CFP®は転職に有利?AFP・FP1級との違いと求人での評価、活かせる人・活かせない人

「CFP®を取れば、転職で有利になるのかな」 「AFPもFP1級もあるのに、CFP®まで取る意味はあるのだろうか」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、CFP®は、銀行・証券・保険・不動産などでお客さまの資産の相談をしてきた人が、富裕層・相続・信託の担当や、相談を専門にするFPの仕事へ進むときに、知識の幅を示せる資格です。求人では「FP1級またはCFP」と並べて書かれることが多く、信用金庫のFP職のように「どちらかが必須」の例もあります。

一方で、CFP®だけを必須にしている求人は見当たらず、CFP®の認定には通算3年以上の実務経験が必要です。受験できるのもAFP認定者に限られるので、資格だけを先に取って転職する資格ではありません。

この記事では、日本FP協会の公表データと実際の求人の募集条件をもとに、国家検定のFP1級との違い、受験資格、課目別受験の仕組み、転職での評価を解説します。

結論:CFP®は転職に有利?

結論は**「相談の実務経験と組み合わせると有利。資格だけでは決め手にならない」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
金融・保険・不動産などで資産の相談経験あり
+
CFP®認定者(または全6課目合格)
◎ 富裕層担当・信託・相続の求人で評価されやすい 担当した顧客層と提案の中身を職務経歴書に書く
資産の相談経験あり
+
AFP認定者(CFP®は未取得)
○ 課目に合格するたびに専門性の裏づけが増える 得意な課目から1課目ずつ受験する
FP資格も相談経験もない △ 入口はAFP(2級FP技能検定の合格とAFP認定研修)で、CFP®はその先 先に2級とAFPを取り、実務を積む

CFP®の試験は、AFP認定者でないと受けられません。さらに、試験に受かっただけでは「CFP®資格」は与えられず、通算3年以上の実務経験などを満たして初めて認定されます。「未経験のままCFP®だけ取って転職する」という道は、制度上ほとんど用意されていないと考えてください。

CFP®とは?1分でわかる基本情報

CFP®(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)は、日本FP協会が認定する上級のFP資格です。米国をはじめ世界各国・地域で認定されている国際資格で、国際CFP®組織FPSBとのライセンス契約のもと、日本では日本FP協会が認定しています。認定者は約2.8万人(2026年3月現在)で、入口のAFPの約15万人より大幅に少ない資格です。

国家検定のFP技能士とは別の、民間資格です。2年ごとの更新と継続教育が必要で、更新のない国家検定とは性格が違います。

2026年度・2027年度の試験概要

項目 内容
主催 日本FP協会(NPO法人)
課目 金融資産運用設計/不動産運用設計/ライフプランニング・リタイアメントプランニング/リスクと保険/タックスプランニング/相続・事業承継設計(全6課目)
出題形式 四肢択一式(マルチプルチョイス)、各課目50問・1問2点・100点満点
試験時間 各課目120分
合格ライン 課目ごとに異なり、結果通知の日に公表(2026年度第1回は50問中25〜30問以上)
受験料 1課目6,600円。2課目以上は1課目ごとに3,300円を加算(6課目で23,100円)
受験地 札幌・東京・大阪・福岡・那覇など全国24地区
受験資格 AFP認定者(協会指定の大学院で所定の課程を修了した人も可)
実施回数 年2回(6月・11月)
課目合格の有効期間 AFP認定者の資格を保っている間は期限なし

出典:日本FP協会 CFP®資格審査試験、出願方法・受験料、資格取得に関するQ&A、模範解答・合格ライン、FPの資格と検定の種類 (2026年10月4日確認) ※受験前に必ず協会の最新の試験要項を確認してください。

これから受けられる日程

回 試験日 インターネット出願 結果通知 法令の基準日
2026年度第2回 2026年11月8日・15日 9月1日〜10月1日(受付終了) 2026年12月16日 2026年4月1日
2027年度第1回 2027年6月13日・20日 2027年4月6日〜5月7日 2027年7月21日 2027年1月1日

2026年11月の回は、出願の受付がすでに終わっています(2026年10月4日確認)。これから受けるなら、2027年6月の回が最初です。書面での出願は2026年度第2回で終了し、2027年度第1回からはインターネット出願だけになります。

受験の前に、AFPの登録を終えておく必要があります。2027年6月の回なら、AFP資格の登録申請の期限はオンラインで2027年4月21日です。2級FP技能検定に合格してAFP認定研修を修了していても、この期限までに登録申請をしないと受験資格が得られません。

出典:日本FP協会 CFP®資格審査試験 (2026年10月4日確認)

受験資格はAFP認定者であること

受験できるのは、AFP認定者です。AFPは、日本FP協会が認定するFP資格で、次の条件をすべて満たすと認定されます。

  • 日本FP協会が認定した教育機関でAFP認定研修を修了している
  • 2級FP技能検定(学科・実技とも)に合格している
  • 期限内にAFPの登録申請をする

AFP認定研修は、2級の合格後に受けてもかまいません。税理士会または公認会計士協会に登録している人には、AFP認定研修の「税理士課程」というルートもあります。

AFP認定者でなくなると、それまでの課目合格はすべて失効します。AFPの更新ができずに一般会員へ移った場合や、協会を退会した場合が該当し、AFPを再認定されても課目合格は復活しません。

出典:AFP認定者になるには、AFP資格登録手続き、FPの資格と検定の種類、日本FP協会 会員ガイドブック(一般会員) (2026年10月4日確認)

課目別に受けられる

CFP®は、6課目すべてに合格する必要がありますが、1課目ずつ受験して合格を積み上げられます。6課目一括で受けてもかまいません。試験は3課目ずつ2日間で行われます。

試験日 時間 課目
1日目 9:30〜11:30 金融資産運用設計
1日目 12:30〜14:30 不動産運用設計
1日目 15:30〜17:30 ライフプランニング・リタイアメントプランニング
2日目 9:30〜11:30 リスクと保険
2日目 12:30〜14:30 タックスプランニング
2日目 15:30〜17:30 相続・事業承継設計

課目は先に合格した順に積み上がるので、「今年は2課目、来年は3課目」と分けて進められます。出願が終わると課目数は変えられず、欠席しても受験料は戻りません。

出典:日本FP協会 CFP®資格審査試験、出願方法・受験料 (2026年10月4日確認)

合格率:1課目ごとは3〜4割、全6課目をそろえるのは7%台

課目 2025年6月 2025年11月 2026年6月
金融資産運用設計 34.2% 33.9% 35.7%
不動産運用設計 35.8% 40.0% 34.3%
ライフプランニング・リタイアメントプランニング 37.6% 35.3% 33.3%
リスクと保険 36.9% 36.4% 34.4%
タックスプランニング 34.7% 36.3% 35.9%
相続・事業承継設計 31.0% 35.2% 32.1%
受験者総数 11,253人 10,538人 10,807人
全6課目に合格した人 799人(7.1%) 817人(7.8%) 770人(7.1%)
6課目一括で受けた人の合格 158人中21人(13.3%) 148人中14人(9.5%) 127人中15人(11.8%)

2026年11月の回の結果は、まだ公表されていません(結果通知は2026年12月16日)。

協会は各課目の合格率を「3割〜4割」と案内しています。1課目ずつなら3人に1人が通る試験ですが、全6課目に合格した人は受験者総数の7%台にとどまります。6課目一括で受けた人でも合格は1割前後で、数年かけて課目を積み上げる人が多い試験です。

出典:日本FP協会 CFP®資格審査試験結果(2025年度第1回、2025年度第2回、2026年度第1回)、資格取得に関するQ&A (2026年10月4日確認。全6課目に合格した人の割合は協会が「合格者輩出率」として公表している値)

CFP®認定者になるには、試験のほかに3つの条件がある

6課目の合格は、CFP®認定の入口です。次の4つがそろって、CFP®認定者になります。

  • CFP®資格審査試験の6課目すべてに合格する
  • CFP®エントリー研修を修了する(全6課目の合格者が対象。倫理・コンプライアンスとFP実務の6ステップをeラーニングで学ぶ)
  • 通算3年以上の実務経験がある
  • 協会へ登録申請をする(会員倫理規程などを守る誓約を含む)

実務経験は、FPとして相談を受ける仕事だけではありません。金融機関での顧客対応、一般企業での福利厚生に関わる業務、金融経済教育なども対象になります。年数が足りないときは、協会や認定教育機関の「みなし実務研修」などを実務経験として申請する方法もあります。

登録した後は、CFP®認定者として2年ごとの更新があります。更新には30単位以上の継続教育単位が必要です。費用は、年会費12,000円(毎年)に加えて、新規登録時に登録料5,000円、毎年CFP®会費8,000円がかかります(協会の会員ガイドブック)。

出典:CFP®認定者になるには、CFP®エントリー研修、CFP®資格更新要件、日本FP協会 会員ガイドブック(年会費等) (2026年10月4日確認)

FP1級(国家検定)との違い

CFP®と並んで比べられるのが、国家検定の1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)です。名前が似ていますが、運営も取り方も別の資格です。

項目 CFP® FP1級(1級FP技能士)
種類 日本FP協会が認定する民間資格(国際資格) 国家検定(技能士)
受験の入口 AFP認定者であること 学科は「2級合格+実務経験1年以上」「実務経験5年以上」など
試験 6課目(各50問・四肢択一・120分)。1課目ずつ合格を積み上げられる 学科試験+実技試験の両方に合格
資格を名乗るまで 試験合格のほか、エントリー研修・実務経験3年以上・登録が必要 学科・実技に合格すれば技能士
更新 2年ごとに継続教育と更新 なし(一生有効)

大きな違いは、**CFP®は「課目を積み上げて、実務経験も満たして認定される資格」で、FP1級は「試験に受かれば取れる資格」**という点です。

2つはつながってもいます。CFP®認定者は、FP1級の学科試験が期限なく免除されます。CFP®の全6課目に合格しただけの人も、合格日の翌々年度末まで免除されます。そのため、CFP®を先に取って、FP1級は実技だけ受けるという進み方があります。免除は自動ではなく、受検申請のときに免除申請をする必要があります。

FP1級そのものの受検資格や試験の中身は、FP1級の記事で解説しています。

出典:日本FP協会 FPの資格と検定の種類、金融財政事情研究会 受検資格、試験の免除申請、金財 よくあるご質問、日本FP協会 学科試験免除について (2026年10月4日確認)

転職でCFP®が評価される理由

富裕層・信託・相続の求人で、歓迎・尚可の条件に挙がる

リクルートエージェントで「CFP」と検索すると434件が表示されました(2026年10月4日時点)。環境分野の同じ略語(製品のカーボンフットプリント)も混ざるため、1ページ目の109件の求人ページを開いて確かめました。募集条件の欄にFP資格としてのCFPが書かれていた求人は26件(同じ会社の複数拠点の求人を含む)で、そのうち24件は「歓迎」「尚可」などの欄でした。

  • 三菱UFJ銀行「ウェルスマネジメント部門 オープンポジション」:資産承継・事業承継、遺言信託、不動産売買・有効活用提案のいずれかの経験が必須で、尚可に「CFPまたはFP1級資格を有する、もしくは同等以上の知識がある方」
  • 京都銀行「信託業務担当」:他の金融機関で信託業務の経験があることが必須で、尚可に「1級FP技能士あるいはCFP」
  • 大阪府信用農業協同組合連合会「相続(プライベートバンキング)」:信託商品を扱った業務経験が必須で、歓迎資格に「FP1級/CFP/税理士/公認会計士など」
  • あおぞら銀行「遺言信託等の受託審査、業務管理」:遺言信託の受託審査の経験が必須で、歓迎に「税理士、司法書士、行政書士、FP1級・CFP、宅建士」

どの求人も、先に信託・相続・富裕層向けの実務経験を求め、そのうえでCFPを評価しています。CFP®は経験の代わりではなく、経験に専門性の裏づけを足す資格です。また、FP1級と並べて書かれている求人が多く、どちらか一方を持っていれば足りる書き方でした。

「FP1級またはCFP」を必須条件にしている求人もある

26件のうち、CFPを必須の選択肢に入れていた求人は2件でした。

  • 大阪信用金庫「FP職」:「いずれか必須」としてFP1級とCFPを挙げています。個人のライフプラン相談、預金・投資信託・保険の提案、中小企業経営者への事業承継のアドバイス、相続・贈与の資産承継コンサルティングが仕事です(契約社員、月給25万円以上、想定年収400万〜600万円)
  • 税理士法人日本経営「フィランソロピー支援コンサルタント」:必須条件に「行政書士・税理士・公認会計士・CFPの内、いずれかの有資格者」があります(想定年収800万〜1,000万円、管理職候補)。富裕層やオーナー経営者向けに、公益法人の設立や公益信託の組成を支援する仕事です

FP1級やCFPを持っていること自体が、応募の入口になる募集です。ただし、この2件もCFPだけが条件ではなく、FP1級や士業資格との「いずれか」になっています。

資格手当や取得支援の対象にしている会社がある

  • ホームトレードセンター(不動産個人営業):資格手当として、CFPとFP1級は2万円、AFPとFP2級は5,000円と求人票に書かれています。月給に固定残業代が含まれ、歩合給もあります
  • 京都銀行:研修・人材育成の欄に、お客さまのニーズに応えるため資格取得を奨励する旨があり、「CFP、AFP、FP1・2級等」を挙げて報奨金の支給があると書かれています
  • 財コンサルティング(大阪・FP職):入社後3〜6か月は、先輩の面談に同席しながら、AFPやCFPの資格取得に向けた学習を進める期間と求人票に書かれています

金額や対象かどうかは会社によって違います。手当の有無は、応募前に確認しましょう。

出典:リクルートエージェント掲載の各求人(2026年10月4日確認。URLは参考欄)

CFP®が転職で有利にならないケース

ここまで読むと心強い資格に見えますが、有利にならないケースも正直にお伝えします。

(1)お金の相談と関係のない仕事に転職する場合

評価されるのは、銀行・信用金庫・証券・保険・信託・不動産・士業事務所など、個人や会社の資産を扱う仕事です。それ以外の職種では、勉強の努力は伝わっても、採用の判断材料にはなりにくいでしょう。

(2)試験に合格しただけで、認定を受けていない場合

6課目に合格しても、エントリー研修・実務経験3年以上・登録を終えるまで、CFP®資格は与えられません。職務経歴書には「CFP®資格審査試験 全6課目合格」と事実のとおり書き、認定を受けたら「CFP®認定者」と書き換えましょう。

(3)資格はあっても相談の実績を語れない場合

求人の必須条件は「信託業務の経験」「遺言信託の受託審査の経験」など、経験です。CFP®を持っていても、何人のお客さまを担当し、どんな提案をしたかを説明できなければ、経験者との差は埋まりません。

(4)FP1級をすでに持っていて、手当や応募条件が同じ場合

求人では、FP1級とCFPが並べて書かれ、手当も同額の例があります。FP1級を持っている人がCFP®を取っても、同じ求人の応募条件は変わりません。CFP®を取るなら、6課目の学習で知識の幅を広げたい、独立や相談専門の仕事に進みたいといった目的が必要です。

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。相談の経験とセットで見せれば、富裕層・相続・信託の分野で他の応募者との差になる資格だということです。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。

【タイプ別】あなたの場合、CFP®は武器になる?

銀行・証券・保険で相談を担当してきた人は、富裕層・信託・相続の担当へ移る裏づけになる

もっとも有利になるのがこのタイプです。個人のお客さまに投資信託や保険を提案してきた人が、富裕層担当や遺言信託、相続支援の部署・会社へ移るとき、CFP®は「運用・保険・税金・不動産・相続を横断して説明できる」ことの裏づけになります。6課目が、そのまま相続や資産承継の相談で出てくる分野だからです。

評価されやすいポイントは次の通りです。

  • 運用・保険・不動産・税金を1つのプランにまとめて説明できる
  • 相続税の試算を交えて、資産の残し方を提案できる
  • 税理士や弁護士につなぐ前に、論点を整理できる

一方で、資格手当の制度がない会社や、CFP®を取っても配属が変わらない会社もあります。その場合は、資格と経験を評価してくれる職場に移るのも選択肢です。

信託や相続の仕事は、担当するお客さまの資産規模や、成果の評価の仕方が求人票だけではわかりにくいものです。金融業界に詳しい転職エージェントなら、そこまで確認してから応募できます。

AFPまで持っている人は、取りやすい課目から積み上げれば、働きながらでも進められる

AFP認定者なら、CFP®の受験資格がすでにあります。課目ごとに受けられるので、仕事の繁忙期を避けて、今の仕事で触れている課目から受験するのが現実的です。保険の営業なら「リスクと保険」、不動産会社の営業なら「不動産運用設計」といった順です。

注意したいのは、AFPの更新を続けることです。更新できずにAFPを失うと、合格した課目もすべて失効します。課目を積み上げている間は、AFPの継続教育を後回しにしないようにしましょう。

独立系FPや相談専門の仕事、士業系のコンサルを目指す人は、課目の幅が評価につながる

保険や金融商品を売らずに相談料や顧問料で働く仕事では、運用・不動産・税金・相続を一人で見渡せることが信頼につながります。求人でも、財コンサルティングのように「ライフプランと資産運用のコンサルティング」を仕事にする会社が、AFPやCFPの取得を入社後の学習に組み込んでいました。税理士法人日本経営のように、富裕層やオーナー経営者向けの士業系コンサルタントの必須条件にCFPを挙げる例もあります。

日本FP協会はCFP®認定者の検索システムを公開しており、認定者の声には「検索システムに登録し、仕事の依頼が増えた」というものもあります。ただし、CFP®認定者は2年ごとの更新があり、登録料・CFP®会費・年会費がかかります。

実務未経験の人は、CFP®を先に目指すより、まず相談の実務に就く

AFPまでの資格しかなく、金融や不動産の相談の経験がない人は、CFP®を先に目指すより、実務に就くほうが近道です。認定の条件に通算3年以上の実務経験があり、求人でも先に経験が求められているからです。

実務経験には、金融機関での顧客対応、保険代理店でのお客さま対応、不動産会社でのローン・資金計画の相談などが含まれます。「未経験歓迎」の求人でAFPやFP資格を歓迎条件にしている会社もあるので、まずそうした求人で実務を積み、課目の受験を並行して進めましょう。

CFP®を活かせる仕事と年収の目安

仕事 主な内容 資格の効き方 年収の目安(求人記載)
銀行のウェルスマネジメント 富裕層・オーナーの資産承継、事業承継、運用の提案 ◎ 尚可に「CFPまたはFP1級」 想定年収600万〜1,500万円(三菱UFJ銀行、資産承継・事業承継などのいずれかの経験必須)
銀行・農協系の信託・相続 遺言信託、遺産整理、相続コンサルティング ○ 尚可・歓迎に明記 想定年収600万〜1,200万円(京都銀行、信託業務の経験必須)/700万〜800万円(大阪府信連、信託商品の業務経験必須)/650万〜1,100万円(あおぞら銀行、遺言信託の受託審査経験必須)
信用金庫のFP職 ライフプラン相談、保険・投資信託の提案、相続・事業承継のアドバイス ◎ FP1級またはCFPが必須 想定年収400万〜600万円(大阪信用金庫、契約社員)
百貨店系の富裕層向けコンサル ライフプランに沿った保険・証券・信託の提案 ○ 歓迎にAFP/CFP 想定年収630万〜830万円(高島屋ファイナンシャル・パートナーズ、金融業界3年以上または個人顧客への提案経験。入社時は嘱託員で、6か月後の正社員登用が前提)
相談専門のFP(会員制) 会員のライフプラン設計と運用の提案 ○ 入社後にAFP・CFPの学習 想定年収500万〜950万円(財コンサルティング、銀行・証券・IFA・保険代理店の営業経験必須。月給に固定残業代を含む)
士業系のコンサルタント 公益法人の設立支援、公益信託の組成、オーナー経営者向けの助言 ◎ 士業資格またはCFPのいずれかが必須 想定年収800万〜1,000万円(税理士法人日本経営、管理職候補)
不動産会社の個人営業 住まい探しと資金計画の提案 ○ 資格手当 2万円(AFP・FP2級は5,000円) 想定年収600万〜1,200万円(ホームトレードセンター、歩合給を含む)

出典:リクルートエージェント掲載の各求人(2026年10月4日確認)。年収は会社・地域・経験・成果給で大きく変わります。

あわせて取得すると強い資格

FP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

CFP®の全6課目に合格すると、FP1級の学科試験が免除され、実技だけで取れます。求人でCFPと並べて書かれることが多い資格で、国家検定として更新がない点が強みです。日本FP協会の実技(資産設計提案業務)は年1回の実施なので、免除の期間(全6課目合格日の翌々年度末まで)を意識して申請しましょう。

証券外務員一種

銀行・証券・信用金庫で運用商品を提案するなら、多くの職場で必要になります。西村証券の求人では、金融業界の営業経験と一種外務員資格が必須で、FP資格(AFP・CFP)が歓迎でした。

宅地建物取引士

不動産の売買・有効活用の相談では、宅建士の知識がそのまま使えます。あおぞら銀行の遺言信託の求人では、FP1級・CFPと並んで宅建士が歓迎されていました。

税理士(科目合格)・行政書士

相続や事業承継の仕事で強みになります。大阪府信用農業協同組合連合会の相続担当の求人では、税理士・公認会計士がFP1級・CFPと並んで歓迎資格に挙がっていました。

CFP®に合格するには

課目を決めて受験し、合格ラインは課目ごとに確かめる

CFP®は、6課目を1課目ずつ受けられます。最初に決めたいのは、今回何課目を受けるかです。1日目の3課目は、9:30から17:30まで続けて受けるため、慣れないうちは負担が大きくなります。受験料は1課目6,600円、3課目で13,200円です。

合格ラインは課目ごとに違い、試験ごとに公表されます。2026年度第1回は、50問中、金融資産運用設計28問、不動産運用設計30問、ライフプランニング・リタイアメントプランニング26問、リスクと保険27問、タックスプランニング28問、相続・事業承継設計25問以上でした。どの課目も、得点にして50点から60点が目安です。

設例を読み、計算して答える問題に慣れる

CFP®は四肢択一式ですが、知識を問う1問1答だけではありません。たとえば2026年度第1回の相続・事業承継設計は、親族関係図のついた設例に基づいて、養父の法定相続分や、生前贈与(特別受益)を考慮した妻の具体的な相続分を、計算して選ぶ問題から始まります。1つの設例から複数の設問が出て、設問どうしは関連しないこともあります。

つまずきやすいのは次の2点です。

  • 設例を読む時間が長い
    1課目50問を120分で解くので、1問あたり約2.4分です。設例の条件を拾い、計算し、選択肢と照らす作業を、時間内に回す練習が要ります
  • 課目をまたぐ出題がある
    協会は、事例問題などで6課目を横断した出題がありうると案内しています。「不動産の話だから不動産運用設計だけ」とは限りません

出題はFP学習ガイドに準拠し、付随する時事的な問題も出る可能性があるとされています。試験の法令は基準日時点で施行されているものが対象なので、2027年6月の回は2027年1月1日の時点です。税制改正があった論点は、教材の発行時期と合わせて確認しましょう。

過去問で直近の出題を確かめ、解けなかった理由を課目ごとに残す

協会のサイトでは、直近に実施した試験の問題、模範解答、合格ラインが公開されています。平成26年度以降の過去の問題は、日本FP協会の会員限定のページで見られます。

おすすめの進め方は次の通りです。

  • 受ける課目の直近の問題を、本番と同じ120分で解く
  • 間違えた問題を「知識不足」「計算ミス」「設例の読み違い」に分ける
  • 計算が絡む論点は、答えが合っても式を自分で書き直せるか確かめる

協会はテキストや問題集も販売しています。公開されている過去問と、手元の教材のどちらで弱点を見つけるかを決めてから、勉強の時間を配分しましょう。

CFP®を活かして転職を成功させる進め方

資格が評価される求人を探す

求人検索では「CFP」だけでなく、「ウェルスマネジメント」「プライベートバンキング」「信託」「遺言信託」「相続」「事業承継」「ファイナンシャルプランナー」などの言葉でも探してみましょう。資格名が書かれていなくても、相続や資産承継の知識を求めている求人は多くあります。「CFP」だけで探すと環境分野の求人も混ざるので、「ファイナンシャルプランナー」「信託」「相続」などの言葉と組み合わせて探しましょう。

職務経歴書で資格と経験をつなげる

「CFP®取得」と書くだけでは伝わりません。「相続税の試算をもとに、生前贈与と生命保険を組み合わせた資産承継を提案した」「会社オーナーの自社株の論点を整理し、税理士と連携した」など、知識を使った場面と結果を書きましょう。認定を受けている人は「CFP®認定者」、試験合格だけの人は「CFP®資格審査試験 全6課目合格(エントリー研修・実務経験の申請中)」と、状況のとおりに書きます。

転職エージェントを味方につける

ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして何より、CFP®を持っている人や目指している人ほど、転職エージェントを使う価値があります。

理由はシンプルで、CFP®は求人票では「尚可」「歓迎」の一行で済まされることが多く、入社後の担当や手当にどこまで反映されるかは、求人票を読むだけではわからないからです。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

年収や資格手当の条件を相談できる

「年収をもう少し上げてほしい」「CFP®の資格手当は付きますか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。エージェントは企業との間に入り、内定後の条件の調整をしてくれます。

「CFP®を持ち、保険の営業で相続の相談も受けてきた」という強みを、企業が評価しやすい形で伝えてくれるので、提示される条件が変わることがあります。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「富裕層や相続の担当になりたい」「ノルマの重い販売より、相談に時間を使いたい」「地元の信用金庫で働きたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。

入社前に職場の実情を確認できる

担当するお客さまの資産規模、成果給と固定給の割合、信託部門や税理士との連携の仕方、資格手当が本当に付くのか、実務経験としてCFP®の申請に使える仕事か。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

相続や資産承継の提案経験を職務経歴書にどう書くか、面接でCFP®の6課目の知識をどう伝えればいいかを、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。

面接の日程調整を任せられる

面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでも転職活動を進められます。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • AFPやCFP®の勉強をしてきたのに、今の会社では担当も手当も変わらない
  • 販売のノルマより、相続や資産承継の相談に時間を使いたい
  • 銀行・証券・保険の外で、富裕層やオーナー経営者を担当する仕事を知りたい
  • CFP®の実務経験3年に数えられる仕事かどうか、転職先で確かめたい
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の市場価値を知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験とCFP®ならどれくらいの年収の求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
マイナビ転職 金融エージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(金融) メガバンク・地銀・証券・生保出身のアドバイザーが担当。銀行・証券・信託銀行などの求人特集がある 銀行・証券・保険の経験を活かして同じ業界で移りたい人
コトラ(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(金融・ハイクラス) 金融・コンサル・経営層の転職に特化。掲載求人は約3.8万件(2026年10月2日更新)。金融業界を熟知したコンサルタントへの無料相談 富裕層担当・信託・士業系コンサルなど専門職で年収を上げたい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 公開求人約80万件・非公開求人約29万件(2026年8月30日時点)。応募書類の添削、面接対策、年収交渉、入社日の調整に対応 信用金庫・保険代理店・不動産会社も含めて広く比べたい人

迷ったら、金融の特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。

よくある質問

CFP®とFP1級は、どちらを取るべきですか?

会社員として転職に使うなら、求人ではFP1級とCFPが並べて書かれることが多く、どちらか一方で足りる書き方が中心です。更新がなく試験に受かれば取れるのがFP1級、課目を積み上げて国際資格として名乗り、独立や相談専門の仕事も視野に入れるならCFP®が向いています。CFP®の全6課目に合格するとFP1級の学科が免除されるので、両方を持つ進み方もあります。

AFPを持っていなくてもCFP®を受けられますか?

受けられません。受験資格はAFP認定者か、協会が指定する大学院で所定の課程を修了した人です。AFPは、2級FP技能検定の合格とAFP認定研修の修了、登録で認定されます。税理士・公認会計士として登録している人には、AFP認定研修の税理士課程というルートもあります。

1課目だけ合格しても意味はありますか?

課目合格はAFP認定者の資格を保っている間、期限なく有効で、合格するたびに継続教育単位が7.5単位付きます。ただし、CFP®資格が与えられるのは、6課目の合格に加えてエントリー研修・実務経験3年以上・登録を終えたあとです。1課目の合格は、職務経歴書には「CFP®資格審査試験 ◯◯課目合格」と事実のとおり書きます。

6課目に合格したら、すぐCFP®を名乗れますか?

名乗れません。合格後にエントリー研修を修了し、通算3年以上の実務経験を申請し、登録申請を終えると認定されます。現在は登録期限がありませんが、協会は2028年4月から、全6課目の合格日から5年以内という期限を設ける予定と案内しています。

CFP®は国家資格ですか?更新は必要ですか?

国家資格ではなく、日本FP協会が認定する民間資格です。2年ごとの更新があり、30単位以上の継続教育単位が必要です。国家検定のFP技能士(1〜3級)は、一度取れば一生有効で更新はありません。

独学で合格できますか?

協会のサイトで直近の試験の問題・模範解答・合格ラインが公開されているため、過去問で出題の形を確かめながら独学で進めることはできます。設例を読んで計算する問題が多いので、時間を計って解く練習が欠かせません。

まとめ:あなたの次の一手

CFP®は、金融・保険・不動産などで資産の相談をしてきた人が、富裕層・信託・相続・相談専門の仕事へ進むときに、運用・不動産・保険・税金・相続を横断する知識を示せる資格です。一方で、受験資格にAFP認定、認定の条件に通算3年以上の実務経験があり、求人の必須条件も実務経験です。資格だけで採用が決まるわけではありません。

あなたの状況に合わせて、次の一手を選んでください。

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参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。