【2026年最新版】ITストラテジスト試験は転職に有利?求人での評価と活かせる人・活かせない人

「ITストラテジスト試験に受かれば、ITコンサルやIT企画の仕事に移りやすくなるのかな」 「合格率15%で論文もある試験なのに、求人で求められていなかったら勉強が報われないのでは」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、ITストラテジスト試験は、情報システム部門の企画担当やSIer・コンサルの上流工程など、事業とITをつなぐ仕事の経験がある人には、転職で評価の材料になる資格です。「システムを作れる」だけでなく、「経営の目標から、何にIT投資すべきかを考えられる」と国家試験の水準で示せるからです。

一方で、戦略や企画に関わった経験がないまま、資格だけでITコンサルやIT戦略の職に就くのは難しいのも事実です。資格名を必須にしている求人は見当たらず、多くは歓迎条件の1つとして書かれています。

この記事では、IPA(情報処理推進機構)の公表データと実際の求人・資格手当の規程をもとに、ITストラテジスト試験が転職でどう評価されるのかを解説します。

結論:ITストラテジスト試験は転職に有利?

結論は「企画・上流の経験と組み合わせると有利、資格単体では決め手になりにくい」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
IT企画・システム化計画・DX推進の経験あり
+
合格済み
◎ ITコンサルや事業会社のIT戦略職で評価されやすい 歓迎条件や資格手当に名前がある会社を探す
IT企画・上流工程の経験あり
+
未合格
○ 合格すれば経験の裏づけになる 2026年10〜11月の試験に向けて準備する
開発・構築が中心
+
企画の経験は浅い
○ 上流へ移りたい意思と知識を示せる 要件定義や提案に関わった経験を整理する
IT職の経験なし
+
合格済み(または受験予定)
△ 学習意欲の証明にはなるが決め手ではない IT部門や業務改善の仕事で経験を積む

受験資格はありませんが、合格者の平均年齢は40歳前後です。論文では「自分が立案した戦略や計画」を書く必要があるため、企画の経験がない人ほど、知識より論文の題材づくりで苦労しやすい試験です。詳しくは次の章で解説します。

ITストラテジスト試験とは?1分でわかる基本情報

ITストラテジスト試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験のうち、「高度試験」と呼ばれる区分の1つです。経済産業省の国家試験ですが、合格しないとできない仕事がある業務独占資格ではありません。

IPAは対象者像を「企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者」としています。具体的な役割として挙げられているのは、次の4つです。

  • 経営戦略の実現に向けて、ITを活用した事業戦略を策定し、結果を評価する
  • 事業戦略に沿って、情報システム戦略と全体システム化計画を策定する
  • 全体計画に基づいて、個別のシステム化構想・計画を立て、適切なシステムを調達する
  • 複数の案件からなる改革プログラムの実行を管理する

つまり、「どのシステムをどう作るか」の手前にある、「事業のために何をシステム化し、どの順番で投資するか」を決める人のための試験です。

2026年度(令和8年度)前期試験の概要

項目 内容
主催 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)
資格の種類 国家試験(情報処理技術者試験の高度試験。業務独占ではない)
申込期間 2026年10月6日(火)10時〜10月24日(土)17時(インターネットのみ)
試験日 科目A-1・A-2:2026年10月17日(土)〜10月27日(火)
科目B-1・B-2:2026年11月11日(水)〜11月23日(月)
CBT方式で、期間内の会場・日時を自分で予約
合格発表 2027年2月頃(予定)
受験料 7,500円(税込)
出題形式 科目A-1 四肢択一30問(50分)/科目A-2 四肢択一25問(40分)/科目B-1 記述式 3問中2問(90分)/科目B-2 論述式 2問中1問(120分)
合格基準 科目A-1・A-2・B-1は各100点満点中60点以上、科目B-2(論文)は評価ランクA
合格率 15.0%(2025年度春期・受験者5,586人)
登録・更新 なし。合格に有効期限はない

出典:IPA ITストラテジスト試験、IPA 申込受付期間及び試験実施期間、IPA CBT方式について、試験要綱 Ver.5.6 (2026年9月30日確認) ※受験前に必ずIPAの最新の案内を確認してください。

2026年度から、試験は紙の筆記からCBT(会場のパソコンで受ける方式)に変わりました。科目名も「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」から「科目A-1・A-2・B-1・B-2」に変わりましたが、IPAは出題範囲・出題形式・問題数・試験時間は変わらないとしています。過去問はそのまま対策に使えます。

採点は段階的に行われます。科目Aが基準点に届かないと科目Bは採点されず、科目B-1が基準点未満なら論文(B-2)は採点されません。

受験資格はない。科目A-1は免除できる場合がある

年齢・学歴・実務経験の条件は、IPAの案内に定められていません。誰でも申し込めます。

応用情報技術者試験や高度試験に合格している人、または高度試験の科目A-1(2025年度までは午前Ⅰ)で基準点を取った人は、その後2年間、申請すれば科目A-1が免除されます。申込みのときに合格証書番号などを入力する必要があるので、自分が対象か先に確認しておきましょう。

なお、IPAの申込みは1回の試験期につき1区分だけです。ITストラテジスト試験は前期に行われるため、同じ前期のシステムアーキテクト試験やITサービスマネージャ試験とは同時に受けられません。

出典:IPA 科目A-1免除制度、IPA 前期試験の申込み

現行の試験を受けられるのは2026年10〜11月が最後の予定

IPAは、ITストラテジスト試験を含む高度試験8区分を「2026年度の試験実施をもって終了する予定」と発表しています。2027年度からは、応用情報技術者試験と高度試験をまとめ直した「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」などに移る予定です。ITストラテジスト試験は前期だけの実施なので、現行の区分で受けられるのは2026年10〜11月の試験が最後になる見込みです。

新しい試験のどの区分がITストラテジスト試験の内容を引き継ぐのかは、2026年9月時点で公表されていません。一方で、すでに合格した人の資格は、制度が変わっても無効になりません。合格証書に有効期限もないため、今回合格すれば、その実績は今後も履歴書に書けます。

出典:IPA 新たな試験制度について、IPA よくある質問

合格率は15%前後で推移している

年度 受験者数 合格者数 合格率 合格者の平均年齢
2023年度春期 4,972人 769人 15.5% 40.3歳
2024年度春期 5,327人 842人 15.8% 40.1歳
2025年度春期 5,586人 836人 15.0% 40.4歳

出典:IPA 合格発表(2023年度春期、2024年度春期、2025年度春期)

合格率は受験者数に対する割合です。直近3回はいずれも15%前後で、受験者のおよそ7人に1人しか受からない試験です。2026年度のCBT試験の結果は、2027年2月頃に発表される予定です。

転職でITストラテジスト試験が評価される理由

コンサルや事業会社のIT部門で「歓迎資格」として名前が出る

求人票でITストラテジスト試験の名前が出てくるのは、主に歓迎条件の欄です。2026年9月30日に確認できた例は次のとおりです。

  • アビームコンサルティング(システムコンサルタント、東京都中央区)
    歓迎に「PMP、ITストラテジスト、システムアーキテクト、各種クラウド関連などの有資格者」。想定年収690万〜2,500万円
  • 明治安田生命保険(IT部門のアプリ開発・DX、東京都江東区)
    歓迎に「情報処理関連の公的資格(プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト等の上級資格)の保有」。想定年収790万〜1,300万円

どちらも、必須条件はデジタル関連の業務経験やIT経験の年数です。資格は、同じ経験を持つ応募者の中で「上流の考え方を体系的に学んでいる」と示す材料になります。資格名を必須条件にしている個別求人は、今回の確認では見つかりませんでした。

資格手当・報奨金は、高度試験の中でも高めの区分になりやすい

ITエンジニアを多く抱える会社では、情報処理技術者試験を資格手当や合格報奨金の対象にしていることがよくあります。ITストラテジスト試験は、その中でも上位の区分として扱われる例が目立ちます。

会社 支給の形 ITストラテジスト試験の金額
コンピュータマネジメント 毎月の手当 月25,000円(ネットワークなど他の高度試験の多くは月15,000円)
Sky 毎月の手当+合格時の報奨金 月10,000円+報奨金50,000円(2026年5月現在)
コガソフトウェア 毎月の手当+合格祝い金 資格手当30,000円+合格祝い金9,000円(手当は役職と資格に応じて支給)

出典:コンピュータマネジメント、Sky、コガソフトウェア(2026年9月30日確認)

金額や対象は会社ごとに大きく違い、手当の制度がない会社もあります。SIerやソフトウェア会社では手当の対象になりやすい一方、事業会社のIT部門では、手当より「任される仕事」で評価されることが多いと考えておきましょう。

企業が期待するのは「経営の言葉でITを語れる」こと

事業会社のIT戦略職の求人を見ると、仕事内容はITストラテジスト試験の出題範囲とよく重なります。

たとえばFWD生命保険の「ITストラテジスト」職(東京都中央区、想定年収720万〜1,150万円、2026年8月26日掲載開始)は、中長期計画に基づくロードマップ(システム化計画)の策定と管理、ビジネス部門との協働、導入計画の策定、経営層への提案を仕事内容に挙げています。エイチ・ツー・オーリテイリングの同名の職(大阪市北区、想定年収600万〜800万円、2026年6月21日掲載)も、グループ全体のIT・デジタル戦略の立案・推進・進捗管理を任せるとしています。

どちらも資格名を条件にしてはいませんが、求められているのは、事業の課題を整理し、投資の優先順位と効果を経営層に説明する力です。ITストラテジスト試験の論文で問われる「経営課題→IT戦略→計画→評価」の流れは、この仕事の説明そのものです。面接で自分の経験をこの流れで話せることが、資格の一番の効き目です。

ITストラテジスト試験が転職で有利にならないケース

ここまで読むと心強い資格に見えますが、有利にならないケースも正直にお伝えします。

(1)IT以外の仕事に転職する場合

評価されるのは、ITコンサルティング会社、SIer、事業会社の情報システム部門やDX推進部門など、ITと経営の間に立つ仕事です。営業職や一般事務など、ITと関係の薄い職種では、資格の内容まで理解してもらえることはあまりありません。

(2)企画・提案の経験がない場合

IT戦略やシステム化計画の求人は、必須条件に「IT戦略・企画立案の実務」や「コンサルテーション経験」を挙げることが多く、資格はその代わりになりません。合格していても、「実際に計画を立てた場面」を話せないと、面接で知識の裏づけが伝わりにくくなります。

(3)技術の専門性で評価されたい場合

クラウドの設計やアプリ開発など、手を動かす技術者として評価されたいなら、ITストラテジスト試験より、その分野の技術資格や実績のほうが直接効きます。ITストラテジスト試験は「何を作るか決める側」の資格なので、技術の深さを示すものではありません。

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。企画や上流の経験とセットで見せれば、上流ポジションへの転職で他の応募者との差になる資格だということです。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。

【タイプ別】あなたの場合、ITストラテジスト試験は武器になる?

社内SE・IT企画の経験者は、IT戦略職やコンサルへの足がかりになる

もっとも有利になるのがこのタイプです。事業会社の情報システム部門で、システム刷新の計画づくりや、業務部門との要件のすり合わせ、IT予算の説明をしてきた人は、試験の出題内容をすでに仕事で経験しています。

合格すると、次のような場面で評価されやすくなります。

  • 経営層や業務部門に、IT投資の目的と効果を説明できる人材として見られる
  • 事業会社のIT戦略・DX企画職で、「企画を任せられる」根拠になる
  • ITコンサルへ移るとき、事業会社側で計画を立てた経験の裏づけになる

一方で、社内では「情シスの人」と見られ続け、企画の仕事が回ってこないという人もいます。その場合は、IT戦略やDX推進の役割がはっきりしたポジションに移るのも選択肢です。

ただ、同じ「DX推進」「IT企画」という名前でも、戦略から任されるのか、ベンダー管理が中心なのかは、求人票だけでは見分けにくいものです。コンサル・DX領域に強い転職エージェントなら、その会社で企画にどこまで関われるか、どんな経験の人が採用されているかを確認してから応募できます。

SIerの上流経験者は、「顧客の経営課題から考えられる人」だと示せる

SIerで要件定義や提案、システム化構想の支援をしてきた人は、「決まった要件を形にする人」から「要件を一緒に決める人」へ移る段階にいます。ITストラテジスト試験の合格は、その移り変わりを示す材料になります。

コンサルティング会社の求人では、SIerでの実務経験とITストラテジストなどの資格が歓迎条件に並んでいる例があります。職務経歴書では、担当した案件の規模より、「顧客のどんな経営課題を、どんな計画で解こうとしたか」を書くと、資格との結びつきが伝わります。

まだ合格していない人は、2026年10〜11月の試験を目標に準備を始めましょう。現行の区分として受けられるのは、この回が最後になる予定です。

開発中心のエンジニアや未経験者は、資格より先に企画に関わる経験を

開発や運用が中心で、企画の経験がない人にとって、この試験は「上流を目指す」という意思表示にはなります。ただ、合格しても、IT戦略職の求人が求める「企画立案の実務」を満たすわけではありません。

まずは、今の職場で要件定義や業務部門との打ち合わせ、システム導入の効果測定など、上流に近い仕事を1つでも担当してみましょう。IT職の経験がない人は、情報システム部門や業務改善の仕事で、ITを使って業務を変えた経験を先に作るほうが、転職では確実に効きます。そのうえで、学んだ知識を応募先のどの業務に活かしたいかを具体的に伝えることが大切です。

ITストラテジスト試験を活かせる仕事と年収の目安

仕事 主な内容 資格の効き方 年収の目安(求人記載)
ITコンサルタント(コンサルティング会社) DXの構想策定から実装・定着までの支援 ◎ 歓迎資格として名前が出る 想定年収690万〜2,500万円(アビームコンサルティング、東京)
事業会社のIT戦略・企画職 中長期のシステム化計画、経営層への提案 ◎ 仕事内容と試験範囲が重なる 想定年収720万〜1,150万円(FWD生命保険、東京)
小売グループのIT・デジタル戦略 グループ各事業のIT・デジタル戦略の立案と進捗管理 ○ 企画経験の裏づけになる 想定年収600万〜800万円(エイチ・ツー・オーリテイリング、大阪)
事業会社のIT部門(開発・DX) アプリ開発やDX案件の推進 ○ 上級資格として歓迎される 想定年収790万〜1,300万円(明治安田生命保険、東京)

出典:アビームコンサルティング(リクルートダイレクトスカウト)、FWD生命保険(リクルートエージェント)、エイチ・ツー・オーリテイリング(リクルートエージェント)、明治安田生命保険(リクルートダイレクトスカウト)(2026年9月30日確認)

いずれも経験者向けの求人で、資格保有者の平均年収ではありません。FWD生命保険とエイチ・ツー・オーリテイリングの求人は、資格名を条件にしていない、仕事内容が試験範囲と重なる例です。参考として、dodaの職種別平均年収(2024年9月〜2025年8月の登録者データ)では、ITコンサルタントの平均年収は601万円です(doda 平均年収ランキング)。

あわせて取得すると強い資格

プロジェクトマネージャ試験

ITストラテジスト試験が「何に投資し、どう計画するか」を問うのに対し、プロジェクトマネージャ試験は「決まった計画を、予算と期限の中でやり遂げる」力を問います。戦略を立てるだけでなく実行まで任せられる人だと示せるので、DX推進やPMOの求人で組み合わせの効果が大きくなります。2026年度は後期(科目A 2027年2月20日〜3月2日、科目B 3月16日〜28日)に実施されるため、前期のITストラテジスト試験と同じ年度に受けられます。

システム監査技術者試験

システム監査技術者試験は、IT投資やシステムの運用が、目的どおり適切に行われているかを評価する側の試験です。ITストラテジスト試験で学ぶ「計画と評価」の視点と重なり、ITガバナンスや内部統制に関わる仕事、監査法人やコンサルのリスク領域に進みたい人に向いています。こちらも2026年度は後期の実施です。

中小企業診断士

経営戦略・財務・マーケティングなど、経営全般の知識を問う国家資格です。ITストラテジスト試験がITの側から経営を見るのに対し、中小企業診断士は経営の側から全体を見ます。両方を持つと、経営者と同じ言葉で課題を整理し、そのうえでIT施策を提案できる人材だと伝わりやすくなります。

ITストラテジスト試験に最短で合格するには

科目ごとにつまずく点が違う

IPAのサイトでは、過去の問題冊子と解答例、午後(現在の科目B)の採点講評が公開されています。独学でも対策できますが、科目ごとにつまずく点が違います。

  • 科目A-2は区分に合わせた専門分野から出る
    科目A-1が高度試験の共通問題なのに対し、科目A-2はITストラテジスト試験向けの分野から出題されます。経営やシステム戦略に関わる用語など、開発の仕事では使わない知識で取りこぼしやすい科目です
  • 科目B-1は事例文から根拠を拾う記述式
    企業の状況を読み、「なぜその施策が必要か」を指定字数で答えます。知識を書くのではなく、事例文の中の根拠を使って答える練習が必要です
  • 科目B-2の論文は、経営の立場で書けるかが問われる
    120分で、自分が関わった事業やシステム化計画をもとに論述します。開発者の視点で「どう作ったか」を書いてしまうと、評価ランクAに届きにくくなります

直前期は、論文の題材を先に固めて記述式で手を慣らす

試験の1〜2か月前は、新しい知識を増やすより、論文と記述式で点を取る準備に集中するのが効率的です。

  • 論文で使う自分の経験を2〜3個選び、「経営課題・立てた戦略や計画・評価の方法・結果」を書き出しておく
  • 過去の論文テーマを見て、手持ちの題材をどのテーマにどう当てはめるか決めておく
  • 科目B-1は時間を計って事例問題を解き、根拠の段落に印を付けてから答える癖をつける
  • 科目Aは○×形式などで短時間に確認し、迷った論点だけ深掘りする

科目Aは10月、科目Bは11月と試験期間が分かれています。科目Aを受けてから科目Bまでの期間は、論文と記述式の仕上げに使えます。

直前ノートでは、科目A対策の○×300問、科目B-1の記述式問題集(大問24題)、科目B-2の想定テーマ30題と答案例を用意しています。弱い科目に合わせて選んでください。

ITストラテジスト試験を活かして転職を成功させる進め方

資格が評価される求人を探す

求人検索では「ITストラテジスト」だけでなく、「IT戦略」「IT企画」「システム化計画」「DX推進」「ITコンサルタント」などの言葉でも探してみましょう。資格名が書かれていなくても、経営とITをつなぐ人を求めている求人は多くあります。「ITストラテジスト」を職種名にしている求人もありますが、試験の合格を求めているとは限らないので、応募条件の欄を確認してください。

職務経歴書で資格と経験をつなげる

「ITストラテジスト試験 合格」と書くだけでは伝わりません。「営業部門の受注処理の遅れを経営課題として整理し、3か年のシステム刷新計画を立案、投資効果を示して役員会の承認を得た」など、経営課題から計画、評価までの流れで書きましょう。論文の準備で整理した自分の経験は、そのまま職務経歴書と面接の材料になります。

転職エージェントを味方につける

ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして何より、ITストラテジスト試験に合格している人ほど、転職エージェントを使う価値があります。

理由はシンプルで、IT戦略やDX企画の仕事は会社ごとに中身の差が大きく、求人票の職種名だけでは、本当に戦略から任されるのか判断しにくいからです。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。年収・条件交渉に対応していないエージェントもあります。

年収や役職の条件を相談できる

IT戦略職やITコンサルの求人は、想定年収の幅が数百万円単位で開いていることがよくあります。「今の年収より下げたくない」「マネージャー職で入りたい」と自分から切り出すのは難しいものですが、エージェントは企業との間に入り、あなたの代わりに条件を交渉してくれます。

「情シスでシステム刷新の計画を立て、ITストラテジスト試験にも合格している」という強みを、企業が評価しやすい形で伝えてくれるので、提示される条件が変わることがあります。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「事業会社でIT戦略を担当したい」「コンサルで上流案件に関わりたい」「開発から企画の仕事に移りたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあり、自分で探すだけでは出会えない選択肢が増えます。

入社前に職場の実情を確認できる

IT部門が経営企画にどこまで関われるのか、ベンダー管理や社内調整がどのくらいの割合を占めるのか、資格手当や報奨金はあるのか。入社してから「企画の仕事ではなかった」とならないよう、応募前に確認できます。

書類や面接の対策をしてもらえる

コンサルや事業会社のIT戦略職の面接では、「その計画で、事業にどんな効果が出たか」を深く聞かれます。職務経歴書の書き方や、企画経験の伝え方を、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。

面接の日程調整を任せられる

面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、プロジェクトの繁忙期でも、今の仕事を続けながら転職活動を進められます。

さらに、この記事で紹介する3社は、いずれも無料で利用できます。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • 合格したのに、今の会社では任される仕事も評価も変わらない
  • 情シスで企画をしているのに、社内では「システムの担当者」として見られている
  • SIerで上流を経験し、事業会社やコンサルに移りたいと考えている
  • 今の年収に満足していない
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の経験がどのくらいの年収の求人につながるか知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と資格なら、どんなポジションで、どれくらいの年収の求人があるのか質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
AXIS Agent(アクシスコンサルティング)(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(コンサル・DX) ITコンサルや事業会社のDX企画・経営戦略の求人を扱う コンサルや事業会社のDX企画に移りたい上流経験者
レバテックキャリア(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(IT・Web) ITエンジニアの転職に特化。社内SE・PMなどの求人も扱う SIerや開発の経験を活かして社内SE・IT企画へ移りたい人
JAC Recruitment 総合型(管理職・専門職) 管理職・専門職などミドル〜ハイクラスの求人が中心 IT部門の管理職やマネージャー候補を狙う経験者

迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。

よくある質問

ITストラテジスト試験は意味ない資格ですか?

IT以外の仕事では評価されにくいですが、ITコンサルや事業会社のIT部門では、歓迎資格や資格手当の対象として名前が出る資格です。企画や上流工程の経験とセットで見せることで意味のある資格になります。

2027年度から試験制度が変わるなら、今受ける意味はありますか?

あります。すでに合格した人の資格は制度が変わっても無効にならず、有効期限もありません。現行のITストラテジスト試験として受けられるのは2026年10〜11月が最後の予定なので、受けるか迷っているなら今回を目標にするのが確実です。

資格手当はいくらくらいですか?

会社によって大きく違います。確認できた例では、毎月の手当が月10,000〜30,000円、合格時の報奨金を別に出す会社もあります。事業会社のIT部門では手当がないこともあるので、応募前に確認しましょう。

独学で合格できますか?

IPAのサイトで過去問と解答例、採点講評が公開されているため、独学でも合格は可能です。つまずきやすいのは論文なので、自分の経験を題材として早めに整理しておくことが近道です。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。

実務経験がなくても受験できますか?

受験資格の制限はないので、実務経験がなくても申し込めます。ただし論文では、自分が関わった事業やシステム化計画をもとに書くことが求められるため、企画の経験がない人は題材づくりに時間がかかります。

まとめ:あなたの次の一手

ITストラテジスト試験は、IT企画や上流工程の経験がある人にとって、「経営の目線でITを考えられる人材」だと示せる資格です。一方で、資格名を必須にする求人は見当たらず、資格単体で採用が決まるわけではありません。

現行の試験として受けられるのは2026年10〜11月が最後の予定です。受けるか迷っている人は今回を目標に準備を、すでに合格している人は、経験と資格を組み合わせて評価してくれる職場を探しましょう。

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。