資格×転職
PR教員採用試験は社会人・講師からでも受かる?倍率・試験内容と教員への転職の進め方
「会社員をしながら教員採用試験を受けて、本当に先生になれるのかな」
「講師を続けているけれど、正規採用を目指すなら何から手をつければいいんだろう」
そう迷っていませんか?
結論を先に書くと、教員採用試験は、教員免許を持っている人なら、社会人や講師からでも十分に合格を狙える試験です。全国の倍率は2.9倍と過去最低になり、採用者の4割以上は講師などの教職経験者です。民間企業での勤務経験を対象にした特別の選考も、60の自治体が実施しています。
一方で、教員免許がない場合は、試験を受ける前に免許を取る段取りから考える必要があるのも事実です。倍率が低い区分でも、筆記や面接の準備が足りなければ不合格になります。
この記事では、文部科学省と東京都教育委員会の公表資料をもとに、教員採用試験の仕組みと、社会人・講師が合格して教員に転職するまでの進め方を解説します。
結論:教員採用試験は社会人・講師からでも合格できる?
結論は「教員免許があれば十分に狙える。免許がなければ、まず免許の取り方から」です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。
| あなたの状況 | 合格の狙いやすさ | 次の一手 |
|---|---|---|
| 教員免許あり + 講師などの教職経験あり |
◎ 教職経験を対象にした特別の選考があり、面接で話せる実践がある | 教職経験者向けの区分を探して受験先を決める |
| 教員免許あり + 民間企業などの社会人経験 |
○ 社会人向けの選考があり、経験年数が初任給にも反映される | 筆記の対策を早めに始め、社会人向け区分の条件を確認する |
| 教員免許なし (社会人・学生) |
△ 一般の選考は受けられない。一部に特別免許状を使う選考がある | 通信制大学などで免許を取る計画を立てる |
教員採用試験は国家資格の試験ではなく、都道府県や政令指定都市の教育委員会が「公立学校の教員として採用する人」を選ぶ試験です。受験先によって区分や条件がかなり違うので、詳しくは次の章で解説します。
教員採用試験とは?1分でわかる基本情報
教員採用試験の正式名称は「公立学校教員採用選考試験」です。全国の67の都道府県・指定都市教育委員会と、大阪府豊能地区教職員人事協議会の計68が、それぞれ実施しています。合格すると採用候補者となり、翌年度から正規の教員(教諭・養護教諭・栄養教諭など)として働きます。
試験の基本と、2026年実施の日程の例(東京都)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施者 | 都道府県・指定都市の教育委員会など(全国68) |
| 試験の種類 | 公立学校の教員を採用するための選考試験(資格試験ではない) |
| 受験資格(東京都の例) | 受験する校種・教科の教員免許を持っているか、採用日(2027年4月1日)までに取得見込みであること。年齢などの条件は自治体ごとに定められる |
| 区分 | 小学校、中学校・高校(教科別)、特別支援学校、養護教諭、栄養教諭など |
| 第一次選考(東京都の一般選考) | 教職教養(60分)、専門教養(60分)、論文(70分) |
| 第二次選考(東京都の一般選考) | 個人面接、実技(指定された校種・教科のみ) |
| 東京都の日程(令和9年度採用) | 申込 2026年3月27日〜5月7日、第一次 7月5日、第二次(面接)8月15日〜17日、実技 8月23日、最終合格発表 9月30日 |
| 全国の倍率 | 2.9倍(令和7年度採用・過去最低) |
出典:文部科学省 公立学校教員採用選考試験の実施状況、東京都教育委員会 令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考(9年度採用)について、東京都 実施要綱 選考区分早見表・選考方法一覧 (2026年9月28日確認) ※試験の内容と日程は自治体ごとに違います。受験前に必ず、受験先の実施要項を確認してください。
受験には教員免許が必要
一般の選考では、受験する校種・教科の教員免許が必要です。東京都の場合は、採用日の2027年4月1日までに取得する見込みであれば受験できます。
年齢の条件や、社会人・教職経験者向けの区分を設けるかどうかは、自治体ごとに違います。受けたい自治体の実施要項で、区分と条件を最初に確認しておきましょう。
全国の倍率は2.9倍で過去最低
文部科学省が2025年12月に公表した最新の集計(令和7年度採用、2024年実施)では、全体の倍率は2.9倍で、前年度の3.2倍から下がり過去最低になりました。
| 区分 | 受験者数 | 採用者数 | 倍率 | 前年度 |
|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 34,434人 | 17,078人 | 2.0倍 | 2.2倍 |
| 中学校 | 36,621人 | 10,168人 | 3.6倍 | 4.0倍 |
| 高等学校 | 19,705人 | 5,152人 | 3.8倍 | 4.4倍 |
| 特別支援学校 | 7,252人 | 3,650人 | 2.0倍 | 2.2倍 |
| 養護教諭 | 9,499人 | 1,164人 | 8.2倍 | 8.2倍 |
| 栄養教諭 | 1,612人 | 163人 | 9.9倍 | 9.2倍 |
| 計 | 109,123人 | 37,375人 | 2.9倍 | 3.2倍 |
出典:文部科学省 令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況 参考資料1 第1表(2026年9月28日確認) ※2025年実施(令和8年度採用)分の全国集計は、2026年9月28日時点で文部科学省から公表されていません。
小学校や特別支援学校は2倍前後ですが、養護教諭と栄養教諭は8〜10倍で、今も狭き門です。全体の数字だけで「簡単になった」と判断せず、受けたい区分の倍率を見ておきましょう。
2027年から第一次選考の共同実施が予定されている
文部科学省の資料(2026年4月30日)によると、51の自治体(37都道府県・14指定都市)が、2027年(令和9年度)に実施する第一次選考から、共通の問題を使う共同実施に向けて協議を進めています。示されている内容は次の通りです。
- 日程は2027年5月8日(土)、6月12日(土)、7月10日(土)の3日程(別に予備日あり)
- 教養試験は60分40問程度で、すべて択一式(マークシート)
- 教科専門は1教科あたり60分25問程度
- 決められた「コアタイム」を守れば、各自治体が試験時間の延長・短縮などを変えられる
これまでは自治体ごとに出題の癖が大きく、受験先を変えると対策も変わりました。共通の問題になると、基本的な知識を幅広く押さえる対策が、どの自治体にも通用しやすくなります。日程には5月8日も含まれるため、働きながら受ける人は準備を始める時期を早めておくと安心です。
出典:文部科学省 教員採用選考に係る第一次選考の共同実施について(2026年4月30日)
社会人・講師経験が教員採用試験で評価される理由
採用者の4割以上が講師などの教職経験者
令和7年度採用の採用者37,375人のうち、講師などの教職経験がある人は16,727人で、44.8%を占めました。高校では53.5%、特別支援学校では56.6%と、半数を超えています。
文部科学省の資料では、臨時的任用教員や非常勤講師を続けながら再挑戦してきた人が正規採用されてきたことで、既卒の受験者が減っていると分析されています。つまり、講師として働きながら合格を目指す道は、実際に多くの人が通っているルートです。
教職経験を対象にした特別の選考は、全68の自治体が実施しています。たとえば東京都では、東京都以外の公立学校で3年以上の経験がある人などを対象にした教職経験者の区分があり、第一次選考は教職教養がなく、専門教養と論文だけです。
民間企業での経験を対象にした選考がある
採用者のうち民間企業などで働いた経験がある人は1,587人(4.2%)です。割合はまだ小さいものの、民間企業などでの勤務経験を対象にした特別の選考は、60の自治体が実施しています。東京都では、民間企業などでの勤務経験が2年以上ある人を対象にした社会人経験者の区分を設けています。
学校では、進路指導で社会の仕事を伝える場面や、保護者・地域とのやり取りなど、社会人の経験を活かせる仕事が多くあります。面接では「会社で何をしてきたか」より、その経験が子どもたちの学びにどうつながるかを話せると伝わりやすくなります。
出典:文部科学省 令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント(表2、「14.特別の選考の実施状況」)、東京都 実施要綱 選考区分早見表・選考方法一覧
経験年数が初任給に反映される
東京都教育委員会の案内(2026年4月1日現在)では、4年制大学を卒業して民間企業の正社員として働いた人の初任給は次のように試算されています。初任給は、給料月額に教職調整額、地域手当、義務教育等教員特別手当などを合わせた額です。
| 経歴(小・中・高校の場合) | 初任給の例 | 初年度の年収例 |
|---|---|---|
| 大学卒業後すぐに採用 | 約32万9,200円 | 約510万円 |
| 民間企業の経験5年 | 約37万1,700円 | 約575万円 |
| 民間企業の経験10年 | 約40万7,600円 | 約631万円 |
| 民間企業の経験15年 | 約44万700円 | 約682万円 |
出典:東京都公立学校教員採用ポータルサイト 働く環境(2026年9月28日確認。4月採用のモデルケース。扶養手当・住居手当・通勤手当などは別途支給)
「転職すると給料がリセットされる」と心配する人は多いのですが、東京都の例では、民間での経験年数に応じて初任給が上がります。計算方法は自治体ごとに違うので、受験先の給与の案内で確認してください。
教員採用試験で社会人の経験が有利にならないケース
ここまで読むと社会人でも挑戦しやすく見えますが、経験が武器にならないケースも正直にお伝えします。
(1)教員免許を持っていない場合
一般の選考では、免許がなければ受験できません。教員免許を持たない人を対象に、特別免許状を活用した選考を行う自治体もあります。ただし、対象の教科は自治体ごとに大きく違い、英語・情報・工業・看護などに絞る自治体もあれば、全教科を対象にする自治体もあります。実施していない自治体もあります。
多くの人にとっての現実的な道は、通信制大学や大学の科目等履修で免許を取ってから受験することです。取得までの年数は、持っている学位や取りたい免許によって変わります。
(2)倍率の高い区分を受ける場合
養護教諭と栄養教諭は、全体の倍率が下がった今も8〜10倍の競争率が続いています。社会人経験があっても、筆記で合格点に届かなければ面接まで進めません。
(3)筆記の準備を後回しにしている場合
社会人経験は主に面接で活きるものです。東京都の社会人経験者の区分でも、第一次選考は一般選考と同じく教職教養・専門教養・論文です。教育法規や学習指導要領など、学校の外ではほとんど触れない知識が問われるため、経験があるからと筆記を甘く見ると、そこで不合格になります。
とはいえ、これは「社会人は不利」という話ではありません。免許の条件と筆記の準備を先に片づければ、経験は面接で他の受験者との差になるということです。次の章で、タイプ別の活かし方を見ていきます。
【タイプ別】あなたの場合、教員採用試験の合格は狙える?
講師経験者は、教職経験者の区分で実践を示せる
もっとも合格に近いのがこのタイプです。学級担任や授業を実際に受け持った経験は、面接でそのまま話せます。
講師経験が活きる場面は次の通りです。
- 教職経験者向けの区分では、筆記の科目が減ることがある(東京都は教職教養がない)
- 面接で「困った場面にどう対応したか」を具体的に話せる
- 担当した学年や教科の実践を、願書や面接の材料にできる
一方で、講師の仕事が忙しく、筆記の勉強時間が取れないまま受験を重ねる人もいます。公立の正規採用だけにこだわらず、私立学校の常勤教員として働く道も並行して調べておくと、選べる進路が広がります。
私立学校の教員は、学校法人ごとに採用が行われます。私立学校の教員採用に詳しい転職エージェントの中には、表に出ていない非公開の求人を扱っているところもあるので、教員免許と講師経験を活かせる学校を探しやすくなります。
教員免許がある社会人は、経験を授業と生徒指導につなげられる
大学で免許を取ったものの、民間企業に就職した人は、まず受けたい自治体に社会人向けの区分があるかを確認しましょう。東京都の社会人経験者の区分のように、民間での勤務年数が条件になっていることがあります。
面接では、営業で身につけた説明の組み立て方や、チームで仕事を進めた経験を、授業づくりや保護者対応にどう活かすかまで話せるように準備します。「なぜ今の仕事を辞めて教員になるのか」は、自分の言葉で答えられるようにしておきましょう。
2027年からの共同実施では、第一次選考の日程に5月8日が含まれています。働きながら受けるなら、秋から冬のうちに筆記の勉強を始めておくと、春先に慌てずに済みます。
教員免許がないなら、免許取得の計画から始める
教員免許がない場合、一般の選考はまだ受けられません。まず、なりたい校種と教科を決め、通信制大学や科目等履修で必要な単位と教育実習をどう確保するかを調べましょう。
小学校の教員を目指すなら、独立行政法人教職員支援機構が行う「小学校教員資格認定試験」に合格して免許を得る方法もあります。専門分野での実務経験が長い人は、受けたい自治体が特別免許状を活用した選考を行っているか、対象の教科に当てはまるかも確認しておきましょう。
免許を取るまでの間も、教育法規や教職教養の勉強は先に始められます。取得後の最初の受験で合格を狙えるよう、並行して準備しておくのが近道です。
教員採用試験に合格して就ける仕事と年収の目安
| 仕事 | 主な内容 | 採用のされ方 | 給与の目安 |
|---|---|---|---|
| 公立小学校の教諭 | 学級担任として全教科を教える | 教員採用試験(小学校) | 東京都の大卒初任給 約32.9万円 |
| 公立中学校・高校の教諭 | 教科の授業、部活動、進路指導 | 教員採用試験(教科別) | 同上 |
| 公立特別支援学校の教諭 | 障害のある子どもの学習と生活の支援 | 教員採用試験(特別支援学校) | 東京都の大卒初任給 約34.6万円 |
| 養護教諭 | 保健室での健康管理、救急処置、健康相談 | 教員採用試験(養護教諭) | 自治体の給与の案内で確認 |
| 栄養教諭 | 食に関する指導、学校給食の管理 | 教員採用試験(栄養教諭) | 自治体の給与の案内で確認 |
| 私立学校の教員 | 学校ごとの教育方針に沿った授業と指導 | 学校法人ごとの採用 | 学校法人ごとに異なる |
| 臨時的任用教員(東京都) | 休暇・休職の代替として、学級担任なども担当 | 教育委員会の名簿登載の選考 | 東京都の大卒(小中高)初任給 約32.9万円 |
出典:東京都公立学校教員採用ポータルサイト 働く環境、同 臨時的任用教員とは?(2026年4月1日現在の額。2026年9月28日確認)
東京都の案内では、大卒で小・中・高校に採用された場合の初年度の年収例は約510万円、特別支援学校は約536万円です。額は自治体ごとに違うので、受験先の給与の案内で確認してください。
また、公立学校の教員には残業代の代わりに「教職調整額」が支給されます。2025年6月に成立した改正法により、給料月額の4%から10%まで段階的に引き上げられることになり、2026年(令和8年)1月から5%、その後毎年1%ずつ上がって令和13年度に10%となる予定です。
出典:文部科学省 給特法等の一部を改正する法律の概要、文部科学省 改正法の成立について(2025年6月11日)
あわせて取得すると強い資格
特別支援学校教諭免許状
特別支援学校の教員を目指すなら、基礎となる小・中・高校の免許に加えて取っておきたい免許です。特別支援学校の区分は倍率が2.0倍と比較的低く、東京都は2026年実施の選考で、国公立学校での教員経験者も特別支援学校などへ併願できるようにしました。
英検・TOEICなどの英語資格
英語の資格などを持つ人を対象にした特別の選考は、63の自治体が実施しています(令和7年度採用)。英語の教員を目指す人はもちろん、他の教科を受ける人も、対象になる資格と条件を受験先の実施要項で確認しておきましょう。
隣接する教科・校種の教員免許
中学と高校の同じ教科の免許、中学の免許に加えて小学校の免許など、複数の免許を持っていると、受けられる区分の幅が広がります。複数の免許状の所持を対象にした特別の選考も、58の自治体が実施しています(令和7年度採用)。
出典:文部科学省 令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント(「14.特別の選考の実施状況」)、東京都教育委員会 令和9年度採用の選考について
教員採用試験に最短で合格するには
筆記は教職教養と専門教養を分けて対策する
教員採用試験は、筆記・面接と見られる力が多く、働きながら受ける人がつまずきやすいのは次の2点です。
- 出題範囲が広い
教職教養だけでも、教育法規、学習指導要領、教育心理、教育史、生徒指導、教育時事と幅広く、専門教養や一般教養も加わる - 校種・教科によって対策が変わる
小学校は全教科、中学・高校は担当教科、養護教諭・栄養教諭は学校保健や学校給食の制度まで問われる
まずは、多くの区分で出題される教職教養から始めるのが効率的です。教育基本法や学校教育法などの教育法規は、条文の言い回しを正確に覚えておくほど選択肢を見分けやすくなります。専門教養は、受ける区分の出題範囲を確認してから、基本を固めます。
直前期は○×で知識を確かめ、模試で60分の時間配分を練習する
試験前の1〜2か月は、新しい知識を増やすより、よく出る論点を確実に取ることに集中するのが効率的です。
- ○×形式で素早く正誤を判断し、迷った論点だけを参考書や条文で確認する
- 本番と同じ60分で模試を解き、どこで時間を使いすぎるかを把握する
- 論文や論作文がある自治体を受けるなら、時間を計って実際に書き、結論が最初に伝わるかを読み返す
2027年からの共同実施では、教養試験が60分40問程度、教科専門が1教科60分25問程度と示されています。1問あたりにかけられる時間を体で覚えておくと、本番で焦りません。
直前ノートでは、教職教養・一般教養、教育法規、小学校教科専門、中学・高校の国語・数学・英語・理科・社会系、特別支援教育、養護教諭、栄養教諭について、○×300問や実戦模試3回分の問題集を用意しています。受ける区分に合わせて選んでください。
学習に使う教材を選ぶ(note)
教員採用試験を活かして転職を成功させる進め方
受験先と区分、あわせて講師登録や私立学校の募集を調べる
まず、受験できる自治体の実施要項を読み、社会人・教職経験者向けの区分、各区分の条件、試験日を比べましょう。
公立の正規採用と並行して、教育委員会の臨時的任用教員の名簿登載や、私立学校の教員募集も調べておくと、合格を待つ間も教壇に立つ経験を積めます。たとえば東京都の臨時的任用教員は、普通免許状か特別免許状を持つ人がWEBで申し込み、選考に合格すると名簿に載って、学校を探して応募する流れです。
願書と面接で経験と教育をつなげる
志望動機や自己PRでは、「営業職として5年勤務」と書くだけでは伝わりません。「顧客ごとに説明の順番を変え、理解度を確かめながら提案してきた。その経験を、子どもの理解に合わせて授業を組み立てることに活かしたい」など、経験を学校の仕事に置き換えて伝えましょう。
講師経験がある人は、担当した学年や教科、学級で工夫したことを、具体的な場面とともに書きます。
転職エージェントを味方につける
公立学校の教員は教員採用試験で選ばれるため、転職エージェントを通して採用されるわけではありません。一方、私立学校の教員は学校法人ごとに採用が行われ、非公開の求人を扱う専門の転職エージェントもあるため、ここではエージェントが役に立ちます。
講師を続けながら私立の常勤も視野に入れたい人、公立と私立を並行して考えたい人、民間企業から教育の仕事に移りたい人は、一度相談してみる価値があります。
転職エージェントを使うメリットは?
学校探しから応募、学校とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。
給与や勤務条件を相談できる
私立学校の給与や待遇は、学校法人ごとに違います。「常勤で働けるか」「前職の経験は給与に反映されるか」といった聞きにくいことも、エージェントが間に入って確認や交渉をしてくれます。
希望に合う学校を紹介してもらえる
「中高一貫校で教えたい」「通える範囲で探したい」。希望を伝えるだけで、条件に合う学校を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあります。
入職前に学校の実情を確認できる
担任を持つのか、授業の持ちコマ数はどれくらいか、部活動の顧問は必須か、専任教員への登用の道はあるか。入ってから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。
書類や面接、模擬授業の対策をしてもらえる
私立学校の選考では、面接に加えて模擬授業を行う学校もあります。学校ごとの選考に合わせて、書類の書き方や模擬授業の組み立てまでアドバイスしてくれるサービスもあります。
面接の日程調整を任せられる
面接の日程調整や学校・企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事や講師の勤務を続けながらでも、応募を進めやすくなります。
さらに、下の比較表で紹介する3社は、いずれも求職者の利用が無料です。
こんな人は、まず相談だけでもしてみてください
- 講師を続けているが、常勤の教員として働ける場所を早く見つけたい
- 公立の採用試験と並行して、私立学校の選択肢も知りたい
- 教員免許はあるが、社会人から教員に戻るタイミングを迷っている
- 民間企業から、教育に関わる仕事に移りたい
- 自分の免許と経験で、どんな学校の募集があるのか知りたい
1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。自分の免許と経験なら、どんな学校の募集があるのかを聞くだけでも、進路を決める材料になります。
どの転職エージェントが自分に合う?
| 転職エージェント | タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 教員人材センター(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(私立学校の教員) | 私立中学・高校を中心に教員の求人を紹介。書類や論作文の添削、面接・模擬授業の対策まで支援 | 私立学校の教員を目指す人、講師から常勤を目指す人 |
| Education Career(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(教育業界) | 学校、塾、教育関連企業など教育業界の求人に特化。全国に対応 | 学校以外の教育の仕事も含めて比べたい人 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 総合型 | 業界を問わず求人を紹介し、非公開求人も扱う | 教員以外の道も含めて幅広く検討したい人 |
迷ったら、私立学校や教育業界に特化した1社と総合型1社の、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の免許と経験がどこで活きるかが見えてきます。
よくある質問
- 教員採用試験は社会人でも受けられますか?
受験する校種・教科の教員免許を持っていれば受けられます。民間企業などでの勤務経験を対象にした特別の選考は60の自治体が実施しています(令和7年度採用)。年齢などの条件は自治体ごとに違うため、受験先の実施要項を確認してください。
- 教員免許がなくても受けられますか?
一般の選考は受けられません。特別免許状を活用した選考を行う自治体もありますが、対象の教科は自治体ごとに違い、実施していない自治体もあります。多くの場合は、通信制大学などで免許を取ってから受験することになります。
- 倍率はどれくらいですか?
文部科学省の最新の集計(令和7年度採用)では、全体で2.9倍でした。小学校と特別支援学校は2.0倍、中学校は3.6倍、高校は3.8倍、養護教諭は8.2倍、栄養教諭は9.9倍です。2025年実施分の全国集計は、2026年9月28日時点で公表されていません。
- 働きながらでも合格できますか?
講師を続けながら再挑戦し、正規採用される人は多くいます。範囲が広いので、多くの区分で出題される教職教養から早めに始め、直前期は模試で時間配分を確認するのが近道です。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。
- 2027年から試験はどう変わりますか?
51の自治体が、第一次選考を共通の問題で共同実施する方向で協議しています。日程は2027年5月8日、6月12日、7月10日の3日程で、教養試験は60分40問程度、教科専門は1教科60分25問程度と示されています。自分の受験先がどの日程になるかは、各自治体の実施要項で確認しましょう。
まとめ:あなたの次の一手
教員採用試験は、教員免許を持っている人なら、社会人や講師からでも十分に合格を狙える試験です。倍率は過去最低の2.9倍まで下がり、講師などの教職経験者が採用者の4割以上を占めています。一方で、免許がなければ一般の選考は受けられず、養護教諭や栄養教諭は今も高い倍率が続いています。
受験先の区分と条件を確かめ、筆記の準備を早めに始めることが、教員への転職の第一歩です。
参考
- 令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等について|文部科学省
- 令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント|文部科学省
- 令和7年度公立学校教員採用選考試験の実施状況 参考資料1|文部科学省
- 教員採用選考に係る第一次選考の共同実施について|文部科学省
- 特別免許状を活用した採用選考に関する窓口一覧|文部科学省
- 教員資格認定試験|文部科学省
- 給特法等の一部を改正する法律の概要|文部科学省
- 令和8年度東京都公立学校教員採用候補者選考(9年度採用)について|東京都教育委員会
- 令和8年度 実施要綱 選考区分早見表・選考方法一覧|東京都公立学校教員採用ポータルサイト
- 働く環境|東京都公立学校教員採用ポータルサイト
- 臨時的任用教員とは?|東京都公立学校教員採用ポータルサイト