行されている法令をもとに出題されます。

対策は次の順で進めます。

  • 過去問で出題の形を知る
    協議会と日本キャリア開発協会は、直近3回の学科の問題と正答を公開しています。まず1回分を時間を計って解きます
  • 間違えた分野に戻る
    理論の人名と内容、法令の数字など、取り違えた論点を分野ごとに書き出して復習します
  • ○×で素早く判断できるか確かめる
    迷う論点だけを深く学び直します

第32回は平均点が合格基準に届かなかったため、直前期は過去問を2〜3回分、通して解いて仕上げましょう。

論述は、50分で事例を読み、根拠のある答えを書く

論述は、記録を読んで、相談者の問題を捉え、方針まで書く試験です。協議会の第32回は4問、日本キャリア開発協会の第32回は3問でした。どちらも、相談者の言動を根拠にして具体的に書く問いが含まれます。時間は50分で、読むだけで時間を使い切ると、後半の方針の問いに書く時間が残りません。

2団体とも過去の論述の問題を公開していますが、模範解答は載っていません(協議会は「模範解答は公開しておりません」と明記しています)。自分の答案を点検する基準が少ないので、問いごとの書き方を先に決めて練習し、養成講習の仲間や講師に読んでもらうと進めやすくなります。

面接は、15分の相談の流れを声に出して練習する

面接は、受験者がキャリアコンサルタント役となるロールプレイ15分と、自分のキャリアコンサルティングについて試験官の質問に答える口頭試問5分で、合計20分です。協議会は、相談者を尊重する態度で関係を築き、問題を捉え、相談者が自分に気づき、成長するような応答を心がけるよう案内しています。

頭で分かっていても、15分の中で声に出して進めるのは別の力が要ります。ケースを使って、関係づくり、問題の把握、方向づけの順で何を聞くかを決めておき、録音や仲間との練習で確認しましょう。面接の日は試験機関が指定し、変更できないので、申込前に空けておく日程を確認しておきます。

\目的に合う教材を選べる/

目的の試験に合う教材(noteのページ)

直前ノートは、キャリアコンサルタント試験の学科・論述・面接に分けて、PDFの問題集を出しています。どのnoteのページにも、無料サンプルがあります。

受ける団体が決まったら、学科の2つと、その団体の論述、面接の教材を組み合わせてください。

キャリアコンサルタントを活かして転職を成功させる進め方

応募資格の欄で、資格が必須・歓迎・不問のどれかを読み分ける

求人検索では、「キャリアコンサルタント」に「大学 キャリアセンター」「求職者支援訓練」「社内 キャリア面談」などを足して探してみましょう。ヒットした求人は、仕事内容が相談の担当か、営業が中心かを読み、応募資格の欄で国家資格が必須・歓迎・不問のどれかを確かめます。契約社員や派遣では、契約期間と更新の有無(任期付かどうか)も見ておきましょう。

職務経歴書で、資格と相談の経験をつなげる

「国家資格キャリアコンサルタント 登録」と書くだけでは伝わりません。誰を対象に、何件ほど、どんな相談に応じ、どう支援したかを具体的に書きましょう。たとえば「大学3年生の面談を月◯件担当し、自己分析と志望業界の絞り込みを支援した」のように、相談の対象と内容を書くと、大学や企業の求人の条件と結びつきます。

転職エージェントを味方につける

ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだと大変です。そして何より、相談職の求人は、求人票だけでは「相談が中心の仕事か、営業が中心の仕事か」を見分けにくいものです。

だから、応募前に、仕事の中身と資格の扱いを確認できる相手がいると、選び間違いを減らせます。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

雇用形態や資格手当の条件を相談できる

「資格手当は付きますか」「契約期間の更新はありますか」と、自分から切り出すのは気が引けるものです。エージェントは企業との間に入って、あなたの代わりに条件を確認してくれます。時給の派遣や嘱託の職員か、月給の正社員かで働き方は変わるので、条件を確かめたうえで応募できます。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「相談を中心にしたい」「採用や人事にも関わりたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般の求人サイトには載っていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。

入社前に職場の実情を確認できる

1日に担当する相談の件数、営業の目標があるか、相談の記録をどう残すか、資格者が何人いるか。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

相談の経験を職務経歴書にどう書けば評価されるか、面接で傾聴や問題の捉え方をどう伝えるかを、アドバイスしてもらえます。

面接の日程調整を任せられる

企業との面接日程の調整を代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでも転職活動を進められます。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • 資格を取ったのに、今の職場では相談の仕事に関われない
  • 求人票の仕事が、相談中心か営業中心か見分けがつかない
  • 契約社員や派遣から、月給制の仕事に移りたい
  • 大学や企業内など、相談の経験を活かせる職場を知りたい
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の経験でどんな求人があるのか知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格で、どんな相談職の求人があるのか質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
ひとキャリ(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(人材・HR業界) 人材・HR業界に特化し、キャリア相談、求人紹介、応募書類の添削、面接対策、内定後のフォローを無料で受けられる 人材紹介のキャリアアドバイザーや、人事・採用の仕事に移りたい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 公開求人が多く、非公開求人も扱う。大学や企業の相談職、人事職の求人を、業界を問わず見比べられる 大学や企業内の相談職を、幅広く探したい人

迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の経験と資格でどんな仕事に応募できるのかが、より正確に分かります。事業者や学校が自分で募集している求人もあるので、募集元のページも合わせて確認しましょう。

よくある質問

キャリアコンサルタントは意味ない資格ですか?

求人票に資格を書かない人材紹介の営業や一般企業では、評価されにくい場面があります。一方で、求職者支援訓練、大学のキャリアセンター、企業内の相談では、国家資格が応募の条件に書かれる求人があります。資格と相談や就職支援の経験をそろえて見せることで、意味のある資格です。

実務経験や養成講習がなくても受験できますか?

受験資格は、養成講習の修了、労働者の相談に3年以上の経験、技能検定の学科または実技の合格のいずれかです。どれにも当たらない場合は受験できません。講習は150時間以上で、基本料金は約20万〜44万円(厚生労働省の一覧)なので、実務経験が条件を満たすかを先に確かめてください。

協議会と日本キャリア開発協会、どちらで受けるべきですか?

合格すれば同じ国家資格で、学科は同じ問題です。違うのは論述と面接の形式で、論述は協議会が事例記録、日本キャリア開発協会が逐語記録です。面接の評価区分も違います。申込期間と面接日も団体ごとに違うので、両方の案内を見て、受けやすい団体を選びましょう。

GCDF-Japanとは同じ資格ですか?

別の資格です。GCDF-Japanは、米国の認定機関CCEが認定するGCDFの日本版で、民間の資格です。国家資格キャリアコンサルタントの受験資格3つに、GCDFを持っていることは含まれません。ただし、GCDF-Japanキャリアカウンセラーのトレーニングプログラムは、厚生労働省の養成講習の一覧に載っており、修了すれば受験資格の1つを満たせます。大学の求人には、必須の資格としてキャリアコンサルタントと並べてGCDFを挙げる例もあるので、持っているGCDFを応募書類に書いておく価値があります。

資格の更新は必要ですか?

登録は5年ごとの更新制です。更新には、知識講習8時間以上と技能講習30時間以上が必要で、更新手数料は8,000円です。登録の有効期間が終わる90日前から30日前までの間に申請します。更新しないと、キャリアコンサルタントを名乗れなくなります。

独学で合格できますか?

受験資格を満たしたあとの試験対策は、独学でも進められます。学科の過去問と正答、論述の過去問は、2団体のサイトで公開されています。ただし論述の模範解答は公開されていないため、自分の答案を誰かに読んでもらう機会をつくると確認しやすくなります。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。

出典:厚生労働省 キャリアコンサルタントの登録の更新について、CCE Japan GCDF、養成講習一覧(厚生労働省)、大阪電気通信大学の求人(2026年10月3日確認)

まとめ:あなたの次の一手

キャリアコンサルタントは、就職支援や採用、人材紹介の経験がある人にとって、大学や企業内、求職者支援の相談職への入口になる資格です。一方で、資格だけで採用が決まるわけではなく、求人名に「キャリアコンサルタント」とあっても資格が不要な募集があります。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。