液化石油ガス設備士は転職に有利?LPガス設備工事・保安の求人での評価と丙種化学との違い

「液化石油ガス設備士を取れば、LPガスの仕事で転職しやすくなるのかな」 「高圧ガスの丙種化学(液石)とは、何が違うんだろう」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、液化石油ガス設備士は、LPガスの設備工事や、お客様宅の点検・保安の仕事に就く人には、転職で評価される資格です。しかも、評価されるだけではありません。LPガスの配管の接続や気密試験など、この免状を持つ人でなければ法律上できない作業があります。求人にも「液化石油ガス設備士(必須)」と書かれることがあります。

一方で、工事や保安の実務経験がないまま、資格だけで経験者向けの求人を狙うのは難しいのも事実です。また、高圧ガス製造保安責任者の丙種化学(液石)はLPガスの充てん所などで働くための別の資格で、設備士の代わりにはなりません。

この記事では、高圧ガス保安協会(KHK)の公表資料と法令、実際の求人をもとに、液化石油ガス設備士が転職でどう評価されるのかを解説します。

結論:液化石油ガス設備士は転職に有利?

結論は**「LPガスの工事・保安の経験と組み合わせると有利。経験が浅いうちは、資格だけでは決め手にならない」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。

あなたの状況 転職での有利さ 次の一手
LPガスの設備工事や保安点検の経験あり
+
免状あり
◎ 「必須」の求人にも応募でき、経験者向けの工事・保安職で評価される 免状を条件にした求人を探す。再講習の受講履歴もそろえる
LPガスの設備工事や保安点検の経験あり
+
免状なし
○ 取得すると、応募できる求人が増える。経験者は講習ルートも選べる 国家試験か講習かを決めて準備する
LPガスの仕事は未経験
+
免状あり(または取得予定)
△ 経験者限定の求人では決め手にならない。未経験歓迎の求人なら応募でき、取得済みであることは強みになる 未経験歓迎の求人で経験を作る。取得支援の有無を確認する

受験そのものに、年齢・学歴・経験の条件はありません。誰でも受けられます。

液化石油ガス設備士とは?1分でわかる基本情報

液化石油ガス設備士は、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)に基づく国家資格で、免状は都道府県知事が交付します。KHKは、一般家庭用などのLPガスの供給設備・消費設備の設置工事や変更工事で、硬質管(金属の配管)どうしの接続や気密試験などを行う人が「必ず取得しなければならない資格」と説明しています。供給設備はボンベや調整器など、お客様の敷地にガスを届ける側の設備です。消費設備は、配管やガス栓、燃焼器など、家の中でガスを使う側の設備です。

2026年度(令和8年度)試験の概要

項目 内容
実施 高圧ガス保安協会(KHK)。都道府県知事の免状に係る試験(知事試験)
試験日 筆記試験:2026年11月8日(日)、技能試験:2026年11月29日(日)
申込期間(電子申請) 2026年8月17日(月)10時〜9月2日(水)17時
受験資格 なし(年齢・学歴・性別・経験に関係なく誰でも受験できる)
筆記試験 法令(択一式15問・60分)、配管理論等(択一式20問・90分)
技能試験 筆記試験に合格した人が受ける。電動ねじ切り機を使う場合60分、手動ねじ切り機の場合75分。前年度の筆記試験合格者は、翌年度に限り筆記試験の免除を申請できる
合格基準 筆記は各科目、技能も、満点の60パーセント程度
受験手数料 22,700円(電子申請)、23,200円(書面申請)。いずれも非課税
合格率 38.0%(2025年度。受験者1,577人・合格者600人)
2027年度の日程 2026年10月3日時点で未公表

出典:令和8年度 液化石油ガス設備士試験 受験案内書(電子申請用)、令和8年度 液化石油ガス設備士パンフレット、令和7年度 知事試験の結果(いずれもKHK) (2026年10月3日確認) ※受験前に必ずKHKの最新の受験案内を確認してください。

KHKは、国家試験を毎年11月に全国一斉に実施すると案内しています。次の試験日と申込期間は、KHKのサイトで公表されたら確認しましょう。

国家試験のほかに、講習を受けて検定に合格する道もある

免状は、KHKまたは国が指定する養成施設の講習を修了しても受けられます。講習は3日間で、講義19時間と実習2時間(第三講習は実習なし)です。最後の検定試験は筆記と技能の2つで、技能は筆記に合格した人だけが受けます。区分は、持っている経験や資格で決まります。

  • 第一講習:未経験者・無資格者向け。経済産業大臣が指定する養成施設で実施
  • 第二講習:LPガス設備工事の経験が1年以上ある人向け。経験の証明が必要
  • 第三講習:建築配管技能士などの関連資格を持つ人向け。資格の証明が必要

出典:液化石油ガス設備士講習|KHK、液化石油ガス法 第38条の4|e-Gov法令検索 (2026年10月3日確認)

合格率は2年とも3割台

年度 受験者数 合格者数 合格率
2024年度(令和6年度) 1,496人 528人 35.3%
2025年度(令和7年度) 1,577人 600人 38.0%

KHKの一覧表には、設備士の「計」の1行だけが載っています。筆記試験と技能試験の内訳や、前年度の筆記合格で免除を受けた人の数は示されていません。受験資格がなく誰でも受けられる試験で、受験者の約3人に1人が合格している計算です。

出典:令和7年度・令和6年度 高圧ガス製造保安責任者試験等結果(知事試験)|KHK (2026年10月3日確認)

丙種化学(液石)とは何が違う?

名前が似たLPガスの国家資格に、丙種化学(液石)があります。正式には「高圧ガス製造保安責任者 丙種化学(液化石油ガス)」です。どちらもKHKの国家試験ですが、法律も仕事の場所も違います。

液化石油ガス設備士 丙種化学(液石)
根拠の法律 液石法 高圧ガス保安法
何の資格か 一般家庭用などのLPガス供給設備・消費設備の設置・変更工事の作業をするための資格 LPガスの製造に関わる保安を担う資格。保安係員などに選任される
主な職場 LPガス販売会社の工事・保安部門、設備工事会社 LPガスの充てん事業所、LPガススタンド
試験の形 筆記(法令・配管理論等)+技能 筆記のみ(法令・保安管理技術・学識の3科目、択一式)。講習で一部の科目が免除になる
受験手数料(電子申請) 22,700円 9,800円

出典:国家資格の概要及び職務範囲|KHK、LPガス資格|KHK、令和8年度 製造保安責任者試験・販売主任者試験 受験案内書 (2026年10月3日確認)

設備工事の作業は設備士、充てん所の保安は丙種化学(液石)、と分けて覚えておけば取り違えません。丙種化学(液石)の免状では設備工事の作業はできず、設備士の免状だけでは充てん所の保安係員になれません。丙種化学(液石)の詳しい内容は、別の記事で解説しています。

転職で液化石油ガス設備士が評価される理由

設備工事の特定の作業は、設備士にしかできない

液石法の第38条の7は、「液化石油ガス設備士でなければ、液化石油ガス設備工事の作業に従事してはならない」と定めています。対象になる作業は、液石法施行規則 第108条で次のように決まっています。

  • 硬質管の寸法取りやねじ切りの作業
  • 硬質管どうしの接続、硬質管の取り外し、取り外すための切断(アーク溶接・ガス溶接による接続は除く)
  • 気化装置、調整器、ガスメーター、自動ガス遮断器、バルブ、ガス栓と硬質管をつなぐ、または外す作業(気化装置・調整器・ガスメーター・自動ガス遮断器は、同じ型式のものに交換する場合を除く)
  • 地面の下に埋める硬質管に、腐食を防ぐ措置をする作業(電気防食を除く)
  • 気密試験の作業

LPガスのお宅で、給湯器やガスコンロの取り付けに合わせて配管を延ばしたり、ガスメーターまわりの配管をつなぎ替えたりする仕事は、免状を持つ人が担当します。設備士が足りなければ、会社が担当できる工事は限られます。求人で免状が条件に書かれやすいのは、この決まりがあるためと考えられます。

設備士の免状があれば、LPガスの供給設備・消費設備の点検・調査の仕事もできます。点検・調査のための別の資格(保安業務員)は、設備士の免状を持つ人には必要ありません。

出典:液化石油ガス法 第38条の7、液化石油ガス法施行規則 第108条|e-Gov法令検索、LPガス資格|KHK、国家資格の概要及び職務範囲|KHK (2026年10月3日確認)

求人では「必須」「いずれか必須」「歓迎」「入社後に取得」の4通りに分かれる

必須の求人 福島県郡山市のLPガス会社の総合職(配送・保安・ガス機器の取り付け)は、必須条件が「液化石油ガス設備士」で、月給は約23.1万〜25.3万円(固定残業代1万円を含む)、想定年収は367万〜400万円です(佐藤燃料)。

いずれか必須の求人 長野県茅野市のLPガスの保安点検の求人は、「液化石油ガス設備士・第二種販売主任者のどちらか必須」で、月給24.5万円以上、想定年収380万〜430万円、資格手当ありです(岐阜屋)。千葉県のLPガスの定期点検の求人は、経験者のみの募集で、「設備士、販売二種、保安業務員のうち最低1つは要保有」とし、設備士の保有者は優遇されます。月給24万〜40万円、想定年収340万〜560万円です(シナネンひまわりサービスセンター)。

歓迎・優遇の求人 千葉県のガス設備工事スタッフの求人は、必要資格が中型免許で、液化石油ガス設備士は「優遇」です。月給25.5万〜45万円で、みなし残業代(月45時間分)を含みます(エルピオ)。

入社後に取得する前提の求人 青森県八戸市のLPガス・石油機器の設備工事職は、未経験歓迎で、必要な国家資格は会社が全額負担します(オリワン)。和歌山県のガス設備の点検と既存営業の求人も、法令点検に必要な国家資格の講習費用と受験費用を会社が負担し、対象の例に液化石油ガス設備士が挙がっています(IWAMOTO)。

今回確認した求人では、経験者向けは「必須」、未経験者向けは「入社後に取得」と、募集の対象で資格の扱いが分かれていました。

資格手当は月2,000〜3,000円の例がある。資格名でのキーワード検索結果は100件以上ある

手当の金額が書かれている例では、青森県の会社が液化石油ガス設備士、第二種販売、危険物(乙四)を対象に毎月3,000円を支給しています(オリワン)。秋田県の燃料会社の求人には、資格手当が2,000円から6,000円で、液化石油ガス設備士は月2,000円と書かれています(山二)。月2,000〜3,000円なら年に2.4万〜3.6万円で、受験手数料22,700円は約8〜11か月で取り戻せる計算です。手当の有無や金額は会社により異なるので、応募前に確認しましょう。

求人の件数は、リクルートエージェントで「液化石油ガス設備士」と検索すると公開求人が119件、求人ボックスでは2,006件で、ページには平均月給28.5万円と表示されています(2026年10月3日時点)。ただし、これはキーワード検索の結果件数で、すべての求人に資格名が記載されていることを示すものではありません。「必須」の求人だけでなく、営業や配送の求人で歓迎資格や取得支援として書かれたものも含まれ、平均月給も資格を持つ人の平均年収ではありません。

出典:リクルートエージェントの検索結果、求人ボックスの検索結果 (2026年10月3日確認。件数は時期により変わります)

液化石油ガス設備士が転職で有利にならないケース

(1)実務経験がないまま、経験者向けの求人を狙う場合

前の章の求人には、「設備士の経験が3年以上」「経験者のみ」という条件がありました。免状は、作業をしてよいという法律上の許可で、現場で配管を扱ってきた年数の代わりにはなりません。免状を取ったら、まず未経験歓迎の求人で実績を作る流れが現実的です。

(2)LPガス以外の設備や、充てん所・販売所の仕事を目指す場合

液石法の資格なので、評価されるのはLPガスの設備を扱う会社です。都市ガスの設備工事や、給排水・電気の工事では、この免状だけで仕事が決まるわけではありません。充てん所の保安係員には丙種化学(液石)、販売所の業務主任者には第二種販売主任者の免状が必要で、設備士の免状ではどちらにもなれません。

(3)再講習を受けていない場合

設備士には、免状を受けた後に定期的な講習を受ける義務があります。期限内に受けていないと、法令で決められた義務を果たしていない状態になります。応募書類に書く前に、受講の履歴を確認しておきましょう。

とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。LPガスの現場経験とセットで見せれば、応募できる求人が増え、評価される資格です。

【タイプ別】あなたの場合、液化石油ガス設備士は武器になる?

LPガスの工事・保安の経験者は、免状があるかどうかで応募できる求人が変わる

もっとも有利になるのがこのタイプです。「設備士必須」の求人に応募でき、硬質管の接続や気密試験といった法律上の作業を担当できる人材として、保安点検から設備工事まで任せてもらえます。資格手当の対象になることもあります。

免状がなくて経験だけがある人は、国家試験に加えて、経験が1年以上あれば第二講習で取る道もあります。経験の証明が必要で、KHKは、過去に虚偽の経験証明を出した販売事業者が国から処分を受けた例があると注意しています。

今の会社で免状が評価されない、手当も付かないという場合は、免状を評価する会社に移る選択肢があります。夜間の緊急対応の当番があるかどうかは、求人票だけでは分かりにくい点です。たとえば和歌山県の求人には、当番の日の待機手当として1日4,000円、出動した場合は1時間1,500円が書かれていました(IWAMOTO)。当番の頻度までは書かれていないので、応募前に確かめたい点です。

配管・住宅設備の経験者は、関連資格があれば講習で取れる

水道・ガス・空調などの配管や、住宅設備の取り付けの経験がある人は、LPガスの工事に必要な基本の動きが身についています。建築配管技能士などの関連資格を持っていれば、第三講習(実習なし)の対象になります。

配管の経験を、工程・安全・書類を管理する施工管理に広げる道もあります。東邦ガスの指定工事会社が募集するガス内管工事の施工管理には、未経験歓迎で月給25.2万〜29.2万円(現場手当2万円を含む)の例があり、社内の資格保持者として液化石油ガス設備士280名、1級管工事施工管理技士84名を挙げています(山田商会)。設備士は必須条件ではありませんが、配管の知識の裏づけとして並んでいます。建設・設備の仕事に詳しいエージェントなら、設備工事の経験をどの職種で評価されるか、あらかじめ相談できます。

未経験なら、資格を取る前に、LPガス会社に入る道がある

LPガスの仕事が未経験の人は、免状を取ってから応募するより、受験費用や講習費用を会社が負担する未経験歓迎の求人に入るほうが早いことがあります。ただし、「設備士の経験が3年以上」「経験者のみ」といった求人は、免状があっても未経験では応募できません。応募する求人が未経験を対象にしているかを、まず確認しましょう。面接では、免状を取った後にどの作業を担当したいかを具体的に伝えることが大切です。

液化石油ガス設備士を活かせる仕事と年収の目安

仕事 主な内容 資格の効き方 給与の目安(求人記載)
LPガス会社の総合職 配送、開栓・閉栓などの保安、ガス機器の交換 ◎ 必須の求人がある 月給23.1万〜25.3万円(固定残業代1万円を含む)、想定年収367万〜400万円
LPガスの保安点検 お客様宅の供給設備・消費設備の定期点検、機器交換 ◎ 「設備士または第二種販売」などが条件の求人がある 月給24万〜40万円、想定年収340万〜560万円の例
LPガスの設備工事スタッフ 配管工事、ガス機器の取り付け・修理 ◎ 必須の求人も、入社後に取得する求人もある 月給23万〜43万円(経験3年以上が必須の例)、月給20万〜25万円(未経験歓迎の例)
ガス内管工事の施工管理 工事の工程・安全・書類の管理 ○ 知識の裏づけとして社内に保有者が多い 月給25.2万〜29.2万円(現場手当を含む)の例

出典:各求人の記載(前の章および本文のリンク先)。給与は会社・地域・経験・残業の扱いで大きく変わります。(2026年10月3日確認)

あわせて取得すると強い資格

第二種販売主任者(高圧ガス販売主任者)

LPガスの販売所の業務主任者に選ばれるための資格です。LPガス会社の求人には、「設備士または第二種販売」「設備士、販売二種、保安業務員のうち1つ」と並べる募集があり、設備士とは別の入口として扱われています。設備士が工事・点検の資格、第二種販売が販売所の責任者の資格と、役割が補完されます。

配管用フレキ管講習・ポリエチレン管の施工に係る講習

どちらも、設備士の免状を持つ人が、その配管を施工したいときに必要な講習です。扱える配管の種類を増やせます。

丙種化学(液石)

LPガスの充てん所やスタンドなど、製造に関わる職場へ移りたいときの資格です。KHKの設備士の免除条件に、丙種化学(液石)の免状による免除は載っていません。

液化石油ガス設備士に合格するには

国家試験か講習かを、先に決める

筆記試験は年に1回、毎年11月で、技能試験は筆記試験の数週間後です。講習は年4回開催されます。どちらを選ぶかで準備が変わるので、先に決めましょう。

  • 国家試験:受験資格がなく、誰でも受けられる。筆記試験に合格したあとで技能試験を受ける。技能試験の工具は自分で持ち込み、練習は各自で積む形になる
  • 講習:区分は第一〜第三。実習と検定がセットになっている。経験が1年以上あれば第二講習、関連資格があれば第三講習

講習の受講受検料は、KHKのページでは筆記試験16,100円、技能試験20,200円と区分して書かれています(非課税、第二・第三講習が同額。テキスト代は別)。国家試験の受験手数料は22,700円です。勤務先に負担制度があるか、技能の練習をできる環境があるかを考えて選びましょう。会社に取得支援がある場合は、会社が案内する方法に従うのが近道です。

筆記試験と技能試験で、つまずく点が違う

令和7年度の問題(KHKが公開)から、つまずきやすい点を整理します。

  • 法令:条件によって基準が変わる 貯蔵能力が1,000キログラム未満の容器による供給設備、1,000キログラムの容器による供給設備、950キログラムのバルク貯槽による供給設備は、別々の問で基準が問われています。数字と条件の組み合わせを取り違えると、正誤を逆に判断します。
  • 配管理論等:計算問題がある 気密試験で配管内の温度が下がったときの圧力を計算する問題や、集団供給設備で必要な50キログラム型容器の本数を求める問題が出ていました。ボイル・シャルルの法則や、絶対圧力とゲージ圧力の関係といった基礎知識も出ます。
  • 技能試験:時間と記録が評価される KHKの判定項目には、規定時間内の完成、設計図どおりの寸法と組み合わせ、気密試験の記録紙の作成、終了後の漏えい確認などが挙がっています。材料を失敗・紛失して再請求したかどうかも対象です。製作物を提出せずに退室すると欠席扱いになるので、記録紙を含めて最後まで仕上げる練習が必要です。

直前期は、法令の数字と技能の手順を固める

試験前の1〜2か月は、新しい知識を増やすより、取り違えを減らすことに集中します。法令は基準の数字と条件を表にまとめ、計算は過去問を手で解き直し、技能はKHKの判定項目で寸法・ねじ込み・気密・外傷を自己チェックしながら練習しましょう。

過去問と正解は、KHKの「正解答、合格者番号、試験問題の公表」のページで確認できます。講習の必須テキストは、KHKが「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法規集」「高圧ガス保安法概要(液化石油ガス設備士編)」「液化石油ガス設備 施工マニュアル」と案内しています。

出典:令和7年度 法令の問題・配管理論等の問題・技能試験の判定項目|KHK、試験問題の公表ページ (2026年10月3日確認)

液化石油ガス設備士を活かして転職を成功させる進め方

資格が評価される求人を探す

求人検索では「液化石油ガス設備士」だけでなく、「LPガス 保安」「LPガス 設備工事」「プロパン 点検」「ガス機器 交換」「ガス配管」などの言葉でも探してみましょう。資格名が書かれていなくても、配管工事や気密試験を任される仕事の求人はあります。応募条件が「設備士または第二種販売」のように、複数の資格から選ぶ形になっていないかも確認します。

職務経歴書で免状と経験をつなげる

「液化石油ガス設備士 取得」と書くだけでは、どの作業ができるのかが伝わりません。「戸建てと集合住宅で、LPガスの硬質管の接続、調整器やガスメーターまわりの配管の交換、自記圧力計を使った気密試験を担当した」のように、扱った設備、担当した作業、件数、免状を持って何年かを具体的に書きましょう。再講習を受けていれば、その履歴も添えます。

転職エージェントを味方につける

ここまでのステップを1人で進めるのは、日々の工事や点検をこなしながらだとかなり大変です。そして何より、液化石油ガス設備士を持っている人ほど、転職エージェントを使う価値があります。理由はシンプルで、資格手当の額や、夜間の緊急対応の当番、入社後に工事と保安のどちらを中心に任されるかといった事情は、求人票に書かれにくいからです。LPガスの工事・保安の求人は、地域の会社の募集も多いので、エージェントと求人サイトでの直接応募を併用すると、選択肢が広がります。

転職エージェントを使うメリットは?

求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。

年収や資格手当の条件を相談できる

「設備士の手当は付きますか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。エージェントが企業との間に入り、「LPガスの配管工事と気密試験を何年担当してきた」という経験を評価しやすい形で伝えてくれます。

希望に合う求人を紹介してもらえる

「工事を中心にしたい」「点検と保安を中心にしたい」「夜間の当番を減らしたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を紹介してもらえます。一般には公開されていない非公開求人に出会えることもあります。

入社前に職場の実情を確認できる

担当地域とお客様の数、工事と保安の割合、夜間の緊急対応の当番の頻度、資格手当の対象。入社後に「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認してもらえます。

書類や面接の対策をしてもらえる

免状と経験を職務経歴書にどう書けば評価されるか、担当してきた作業を面接でどう説明するかを、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。

面接の日程調整を任せられる

日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるサービスがあります。日中は現場に出ている人でも、今の仕事を続けながら転職活動を進めやすくなります。

さらに、これらはすべて無料です。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。

こんな人は、まず相談だけでもしてみてください

  • 液化石油ガス設備士を持っているのに、今の会社では手当も役割も変わらない
  • 夜間の緊急対応の当番が多く、働き方を見直したい
  • 配管の経験を、管工事や設備の施工管理に広げたい
  • 転職するかはまだ決めていないが、自分の経験と免状でどんな求人があるか知りたい

1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と免状なら、どんな条件の求人があるのかを質問し、答えてもらうだけでも価値があります。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
建設転職ナビ(公式サイト・新しいタブで開きます) 特化型(建設・設備) 建設・不動産業界に特化。管工事施工管理、設備施工管理、ビル設備管理などの職種を扱い、求人提案から応募書類のアドバイス、面接対策、条件交渉、入社後のフォローまで無料で支援 配管・設備工事の経験を、管工事や設備の施工管理・設備管理に広げたい人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 求人数が多く、LPガス会社の工事・保安・営業の求人も業界をまたいで比較できる。書類添削・面接対策・日程調整・年収交渉まで支援 LPガス会社の工事・保安の仕事を、ほかの職種も含めて比べたい人

迷ったら、特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の経験と免状がどう評価されるかがより正確にわかります。

よくある質問

液化石油ガス設備士は意味ない資格ですか?

LPガスの工事や点検の仕事では、意味のある資格です。硬質管の接続や気密試験などの作業は、免状を持つ人でなければ法律上できません。一方で、LPガスと関係のない仕事では評価されません。

丙種化学(液石)や第二種販売主任者の代わりになりますか?

なりません。設備士は家庭用などのLPガス設備の工事の資格で、丙種化学(液石)は充てん所などの製造の保安、第二種販売主任者は販売所の業務主任者に必要な免状です。法律も職場も別なので、目指す仕事に合わせて選びましょう。

未経験・無資格でもLPガス会社に入れますか?

入れる求人はあります。未経験歓迎で、国家資格の受験費用や講習費用を会社が負担する求人が確認できました。ただし、「設備士の経験が3年以上」といった経験者向けの求人もあるので、応募前に条件を確認してください。

免状に更新はありますか?

免状自体の更新はなく、KHKのパンフレットでは生涯有効とされています。ただし、免状を受けた年度の翌年度の開始日から3年以内に第1回の講習、その後は前回の講習を受けた年度の翌年度の開始日から5年以内ごとに講習を受ける義務があります。KHKの再講習は7時間の講義で、受講料は5,900円(非課税)です。

資格手当はいくらくらいですか?

求人では、月2,000円や3,000円の記載が確認できました。金額や対象かどうかは会社により異なるため、応募前に確認しましょう。

まとめ:あなたの次の一手

液化石油ガス設備士は、LPガスの配管の接続や気密試験を担当できる人だと示せる、法律上の資格です。工事・保安の経験がある人にとっては、応募できる求人を広げ、経験者向けの条件にも合う免状になります。

一方で、経験がない状態では、免状だけでは決め手になりません。充てん所の保安に必要な丙種化学(液石)や、販売所の責任者に必要な第二種販売主任者とも役割が違います。目指す仕事に合う免状かどうかを確かめたうえで、次の一手を選んでください。

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参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。