資格×転職
PR消防設備士 乙種第6類は転職に有利?消火器の点検で評価される人・評価されにくい人
「消防設備士の乙種第6類を取れば、転職で有利になるのかな」 「消火器だけの資格と聞くけれど、取っても仕事の幅が狭かったらどうしよう」
そう迷っていませんか?
結論を先に書くと、乙種第6類は、消防設備の点検やビルの設備管理の仕事に入るための、取りやすい入口になる資格です。受験資格がなく、求人には「乙種6類以上」「甲種・乙種のいずれか」を応募条件にしたものや、資格手当の対象にしたものがあります。
一方で、乙種第6類の免状で扱えるのは消火器(と簡易消火用具の点検)だけで、ビルの消防設備をひとりで全部任されるわけではありません。火災報知設備やスプリンクラー設備は、別の類の免状が必要です。
この記事では、消防試験研究センターの公表データ、法令、実際の求人をもとに、乙種第6類が転職でどう評価されるのかを解説します。
結論:消防設備士 乙種第6類は転職に有利?
結論は**「点検・設備管理の仕事に入る入口としては有利、資格単体で任される設備は消火器まで」**です。あなたがどこに当てはまるか、まず確認してください。
| あなたの状況 | 転職での有利さ | 次の一手 |
|---|---|---|
| 消防設備の点検・設備管理の経験あり + 乙種第6類あり |
○ 消火器の整備・点検を自分の免状で担当できる。他の類を足すほど、任される設備が広がる | 乙種第4類や第7類など、次の類を取る |
| 消防設備の点検・設備管理の経験あり + 乙種第6類なし |
◎ 取得すると、「乙種6類以上」「甲種・乙種のいずれか」を条件にした求人に応募できる | 次の試験に申し込む |
| 未経験 + 資格なし(または取得予定) |
○ 先に取って応募する道と、入社後の取得支援を使う道がある。入口にはなるが、任される設備は限られる | 求人の条件を比べて、応募先を決める |
乙種は誰でも受験できます。ただし、乙種の免状では工事ができません。詳しくは次の章で解説します。
消防設備士 乙種第6類とは?1分でわかる基本情報
消防設備士は、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備、自動火災報知設備、消火器などの消防用設備等の工事・整備・点検に関わる国家資格です。試験は一般財団法人消防試験研究センターが実施しています。
資格は「類」に分かれていて、免状に書かれた類の設備しか、工事・整備・点検ができません。第1類から第5類は甲種と乙種があり、第6類(消火器)と第7類(漏電火災警報器)は乙種だけです。乙種第6類の対象は消火器で、できるのは整備と点検です。
消防設備士が行う「工事」の対象設備に消火器は入っていません。消火器は「整備」の対象です(消防法施行令第36条の2)。
2026年度(令和8年度)試験の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施 | 一般財団法人消防試験研究センター |
| 対象設備 | 消火器(点検では簡易消火用具も) |
| できること | 整備、点検(甲種は工事もできるが、第6類に甲種はない) |
| 受験資格 | なし(乙種は誰でも受験できる) |
| 試験日・申込 | 都道府県ごとに年に複数回(下の日程の例を参照)。希望する都道府県で受験できる |
| 申込方法 | 電子申請または書面申請(令和10年度から原則として電子申請のみとなる予定) |
| 受験手数料 | 4,400円(非課税) |
| 試験方法 | 筆記(四肢択一のマークカード)と実技(写真・イラスト・図面などによる記述式) |
| 筆記の出題 | 30問:消防関係法令10問(共通6問・類別4問)、基礎的知識5問(機械のみ)、構造・機能・整備15問(機械9問・規格6問) |
| 実技の出題 | 鑑別等5問 |
| 試験時間 | 1時間45分 |
| 合格基準 | 筆記は科目ごとに40%以上かつ全体60%以上、実技は60%以上 |
| 合格率 | 35.6%(2025年度・受験者32,400人) |
出典:消防試験研究センター 消防設備士試験、試験の方法・合格基準・手数料、試験科目及び問題数、試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種)、受験資格 (2026年10月3日確認) ※受験前に必ずセンターの最新の受験案内を確認してください。
筆記は、合格基準を問題数に直すと分かりやすくなります。各科目で40%以上は、消防関係法令なら4問以上、基礎的知識なら2問以上、構造・機能・整備なら6問以上です。そのうえで30問のうち18問以上を正解する必要があります。実技は、筆記とは別に60%以上が要ります。
筆記には電気の問題がありません。公式の一覧表では、第6類の基礎的知識と構造・機能の電気の欄が「–」(試験問題がない)になっていて、出題は機械分野と規格だけです。
他の類の免状があると、試験の一部が免除されます。公式の一覧表(乙種第6類)では、次のとおりです。
- 甲種第1〜4類、または乙種第1〜4類・第7類の免状がある:消防関係法令の共通6問が免除され、試験時間は1時間30分
- 甲種第5類、または乙種第5類の免状がある:共通6問と基礎的知識5問が免除され、試験時間は1時間15分
- 電気工事士や電気主任技術者の免状だけがある:免除はなく、試験時間は1時間45分のまま
2026年度(令和8年度)後期の試験日程の例
| 試験会場の都道府県 | 試験日 | 申込期間(電子・書面とも) |
|---|---|---|
| 東京都 | 2026年12月12日(土) | 10月19日〜10月30日 |
| 福岡県 | 2026年12月13日(日) | 10月7日〜10月21日 |
| 東京都 | 2027年2月11日(木) | 12月14日〜12月23日 |
| 愛知県 | 2027年2月14日(日) | 1月4日〜1月12日 |
| 東京都 | 2027年3月7日(日) | 1月12日〜1月22日 |
| 大阪府 | 2027年3月14日(日) | 1月14日〜1月21日 |
出典:令和8年度後期 試験日程(消防設備士試験) (2026年10月3日確認。各行とも乙種第6類が実施される日です。申込期間が終わった日は載せていません)
東京都は類ごとに試験日が分かれていて、乙種第6類の日は限られます。申し込む前に、全国一覧で受験したい都道府県の日を確かめてください。
合格率は3年連続で3割台
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 25,136人 | 9,567人 | 38.1% |
| 2024年度 | 25,835人 | 9,345人 | 36.2% |
| 2025年度 | 32,400人 | 11,541人 | 35.6% |
出典:試験実施状況(令和5〜7年度の各月)|消防試験研究センターの消防設備士試験「乙種第6類」の行を、各年度の4月から翌年3月まで合計して算出(2026年10月3日確認。危険物取扱者試験の乙種第6類とは別の表です)
受験資格がなく誰でも受けられる試験で、合格するのは3人に1人強です。
転職で消防設備士 乙種第6類が評価される理由
消火器の整備は、消防設備士の免状を持つ人が行う仕事と法令で決まっている
消防法施行令第36条の2は、消防設備士でなければ行ってはならない整備の対象に消火器を挙げています。類ごとに扱える設備は消防法施行規則第33条の3で決まっていて、消火器は乙種第6類です。点検については、消防庁の告示で、乙種第6類の免状を持つ人は消火器のほかに簡易消火用具(水バケツ・水槽・乾燥砂など)も点検できると定められています。
点検にも決まりがあります。劇場・飲食店・百貨店・ホテル・病院などで延べ面積が1,000平方メートル以上の建物など、施行令第36条第2項に挙がる防火対象物は、消防設備士か消防設備点検資格者に点検をさせなければなりません。それ以外の建物は、関係者が自分で点検します。消火器は6か月ごとに機器点検を行う設備なので(消防庁告示第9号)、対象の建物では毎年2回、有資格者による点検の仕事が発生します。
出典:消防法施行令、消防法施行規則、消防庁告示第10号(点検できる設備の種類)、消防庁告示第9号(点検の期間)、総務省 消防設備点検資格者講習事業(消防法第17条の3の3の条文) (2026年10月3日確認)
求人票では、第6類の書かれ方が5通りある
リクルートエージェントで「消防設備士」と検索し、上から30件の求人票を開いて、類が書かれているかを確かめました(2026年10月3日確認)。類まで書かれていたのは15件で、そのうち12件が第4類(甲種第4類など)を挙げていました。第6類・第7類を挙げた求人は、この30件にはありませんでした。第6類を名指しした求人は、「乙種6類」「消防設備士 乙種」などの言葉を変えて探して見つけたものです。見つけた求人の書かれ方は、次の5通りでした。
- 「乙種6類以上」を応募条件にした求人(佐々木隆蔵商店・青森県八戸市):消防用設備の定期点検・動作確認と、期限切れ消火器の交換などを担当する。必須は「消防設備『乙種6類』以上の資格」で、消防設備の実務経験は不問。月給25万〜30万円(想定年収360万〜430万円)
- 営業経験などと並べて「乙種6類以上」を挙げた求人(ヤマトプロテック・大阪):消火器や防災設備機器を、防災専門店やホームセンターへ提案するルート営業。「何らかの営業経験」「消防設備士乙種6類以上」「普通自動車免許」のいずれかを満たせば応募できる。月給22.8万〜33.8万円(想定年収400万〜600万円)
- 「甲種・乙種のいずれか」で応募できる求人(ユニオン・シティサービス、川崎武蔵商事):ユニオン・シティサービスは新規の消防設備点検部門の機器点検・総合点検で、必須は「消防設備士(甲種・乙種いずれか)または消防設備点検資格者」。川崎武蔵商事は火災報知器・スプリンクラー・消火器などを点検するチームの一員で、必須は「消防設備士(甲種・乙種問わず)または第2種以上の電気工事士」(職種未経験歓迎)。どちらも乙種第6類で条件を満たせる
- 設備管理の求人が、資格の例として第6類を並べる求人(関電ファシリティーズ・福岡):オフィスビルや商業施設の設備管理(電気・空調・消防・搬送設備など)。必須は「第二種電気工事士」と、「設備関連の資格(例:二級ボイラー技士、乙種第4類危険物取扱者、消防設備士甲種第4類、消防設備士乙種第6類、第三種冷凍機械責任者)」。月給25万円以上(想定年収420万〜500万円)
- 類を「1〜5類」としか書かない求人(三菱電機インフラテクニカ・神戸):必須は「消防設備士甲種・乙種いずれかの1〜5類」などのいずれかで、第6類・第7類は書かれていない。乙種第6類だけで応募できるかは、問い合わせが必要
出典:佐々木隆蔵商店の求人、ヤマトプロテックの求人、ユニオン・シティサービスの求人、川崎武蔵商事の求人、関電ファシリティーズの求人、三菱電機インフラテクニカの求人(リクルートエージェントの個別求人。2026年10月3日確認)
類を名指しするなら第4類が目立つ一方で、乙種第6類を「以上」で応募条件にする会社もあります。第6類は、設備管理や点検の仕事に入るための最低ラインとして扱われることがある、と読み取れます。
資格手当は、乙種で月1,500円〜5,000円の例がある
確認した求人では、手当は「甲種」「乙種」の区分で書かれたものが多く、乙種の金額は会社で開きがありました。
| 会社(仕事の種類) | 乙種の手当 | 甲種の手当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 日本テクニカルサポート(点検の営業・現場管理) | 月5,000円 | 月6,000円 | 未経験可の求人あり |
| 晴耕雨耕(兵庫・マンション管理のフロント) | 乙種6類:月3,000円 | 記載なし | 営業・事務などの実務経験が必須で、資格は必須でない |
| 東京ファシリティサービス(東京・点検) | 乙種各:月2,000円 | 甲種各:月4,000円 | 未経験歓迎。取得後に手当を支給 |
| 大和ライフネクスト(奈良・物流施設の設備管理) | 乙種:月2,000円 | 記載なし | 合格お祝い金として乙種2万円も別に記載 |
| SKY防災(愛知・消防設備の工事会社) | 乙種:月1,500円 | 甲種:月3,000円 | 入社後に甲種の取得を目指す未経験向け求人 |
出典:日本テクニカルサポートの求人、晴耕雨耕の求人、東京ファシリティサービスの求人、大和ライフネクストの求人、SKY防災の求人(リクルートエージェントの個別求人。2026年10月3日確認)
月2,000円の手当でも、年額は2万4,000円です。受験手数料4,400円は、手当が出る会社なら3か月以内に戻る計算です(手当の有無・金額・「各」が類ごとの意味かは会社により異なるので、応募前に確認してください)。
消防設備士 乙種第6類が転職で有利にならないケース
有利にならないケースも、正直にお伝えします。
(1)消火器以外の設備が中心の職場を選ぶ場合
乙種第6類の免状で整備・点検できるのは、消火器と簡易消火用具です。自動火災報知設備は第4類、スプリンクラー設備や屋内消火栓設備は第1類の免状が要ります。実際に、防災設備の保守点検を募集するニッタン(大阪)の求人は、必須を「消防設備士甲種4類」にしています。半年に1回の機器点検と1年に1回の総合点検を担当する仕事で、乙種第6類だけでは応募できません。
出典:ニッタンの求人(リクルートエージェントの個別求人。2026年10月3日確認)
応募先が日常的に点検する設備を、求人票と面接で確かめましょう。火災報知設備が中心の会社なら、その設備に合った類を取るほうが、応募できる仕事が増えます。
(2)工事を伴う仕事に就きたい場合
乙種は、整備と点検の免状です。新設・増設・改修などの工事は、甲種の免状を持つ人でなければ行えません。工事まで手がける会社の未経験向け求人では、入社後の目標に甲種が挙がります。SKY防災(愛知)の求人は、「甲種消防設備士の資格取得を目指していただきます」と書いています。工事の仕事が目標なら、乙種第6類は最初の1歩と考えましょう。
(3)手当や年収の上積みだけを期待する場合
乙種の手当は、確認できた範囲で月1,500円〜5,000円です。手当だけで年収が大きく変わるわけではありません。年収を分けるのは、どの設備を、どこまで任されるかです。
とはいえ、これは「取っても意味がない」という話ではありません。応募条件に「乙種6類以上」「甲種・乙種のいずれか」を掲げる求人に、堂々と応募できるのが、乙種第6類の価値です。
【経験別】あなたの場合、消防設備士 乙種第6類は武器になる?
点検・設備管理の経験者は、消火器の整備まで自分の免状で担当できる
点検や設備管理の仕事をしている人が乙種第6類を加えると、点検で見つけた消火器の不具合(期限切れなど)を、整備や交換まで自分の免状で担当できるようになります。佐々木隆蔵商店の求人にも、点検時に見つかった期限切れ消火器の交換が仕事として書かれています。
設備管理の求人には、資格を並べて条件や手当にする例があります。関電ファシリティーズの求人は、第二種電気工事士に加えて、設備関連の資格(例に消防設備士乙種第6類)を必須にしています。大和ライフネクストの求人は、乙種の合格お祝い金と月額手当を用意しています。
次の一手は、扱える設備を広げる類の取得です。乙種第4類・第7類の試験では、乙種第6類の免状があると共通の法令6問が免除されます。さらに、乙種免状の交付後に2年以上、整備の経験を積むと、甲種の受験資格を満たせます。今の仕事で整備を続けながら、準備ができます。どの整備が経験に数えられるかは、申込前に受験する都道府県の支部へ確認してください。
マンション・不動産の管理経験者は、手当の対象にしてくれる会社を選べる
マンション管理会社には、乙種第6類を手当の対象に挙げているところがあります。晴耕雨耕(兵庫)の求人は、資格手当の一覧に「消防設備士乙種6類 3000円/月」を載せています。仕事は分譲マンションの管理運営のサポートで、理事会の運営補助、現場巡回と点検確認、修繕対応の取りまとめなどです。必須は営業・販売・接客・事務のいずれかの実務経験で、資格は必須ではありません。
推測ですが、点検会社から消火器の不具合の報告を受けたときに、何を直す必要があるのかを自分で判断できることが、この資格の使いどころです。
未経験なら、「先に取って応募する」道と「入社後に取る」道を比べる
消防設備の仕事が未経験の人には、乙種第6類は現実的な最初の目標です。乙種に受験資格はなく、筆記30問と実技5問で、合格率は3割台です。選べる道は2つあります。
- 先に取って応募する:佐々木隆蔵商店は消防設備の実務経験を問わず、消防設備士乙種6類以上を応募条件にしている。川崎武蔵商事は「職種未経験歓迎」で、消防設備士または電気工事士を応募条件にしている。取得済みなら、これらの求人に応募できる
- 入社後に取る:エスピーシー(埼玉・所沢)の求人は、未経験歓迎で、取得費用を会社が全額負担し、「まずは難易度の低い乙種6類を目指しましょう」と書いている。現場の空き時間は勤務時間中に勉強してよい。月給24万〜40万円(想定年収300万〜530万円)で、休日は日曜・祝日・夏季・年末年始の「6勤1休制」。東京ファシリティサービスも、未経験歓迎で取得を支援し、取得後は手当を出す
出典:エスピーシーの求人(エンゲージの個別求人。ページの最終更新日は2026年5月12日。2026年10月3日確認)。佐々木隆蔵商店・川崎武蔵商事・東京ファシリティサービスは前の章に載せた求人
応募前に、どの類を、いつまでに、会社の費用で取らせてもらえるか、受験日に休めるかを確かめておきましょう。
取得済みなら、資格より「何を点検し、何を直したか」を伝える
求人側が見たいのは、免状で何をしてきたかです。消火器の種類(粉末・強化液・二酸化炭素・機械泡)、点検した建物の種類と件数、不具合を見つけて交換や整備につなげた経験を、具体的に書きましょう。
消防設備士 乙種第6類を活かせる仕事と年収の目安
| 仕事 | 主な内容 | 資格の効き方 | 年収の目安(求人記載) |
|---|---|---|---|
| 消防設備の点検スタッフ(未経験可) | ビルや商業施設の消防設備の法定点検、報告書の作成 | ○ 入社後に取得を支援する求人が多い。取得後は手当の対象 | 想定年収300万〜530万円程度の例 |
| 消火器などの保守・点検(乙種6類以上が条件) | 消防用設備の定期点検、期限切れ消火器の交換 | ◎ 応募条件そのもの | 想定年収360万〜430万円の例 |
| 消火器・防災設備機器のルート営業 | 防災専門店やホームセンターへの提案、納品、見積書の作成 | ○ 営業経験の代わりに使える条件の例 | 想定年収400万〜600万円の例 |
| ビル・施設の設備管理 | 電気・空調・消防・搬送設備などの管理 | ○ 設備関連資格の例に挙がる。手当を用意する会社もある | 想定年収420万〜500万円の例 |
| マンション管理のフロント | 理事会の運営補助、現場巡回と点検確認、修繕対応の取りまとめ | △ 手当の対象止まり(資格は必須でない) | 想定年収350万〜450万円の例 |
| 火災報知設備などの点検・保守(甲種4類が条件) | 半年ごとの機器点検、年1回の総合点検、見積書の作成 | △ 乙種第6類では応募できない | 想定年収500万〜800万円の例 |
出典:リクルートエージェントの個別求人(東京ファシリティサービス、佐々木隆蔵商店、ヤマトプロテック、関電ファシリティーズ、晴耕雨耕、ニッタン)、エンゲージの個別求人(エスピーシー)(2026年10月3日確認) ※想定年収は、固定残業代を含む求人があります。会社・地域・経験で大きく変わります。
「点検スタッフ(未経験可)」の幅は、エスピーシー300万〜530万円、東京ファシリティサービス363万〜485万円の2社を並べたものです。甲種第4類を必須にしたニッタンの求人は、想定年収が500万〜800万円です。年収は資格の名前だけでなく、任される設備と責任の範囲、会社の条件でも変わると読み取れます。
あわせて取得すると強い資格
消防設備士の他の類:ビルの点検は、設備ごとに必要な免状が違う
ビルの消防設備は、設備ごとに必要な免状が違います。東京ファシリティサービスの求人は、点検の対象を「消火器・スプリンクラー・火災報知設備等」と書いています。1人で建物の設備をまとめて点検するには、第6類に加えて他の類が要ります。第6類と組み合わせる類は、次のとおりです。
| 免状 | 整備・点検できる設備 | 乙種第6類と組み合わせると |
|---|---|---|
| 乙種第7類 | 漏電火災警報器の整備。点検は、第4類・第7類で非常警報器具・非常警報設備・排煙設備なども | 第7類も乙種だけ。乙種第6類の免状があると、第7類の試験で共通の法令6問が免除され、試験時間は1時間30分 |
| 第4類(甲種・乙種) | 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備。甲種は工事もできる | 求人で類を名指しする例が最も多かった類。乙種第6類の免状があると、乙種第4類の試験で共通の法令6問が免除され、1時間30分 |
| 第1類(甲種・乙種) | 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備 | 消火器と並んで、点検の求人に出てくる設備。点検の免状としては、第1類・第2類で動力消防ポンプ設備や連結送水管なども扱える |
| 第5類(甲種・乙種) | 金属製避難はしご、救助袋、緩降機。点検は、これら以外の避難器具も | 乙種第6類の免状があると、乙種第5類の試験で共通の法令6問と基礎的知識5問が免除され、1時間15分(どちらも基礎的知識は機械分野のみ) |
出典:消防法施行規則第33条の3、消防庁告示第10号、試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(乙種)の乙種第4・5・7類の各表、東京ファシリティサービスの求人(2026年10月3日確認)
取る順番に決まりはありません。乙種第6類で点検の仕事に入ってから、第4類や第7類を取って担当できる設備を増やす進め方は、試験の免除を使えるぶん、勉強の負担が軽くなります。
消防設備点検資格者
点検の仕事の求人では、消防設備士と並べて「いずれか必須」の条件に挙がる例があります(前の章のユニオン・シティサービス)。第1種の点検資格者は消火器具や屋内消火栓設備などを、第2種は自動火災報知設備や避難器具などを点検できます(消防庁告示第10号)。点検だけに絞って考える人は、持っていると応募できる求人が広がります。
消防設備士 乙種第6類に最短で合格するには
公式の過去問題で、出題の形を先につかむ
センターのサイトに、乙種の筆記・実技の過去問題と解答が公開されています(令和7年度以前に出題されたもの)。第6類に関わる問題には、次のようなものがあります。
- 法令(類別):地下街に設置できる消火器を、強化液・二酸化炭素・粉末の組み合わせから選ぶ
- 基礎的知識(機械):炭素鋼を高温度で加熱して急冷する熱処理の呼び方を選ぶ(第1〜3・5・6類の共通問題)
- 構造・機能(機械):粉末・機械泡・強化液・二酸化炭素の各消火器が適応する火災を述べた文から、誤っているものを選ぶ
- 規格:蓄圧式消火器の指示圧力計について、規格省令に合わない記述を選ぶ
- 実技(鑑別等):消火器の一部の写真を見て、指された部分の名称(安全栓)と、別の部分の働き(キャップをはずす途中で本体容器内の圧力を排出する減圧孔)を答える
出典:過去に出題された問題(乙種)|消防試験研究センター(2026年10月3日確認)
つまずきやすいのは、基礎的知識の足切りと、数字の入れ替え、実技の記述
独学でつまずきやすいのは次の3点です。
- 基礎的知識は5問しかない
40%は2問です。3問までは間違えられますが、炭素鋼の熱処理のような機械の基礎で4問間違えると、他の科目が満点でも不合格になります - 似た数字が並ぶ
消火器は、各部分から消火器までの歩行距離が20メートル以下になるように置きます。必要な能力単位は、延べ面積を50・100・200平方メートルのいずれかで割って求め、どれで割るかは用途で決まります(消防法施行規則第6条)。数字だけを入れ替えた選択肢で迷いやすくなります - 実技は記述式
筆記は選択式ですが、実技は部品の名称と働きを自分で書きます。筆記が基準を超えても、実技が60%に届かなければ不合格です。公式の過去問題で、消火器の部品の名称と働きを書く練習をしてください
出典:消防法施行規則第6条、試験の方法・合格基準(2026年10月3日確認)
直前期は、科目ごとに足切りの問題数を数える
試験前の1〜2か月は、新しい知識を増やすより、科目ごとの足切りの問題数を数えることに集中するのが効率的です。法令は4問、基礎的知識は2問、構造・機能・整備は6問が最低ラインです。本番と同じ30問を通して解き、最低ラインに近い科目を先に引き上げます。迷う数字は、○×で素早く判断できるかを確かめてから深掘りします。
noteには、乙種第6類の○×100問があります(筆記3科目の対策で、実技は含まれていません)。本試験の筆記が10問・5問・15問なので、100問も33問・17問・50問と同じ比で配分され、全問に解答のポイントが付いています。問題サンプルもあります。実技の鑑別は、公式の過去問題で練習してください。
消防設備士 乙種第6類を活かして転職を成功させる進め方
資格を条件にする求人と、取得を支援する求人を探す
求人検索では「消防設備士」だけでなく、「消防設備点検」「消火器」「設備管理」「ビルメンテナンス」などの言葉でも探してみましょう。危険物取扱者にも乙種第6類があるので、検索には「消防設備士」を必ず付けます。
類まで書いてある求人は、前の章で開いた30件では半分でした。応募する前に、乙種第6類だけで応募できるか、会社が日常的に点検する設備は何か、取得支援はあるかを確かめるのが近道です。
職務経歴書で資格と経験をつなげる
「消防設備士乙種第6類 取得」と書くだけでは伝わりません。「ビル20棟の消火器を点検し、期限切れ・圧力異常の消火器を見つけて交換につなげた」のように、免状で何をしたかを具体的に書きましょう。未経験の人は、受験予定日と、次に取りたい類を書くと、取得への本気度が伝わります。
転職エージェントを味方につける
ここまでのステップを1人で進めるのは、仕事をしながらだとかなり大変です。そして何より、乙種第6類のように入口の資格を持っている人ほど、転職エージェントを使う価値があります。
理由はシンプルで、求人票には、点検する設備の種類や取得支援の中身が書かれにくく、自分1人で見分けにくいからです。「乙種6類以上」と書かれた求人と、「甲種4類」が必須の求人では、入社後に任される仕事がまったく違います。
転職エージェントを使うメリットは?
求人探しから応募、企業とのやり取りまで、相談できることは主に5つあります。対応範囲はサービスによって異なります。
資格手当や年収の条件を相談できる
「乙種の手当は付きますか」「類ごとに手当が増えますか」と、応募者が自分から切り出すのは気が引けるものです。確認した求人だけでも、乙種の手当は月1,500円から5,000円まで開きがあります。エージェントは企業との間に入り、あなたの代わりに条件を確かめてくれます。
希望に合う求人を紹介してもらえる
「点検の仕事に入りたい」「ビルの設備管理に移りたい」「年収は今より上げたい」。希望を伝えるだけで、条件に合う求人を選んで紹介してくれます。一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることもあり、自分で探すだけでは出会えない選択肢が増えます。
入社前に職場の実情を確認できる
点検する設備は消火器だけなのか、火災報知設備やスプリンクラーも含むのか。資格取得の費用は会社が出すのか、受験日に休めるのか。休日は何日か、緊急対応はあるのか。入社してから「思っていたのと違った」とならないよう、応募前に確認できます。
書類や面接の対策をしてもらえる
免状を職務経歴書にどう書けば評価されるか、面接で点検の経験をどう伝えればいいかを、業界を知る担当者がアドバイスしてくれます。
面接の日程調整を任せられる
面接の日程調整や企業とのやり取りを代わりにしてくれるので、今の仕事を続けながらでもスムーズに転職活動ができます。
さらに、これらはすべて無料です。公式サイトでも、各サービスの転職支援は無料と案内されています。エージェントは採用が決まったときに企業から報酬を受け取る仕組みなので、求職者がお金を払うことはありません。
こんな人は、まず相談だけでもしてみてください
- 乙種第6類を取ったのに、今の会社では手当も担当の範囲も変わらない
- 点検の仕事に入りたいが、未経験で応募できる会社が分からない
- 消火器だけでなく、他の類も取らせてくれる会社を選びたい
- 今の年収に満足していない
- 転職するかはまだ決めていないが、自分の市場価値を知りたい
1つでも当てはまるなら、エージェントに相談してみましょう。あなたの経験と免状ならどんな求人があるのか質問し、答えてもらうだけでも価値があります。
どの転職エージェントが自分に合う?
| 転職エージェント | タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ビルメン転職ナビエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(ビル設備管理) | 設備管理・ビルマネジメント・マンション管理・メンテナンスなどの転職支援。資格から消防設備士(甲種・乙種)、消防設備点検資格者を選んで探せる。資格や経験がなくても応募できる求人があると案内している | 点検や設備管理の仕事で消防設備士を生かしたい人、未経験からビル設備の仕事に入りたい人 |
| 建設転職ナビ(公式サイト・新しいタブで開きます) | 特化型(建設・設備) | 建設・不動産の技術職・専門職に特化し、設備管理や施工管理の求人を扱う。資格から消防設備士(甲種・乙種)を選んで探せる | 点検から、工事や施工管理の仕事へ進みたい人 |
| リクルートエージェント(公式サイト・新しいタブで開きます) | 総合型 | 求人数が多く、消防設備の点検会社だけでなく、マンション管理・メーカー・設備管理の求人も比べられる | 業界を決めきれていない人 |
迷ったら、業界特化型と総合型を1社ずつ、2社に登録するのがおすすめです。紹介される求人を比べることで、自分の市場価値がより正確にわかります。
よくある質問
- 消防設備士の乙種第6類は意味ない資格ですか?
消火器以外の設備が中心の職場や、工事の仕事では活かしにくい資格です。一方で、点検やビルの設備管理には、「乙種6類以上」「甲種・乙種のいずれか」を応募条件にする求人や、乙種第6類を手当の対象にする求人があります。入口として使えば意味のある資格です。
- 実務経験がなくても受験できますか?
乙種は誰でも受験できます。甲種には受験資格が必要で、乙種免状の交付後に2年以上の整備の経験を積む道などがあります。
- 甲種第6類はありますか?乙種との違いは何ですか?
甲種に第6類はありません。第6類と第7類は乙種だけです。乙種は整備・点検ができ、甲種は工事もできます。消火器は工事の対象設備に入っておらず、整備が対象です。受験手数料は乙種が4,400円、甲種が6,600円と違います。
- 実技試験もありますか?
あります。乙種第6類は、筆記30問に加えて、鑑別等5問の実技があり、写真やイラストを見て記述で答えます。合格には、筆記の基準と実技60%以上の両方が必要です。noteの○×100問は筆記の対策で、実技は含まれていません。
- 独学で合格できますか?
公式サイトで過去問題と解答が公開されているので、独学で対策を始められます。ただし、基礎的知識は5問で2問が足切りになり、実技は記述式です。直前期の総仕上げには直前ノートもご活用ください。
- 取った後に更新は必要ですか?
免状そのものの更新ではなく、都道府県知事が行う講習を受ける義務があります。免状の交付を受けた日以後の最初の4月1日から2年以内、その後は講習を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内ごとに受けます(消防法施行規則第33条の17)。
まとめ:あなたの次の一手
消防設備士の乙種第6類は、点検やビルの設備管理の仕事に入るための、取りやすい入口になる資格です。一方で、免状で扱えるのは消火器までで、火災報知設備やスプリンクラー設備、工事の仕事には他の類や甲種が要ります。
今の経験と、任されたい設備の範囲を確かめたうえで、次の一手を選んでください。
参考