原子炉主任技術者は転職に有利?筆記・口答の2段階試験と、求人での評価

「原子炉主任技術者を取れば、原子力業界の転職で有利になるのかな」 「筆記試験のあとに口答試験まである難関試験に、時間をかける価値はあるのだろうか」

そう迷っていませんか?

結論を先に書くと、原子炉主任技術者は、原子炉の運転に関する保安の監督を担う国家資格で、原子力発電所やプラントメーカーなど、原子力に関わる職場の経験者が転職するときに「歓迎」「応募要件の選択肢」として評価される資格です。電力会社やメーカーの求人に、実際に資格名が挙がっています。

一方で、資格だけで採用が決まるわけではなく、多くの求人が重視するのは原子力発電所での勤務経験や、設計・保守の経験です。免状を持つことと、原子炉主任技術者に選任されることも別の話で、手当は選任された職務に対して支払われます。

この記事では、原子力規制委員会の公表資料と、実際の求人・給与規程をもとに、原子炉主任技術者が転職でどう評価されるのかを解説します。

結論:原子炉主任技術者は転職に有利?

原子力施設での運転・保守・設計の経験がある人には、有利に働きます

原子炉主任技術者の名前は、原子力関連の求人の「歓迎」や「必須条件の選択肢」に出てきます。資格は、経験を補強し、原子炉の安全に責任を持てる知識があると示す材料として書かれていて、資格名だけで応募できる求人ではありません。

実務経験がなく資格だけで勝負する場合は、決め手になりにくい資格です

法令上は、原子炉の設置者が、免状を持つ人の中から運転の保安の監督を行う人を選任します。免状は「選任される候補になる条件」であって、採用や選任を保証するものではありません。また、免状が交付されるのは口答試験に合格したときで、筆記試験に合格した段階ではまだ手元にありません。

経験別に見ると、評価はこう分かれます

あなたの状況 転職での評価 理由
原子力発電所の運転・保守・設計の経験がある 有利 求人の歓迎・選択要件に資格名が挙がり、口答試験の受験条件にも近い経験を持っている
プラントメーカーで原子力事業の設計・調達・プロジェクト管理に関わる 補強になる 日立製作所の求人のように、経験の選択肢の一つとして資格が書かれている
他業界の技術者で原子力は未経験 単独では弱い 求人の必須は原子力施設での勤務経験や学科の条件が中心で、資格だけでは条件を満たさない
学生・第二新卒 必須ではない 北陸電力の第二新卒歓迎の求人でも、必須は学科の条件で、資格は歓迎の位置づけ

原子炉主任技術者の基本情報|試験は筆記と口答の2段階

原子炉の運転の保安を監督する、国家資格です

原子力規制委員会は、原子炉主任技術者を「原子炉の運転に関する保安・監督を行う技術者」と説明しています。原子炉の設置者は、運転に関する保安の監督を行わせるために、免状を持つ人の中から選任しなければなりません。

試験は原子力規制委員会が実施し、筆記試験(一次)と口答試験(二次)の2段階で行われます。二次の正式名称は「口答試験」で、「口頭試験」ではありません。この記事でも公式の呼び方にそろえます。

筆記と口答の違いを、一覧で比べます

筆記試験(一次) 口答試験(二次)
受験できる人 受験要領に、学歴や実務経験などの条件の記載はない。認定課程の修了者は一部の課目が免除される 筆記試験に合格したうえで、次のどちらかの証明書を出せる人
受験に必要な経験 受験要領に記載なし 原子炉の運転に関する業務に6か月以上従事した証明書、または指定講習機関で原子炉の運転に関する課程を修了した証明書
内容 6課目、各課目2時間30分 口答で行う。専用の公式過去問は公開されていない
受験手数料 52,100円 公告・受験要領に記載なし
第68回の日程 2026年3月16日(月)〜18日(水) 2026年9月18日(金)
会場 ビジョンセンターグランデ東京浜松町 同じ会場
申込期間 2026年1月5日〜1月19日(必着) 2026年8月17日まで(必着)
合格発表 2026年6月頃に官報で公告。筆記試験合格証を本人に送付 2026年10月下旬頃に官報で公告。同時に原子炉主任技術者免状を本人に郵送
第69回の日程 2026年10月1日時点で未公表 2026年10月1日時点で未公表

日程は回ごとに公告されます。最新の情報は原子力規制委員会のページで確認してください。

筆記試験は6課目の記述式で、合格基準に条件があります

課目は「原子炉に関する法令」「原子炉理論」「原子炉の設計」「原子炉の運転制御」「原子炉燃料及び原子炉材料」「放射線測定及び放射線障害の防止」の6つです。

第68回の問題冊子では、6課目すべてが「6問中5問を選択して解答(各問20点、100点満点)」でした。解答用紙に自分で答案を書く形式で、用語の説明、式を立てる計算、穴埋めなどが出ます。たとえば「原子炉の運転制御」の第1問は「設計想定事象」や「MTBF、MTTF」といった用語の説明、「放射線測定及び放射線障害の防止」の第2問は算出の過程を式とともに示す計算問題でした。

合格基準は、第68回の公告で次のように示されました。各課目100点満点で、(1)から(5)のすべて、または(6)を満たす必要があります。

  • (1)平均点が60点以上
  • (2)「原子炉に関する法令」と「放射線測定及び放射線障害の防止」が、それぞれ60点以上
  • (3)そのほかの課目で、60点未満が2課目まで
  • (4)そのほかの課目で、50点未満が1課目まで
  • (5)40点未満の課目がない
  • (6)筆記試験の一部免除を受けた人は、「原子炉に関する法令」が60点以上

平均が60点を超えていても、法令か放射線が60点に届かなければ不合格です。得意課目で稼ぐのではなく、6課目全体で崩れない答案が求められます。受験要領には、点数などの採点結果の問い合わせには応じないと書かれています。

認定課程を修了した人(修了見込みを含む)は、法令以外の5課目が免除され、実質的に「原子炉に関する法令」だけを受けます。修了証明書と修得単位の証明書を申込書に添えて出します。

口答試験は、筆記合格のあとに待つ二次試験です

口答試験の申込には、運転業務に6か月以上従事した証明書(別添様式)か、指定講習機関などで運転に関する課程を修了した証明書が必要です。受験要領には、当日は通信機器を受付で預けること、試験の内容は当日に限り他の人に漏らさないことも定められています。

合格率は、筆記は一桁から3割弱、口答は3割台です

原子力規制委員会の「原子炉主任技術者試験合格者数等一覧表(2026年6月16日現在)」から、直近5回を整理しました。

回(実施年) 筆記・一般受験者(受験/合格/合格率) 筆記・全体(認定課程修了者を含む) 口答試験
第64回(2022年) 159人/6人/3.8% 170人/17人/10.0% 75人/24人/32.0%
第65回(2023年) 114人/5人/4.4% 129人/20人/15.5% 61人/18人/29.5%
第66回(2024年) 99人/9人/9.1% 105人/15人/14.3% 53人/18人/34.0%
第67回(2025年) 90人/16人/17.8% 105人/31人/29.5% 66人/22人/33.3%
第68回(2026年) 72人/6人/8.3% 88人/22人/25.0% 2026年10月1日時点で未公表(合格発表は10月下旬頃の予定)

認定課程の修了者は、第64回から第68回まで全員が筆記に合格しています。一方、認定課程を使わない一般受験者の筆記合格率は、この5回で3.8%〜17.8%です。口答試験の受験者数は、同じ回の筆記合格者数を上回る回が続いていて、筆記に受かった年にすぐ口答を受けない人もいることがうかがえます。

求人での評価|原子炉設置者の「選任」と、求人の書かれ方

資格が評価されるのは、原子炉の運転に責任を持つ人が必要だからです

原子炉を設置して運転する事業者は、免状を持つ人から原子炉主任技術者を選任しなければなりません。ただし、求人が資格名まで指定する頻度は高くありません。リクルートエージェントでは、「原子力発電」のキーワードで1,000件以上の求人が表示される一方、「原子炉主任技術者」で出たのは6件、そのうち資格名を募集要件に書いていたのは3件でした(2026年10月1日時点)。

求人での書かれ方は、「歓迎」と「選択肢の一つ」が中心です

歓迎(北陸電力・志賀原子力発電所の運転・保守) 経験者向けの求人は、必須が「原子力発電所勤務経験のある方」で、歓迎に「原子炉主任技術者」「放射線取扱主任者」「電気主任技術者」が並びます。第二新卒歓迎の求人も、必須は電気・電子、機械、化学系の学科の卒業で、歓迎の欄は同じ3資格です。 経験者向けの求人(リクルートエージェント) 第二新卒歓迎の求人(リクルートエージェント)

必須条件の選択肢(日立製作所・原子力事業の推進) 「原子力関連事業の業務経験」「プラント事業でのプロジェクトマネージャー経験」などのうち、いずれかを満たせばよい形で、「原子炉主任技術者、放射線取扱主任等、原子力事業に関わる資格」がその選択肢に入っています。実務経験の種類が違う人にも、応募の入口が開かれる書き方です。 求人ページ(リクルートエージェント)

歓迎(大手エネルギー関連企業・廃炉の保障措置) 保障措置とは、核物質が平和目的以外に使われないよう、国際原子力機関などと協議して管理する仕事です。東京都の求人で、歓迎資格に「原子炉主任技術者、核燃料取扱主任者、放射線取扱主任者」が挙がっています。必須は保障措置業務を2年以上経験していること(目安)、規制当局との折衝経験、英語での協議などです。 求人ページ(求人ボックス)

手当は、免状ではなく「主任技術者の職務にある」ことに対して支払われます

日本原子力研究開発機構(JAEA)の職員給与規程(2026年3月30日最終改正)には「法定主任者手当」があります。月額で、原子炉主任技術者の職務にある職員に15,000円、核燃料取扱主任者・核燃料取扱主務者・電気主任技術者の職務にある職員に10,000円が支給されます。原子炉主任技術者の手当は年に18万円です。

支給の条件は、資格を持っていることではなく、その職務に就いていることです。ほかの企業の資格手当は就業規則で決まるため、応募先の募集要項や内定時の条件で確認が必要です。

なお、JAEAのキャリア採用の募集要項で資格欄に書かれていたのは、第1種放射線取扱主任者などでした。安全管理・放射線管理・核物質管理分野の募集は「第1種放射線取扱主任者等の資格を有する方又は採用後取得する意欲のある方が望ましい」としています。今回確認した範囲では、原子炉主任技術者の名前は出てきませんでした。求人が名指しする資格は、職場の業務に合わせて変わります。 JAEAの募集要項(安全管理、放射線管理、核物質管理分野)

有利になりにくいケース

実務経験がなく、資格だけで応募する場合

求人の必須は、原子力発電所の勤務経験や学科の条件が中心で、資格だけで書類が通る形ではありません。こういう人は、経験が積める求人から入るのが近道です。北陸電力の第二新卒歓迎の求人は、必須が学科の条件でした。入社して運転・保守の経験を積み、口答試験に必要な運転業務の経験を得る流れが現実的です。

免状を取っても、選任される職場ではない場合

選任されるのは、原子炉を設置して運転する事業者で、運転の保安の監督を担う立場の人です。運転に直接関わらない部署では、資格は評価されても手当や職責に結びつかないことがあります。応募前に、その求人の職務で資格がどう評価されるのかを面接で確かめておくと、ミスマッチを防げます。

原子力以外の業界に移りたい場合

今回確認できた求人は、原子力発電所、原子力事業のメーカー、廃炉、研究機関など、原子力に関わる職場でした。原子力の外へ移りたい人は、電気主任技術者のように、より多くの業界で求められる資格のほうが評価されやすい場面があります。

筆記試験に受かっただけの段階

免状は口答試験の合格発表と同時に郵送されます。筆記の合格だけでは、「免状取得済み」とは書けません。転職活動の時期は、口答試験の合格発表のタイミングも考えて決めると安全です。

経験別の活かし方

原子力発電所の運転・保守を経験している人は、口答試験の条件を満たしやすい立場です

口答試験の受験には、運転業務に6か月以上従事した証明書が使えるので、運転に関わる職場にいる人は、筆記に合格すれば口答に進める条件が揃いやすくなります。転職では、取得前でも取得後でも、運転・保守の経験をそのまま書けます。北陸電力の経験者向けの求人のように、原子力発電所の勤務経験が必須で資格は歓迎という形が、資格で上乗せの評価を得る典型です。

プラントメーカーで設計・調達・プロジェクト管理に関わる人は、資格が経験の「別の入口」になります

日立製作所の求人は、資格を必須条件の選択肢に入れています。原子力事業の業務経験がまだ浅い人が、資格で知識を示して応募する余地があります。ただし口答試験には、運転業務の証明書か、指定講習機関の運転課程の修了証明書が必要です。設計や調達が中心の人は、講習機関の課程を使うルートを調べておくと、取得の計画が立てやすくなります。

原子力が未経験の技術者や学生は、まず筆記試験の知識を武器にします

筆記試験の受験要領に、学歴や実務経験の条件の記載はないので、経験がなくても筆記で知識を固められます。ただし筆記合格だけで有利になるとは限らないので、学科の条件で入れる募集から経験を積む計画も併せて立てるのが現実的です。

活かせる仕事と年収

資格が活きる仕事は、運転・保守、メーカー、廃炉・保障措置、研究機関です

北陸電力の求人は、設計、運転、保守、燃料・炉心・放射線管理などの技術業務で、電気・電子、機械、化学など原子力以外の専攻の人も活躍していると書かれています。日立製作所は原子力機器設計やプラントエンジニアリング、サプライチェーンマネジメントなどを募集しています。廃炉の保障措置は国際原子力機関や規制当局との協議が仕事で、英語での資料作成が必須です。JAEAのように、原子炉主任技術者の職務に法定主任者手当を設けている研究機関もあります。

年収は、会社と職位で大きく変わり、資格の有無だけでは決まりません

確認できた求人の条件を並べます。年収の違いは会社・職位・経験によるもので、資格を持つ人の平均年収ではありません。

求人 月給・年収の条件 資格の扱い
北陸電力(経験者向け、志賀原子力発電所) 月給20万円以上、想定年収500万円〜700万円 歓迎
北陸電力(第二新卒歓迎) 月給20万円以上、想定年収350万円〜550万円 歓迎
日立製作所(原子力事業の推進) 月給48万6,000円〜63万2,000円、想定年収830万円〜1,080万円(主任クラスの想定) 必須条件の選択肢の一つ
大手エネルギー関連企業(廃炉の保障措置) 年収イメージ〜1,200万円(経験・能力による) 歓迎

資格に結びつく手当は、JAEAの法定主任者手当(月額15,000円)が確認できました。確認した求人に民間の資格手当の具体額は書かれておらず、面接や内定時の条件提示で確かめる必要があります。

あわせて取得すると強い資格

放射線取扱主任者は、放射線を扱う職場で並べて書かれる資格です

放射線取扱主任者は、放射線を扱う施設で、放射線障害の防止について監督する資格です。北陸電力の求人では原子炉主任技術者と並んで歓迎に書かれ、JAEAの放射線管理分野の募集でも、第1種放射線取扱主任者が望ましい資格として挙がっています。原子炉主任技術者の筆記にも「放射線測定及び放射線障害の防止」の課目があり、放射線の知識は両方の学習で使えます。

電気主任技術者は、発電設備の保安を担い、原子力の外でも通用する資格です

北陸電力の求人では、原子炉主任技術者、放射線取扱主任者と並んで歓迎に挙がっています。JAEAの給与規程にも、電気主任技術者の職務への手当(月額10,000円)があります。発電所には電気設備もあり、原子力以外の発電所や工場でも求められる資格なので、原子力の外へ移る選択肢を残したい人にも向いています。

核燃料取扱主任者は、核燃料物質を扱う施設の保安を担う資格です

原子炉ではなく、核燃料物質を取り扱う施設の保安を監督する資格で、原子力規制委員会が別の試験として実施しています。JAEAの給与規程には月額10,000円の手当があり、大手エネルギー関連企業の保障措置の求人でも、歓迎資格に原子炉主任技術者と並んでいました。燃料の加工や廃棄など、核燃料物質を扱う業務に進みたい人は、あわせて取ると職域が広がります。

原子炉主任技術者に合格するには

筆記試験は「書く力」と「法令・放射線の60点」が合否を分けます

つまずきやすい点は2つあります。

答案を自分の言葉で組み立てる必要がある 用語の説明、式を立てる計算、穴埋めなど、書いて答える形式です。見覚えがあるだけでは、答案の1行目が書けません。 法令と放射線が60点に届かないと、平均が高くても不合格 合格基準で、この2課目に60点が必須とされています。

対策は次の順番がおすすめです。

  1. 原子力規制委員会が公開している過去問で、出題の形式を確認する
  2. 法令と放射線の2課目を、最初に固める
  3. 苦手な課目でも、40点未満を作らないようにする
  4. 時間を測って、1課目150分で5問を書き切る練習をする

過去問は、第55回(2013年)から第68回(2026年)までが公開されています。ただし公開されているのは問題と一部の正誤表で、解答や解説はありません。自分の答案が合っているか確かめにくいのが、この試験の難しいところです。認定課程で法令以外が免除される人は、法令の1課目に絞って対策できます。

口答試験は、知っていることを「言える形」に直す練習が中心です

口答試験には、筆記のような公式の過去問が公開されていません。原子力規制委員会の過去問のページに並ぶのは、筆記試験の問題です。そのため、筆記で身につけた知識や運転業務で扱ってきた内容を、短い時間で筋道立てて説明できるようにしておく必要があります。条文の番号を覚えているだけでなく、話しながら根拠として使えるかが大切です。

直前ノートのnoteで、段階に合わせて教材を使い分けられます

同じ原子炉主任技術者の対策で、目的の違うnoteのページが3つあります。

筆記試験対策 6課目 出るとこだけ○×300問 筆記6課目を全12章・300問の○×で確認できるPDFです。法令に100問、放射線測定及び放射線障害の防止に75問を配分し、全問に解答と覚えておきたい点、根拠となる条文が付きます。無料サンプル問題が2問載っています。知識の穴を洗い出す段階に向いています。 noteのページ

筆記試験・問題集 実践模試30問×3回分・全90設問 6課目×5問を1セットとして、3セット・全90設問を収録した記述・空欄補充・計算の問題集です。各設問に答案の組み立て例が付き、1課目を150分で書き切る時間配分の練習に使えます。無料サンプル問題が2問載っています。 noteのページ

口答試験対策 想定問答30テーマ 4部・30テーマを、1〜2分で説明する練習ができるPDFです。各テーマに答えに入れる項目、根拠となる条番号、書き出しの例、2分前後の組み立て例があり、無料サンプルが2テーマ載っています。筆記合格後の口答準備に使えます。 noteのページ

\目的に合う教材を選べる/

日程の公告を待たずに、学習は始められます

第69回の施行日程は、2026年10月1日時点で未公表です。前回の第68回は、2025年12月8日に筆記試験の施行が公告され、1月に申込、3月に試験という流れでした。公告を待たずに、過去問と法令・放射線の対策から始めておくと、試験までの期間を余裕を持って使えます。

原子炉主任技術者を活かして転職を成功させる進め方

求人を探す

「原子炉主任技術者」で検索する方法と、「原子力発電」「廃炉」「保障措置」「放射線管理」といった仕事の内容で検索する方法を併用します。資格名での検索は件数が少なく、仕事の内容で探すと件数は大きく広がります。資格名が書かれていなくても、運転・保守・設計の経験を求める求人では、資格は評価の材料になります。

勤務地も確認してください。北陸電力の求人は志賀原子力発電所(石川県)が配属先で、転勤の可能性が明記されています。日立製作所の求人は東京勤務です。原子力の職場は発電所や拠点の所在地に限られるため、通勤や転居の条件を早めに考えておくと、応募先を絞りやすくなります。

応募書類を整える

職務経歴書には、次の点を具体的に書きます。

  • 担当した設備や系統、運転・保守・設計・調達などの業務内容
  • 運転業務に従事した期間(口答試験の証明書とも対応します)
  • 保安規定、検査、規制当局への対応に関わった経験
  • 資格の取得状況(筆記合格か、免状取得済みか)

大手エネルギー関連企業の求人は、規制当局との折衝経験を必須に挙げていました。筆記合格だけの段階では、「筆記試験合格、口答試験の受験予定」のように、現在の状況を正確に書きます。

転職エージェントに相談する

運転や設計の経験をどう職務経歴書にまとめるか、資格の取得状況をどう伝えるかは、一人で整理しにくい部分です。原子力に関わる求人は勤務地や職種の幅が広く、資格の扱われ方も求人ごとに違うため、条件を整理してくれる相談先があると、応募先を選びやすくなります。

転職エージェントを使うメリットは?

年収・条件交渉に対応していないエージェントもあります。

希望条件を相談できる

勤務地、転勤の可否、運転・保守・設計などの職種、年収の希望を整理して、原子力に関わる求人のどこから当たるかを一緒に考えられます。

求人を紹介してもらえる

一般の求人サイトには載らない非公開求人も含めて、条件に合う求人を紹介してもらえます(リクルートエージェントの公式の説明)。

職場の情報を教えてもらえる

応募先の業界や企業について、エージェントが独自に分析した情報を提供してもらえます。JACリクルートメントは、エネルギー・インフラ・プラント業界の専門コンサルタントが支援する体制を示しています。

書類・面接のサポートを受けられる

応募先に合わせた職務経歴書の助言や添削、面接対策を受けられます。運転や保安の経験を、応募先の仕事に結びつけて書く練習ができます。

日程調整や条件交渉を任せられる

応募先企業との面接日程の調整や、内定後の条件交渉を、担当者が代行してくれます。在職中でも進めやすくなります。

さらに、これらの相談・支援は無料で受けられます(各社の公式ページで確認した範囲)。

どの転職エージェントが自分に合う?

転職エージェント タイプ 特徴 向いている人
JAC Recruitment エネルギー・インフラ・プラントに強い管理職・専門職向け エネルギー・インフラ・プラント業界の専門コンサルタントが支援する。年収500万円以上の求人から探せるハイクラス向けのサービス 運転・設計・保安の経験を持ち、主任・課長クラス以上のポジションを狙う人
リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) 総合型 求人数が多く、原子力関連のメーカー・電力会社の求人も検索で確認できる。面接日程の調整や条件交渉の代行も公式に案内している 運転・保守・設計・調達など、職種や業界をまたいで比べたい人、まず求人の全体像を見たい人

専門職として経験を評価してほしい人はエネルギー・プラント業界に強い相談先、選択肢を広く見たい人は総合型を軸にして、併用するのが進めやすい使い方です。経験の棚卸しから相談できる先があると、応募先を絞るときに迷いません。

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よくある質問

原子炉主任技術者の試験は「口頭試験」と「口答試験」のどちらが正しいですか?

原子力規制委員会の公式な呼び方は「口答試験」です。筆記試験が一次、口答試験が二次の試験で、公告も「第68回原子炉主任技術者試験口答試験」のように表記されています。

筆記試験に合格すれば、免状はもらえますか?

筆記試験の合格では、免状は交付されません。免状は、口答試験に合格した人に、合格発表と同時に本人へ郵送されます。筆記試験に合格すると、筆記試験合格証が送付されます。

実務経験がなくても、受験できますか?

筆記試験は、受験要領に学歴や実務経験などの条件の記載がありません。口答試験は、原子炉の運転に関する業務に6か月以上従事した証明書、または指定講習機関で原子炉の運転に関する課程を修了した証明書が必要です。

合格率はどのくらいですか?

直近5回(第64回〜第68回)の筆記試験の一般受験者の合格率は3.8%〜17.8%、認定課程の修了者を含めた全体では10.0%〜29.5%でした。口答試験は、第64回〜第67回で29.5%〜34.0%です。第68回の口答試験は、2026年10月1日時点で結果が未公表です。

資格手当は出ますか?

職場によります。JAEAの規程では、原子炉主任技術者の職務にある職員に月額15,000円の法定主任者手当を支給すると定められています。免状を持つだけでなく、その職務にあることが条件です。民間企業は、募集要項や内定時の条件で確認してください。

第69回の日程がまだ出ていませんが、勉強を始めてもよいですか?

始めて構いません。第69回の施行日程は2026年10月1日時点で未公表ですが、前回の第68回は12月に公告、1月に申込、3月に試験でした。過去問は第55回から第68回までが公開されているので、法令と放射線の2課目から先に進められます。直前ノートもご活用ください。

まとめ:あなたの次の一手

原子炉主任技術者は、原子炉の運転の保安を監督する立場に必要な国家資格で、原子力発電所やメーカーの経験者が、転職で経験を補強する資格として評価されます。求人では「歓迎」や「必須条件の選択肢」に資格名が挙がり、研究機関には手当を設けているところもあります。

一方で、資格だけで採用が決まるわけではありません。免状が交付されるのは口答試験の合格後で、手当も選任された職務に対して支払われます。筆記は6課目の記述式で、法令と放射線に60点が必須、一般受験者の合格率は一桁から1割台でした。口答試験は、運転業務の証明書か講習の修了証明書が必要な二次試験です。

原子力の経験を持つ人は、筆記と口答を順に進めながら、取得前でも経験を軸に応募できます。経験がまだない人は、経験が積める求人から入り、取得の時期を見ていくのが現実的です。

参考

執筆・編集

資格転職ノート編集部企画・執筆・更新

企画から執筆・更新まで一人で行っています。